さて、先週月曜日の北海道公演で壊した喉。
翌日、いつも診ていただいている横田先生(耳鼻科、山形大学の先輩)に、
「声帯白板症の可能性もあるから、この1週間、様子を見よう。もしも炎症による痰がくっついているのであれば1週間で取れるだろからね。」
この一週間は、本当に不安でした。健康のありがたみがひしひしと感じられ、それを失うかも知れない不安と恐怖に押しつぶされそうでした。もしも病変が良くないとしたら歌えない、語れない。自分はもう終わりだ~と思えてくる。
失いかけてようやく見えてくる健康のありがたみ。健康であるだけで十分価値があることが痛いほどわかってきます。テレビを見ると普通にしゃべったり歌っていたりする人がうらやましく、きっと自分も何ともない、大丈夫だと根拠のない慰めに浸ろうとしたり、でも声の調子が良くないことは自分の中でははっきりしていることですから、白板症の進行具合を勝手に想像して落ち込んだり。
それでもステージはほぼ普通にこなせて、みんなには、
「全然大丈夫だよ。よく声も伸びているよ。」
といわれても、なかなか安心できない自分がいました。
そして今日、仙台市内の二つの中学校のステージを終え、信頼する横田先生の元を訪ねました。おそるおそる診察台に座りますが、いつものように横田先生は明るく、
「気にしない気にしない。たとえ白板症があっても歌っている人はたくさんいるから~!」
そして喉頭鏡が入りました。
「お~、きれいになってるね。全くなくなっているよ。やっぱり白板ではなく、しつこい痰だったんだね。良かった良かった!」
ということで、あえなく心配の種は消えていきました。
「ここまで歌い続けて、これほどの回数の公演こなしていたら普通は白板じゃなくて結節ができるよ。でも桑山くんの声帯はとてもきれいだ。おそらくいい発声をしているからここまで保てているんだよ。自信持ちなさい。」
横田先生のありがたいお言葉。
しかし、今まで以上にわかったことがたくさんありました。
まずは喉はいたわっていくべきだということ。時々喉頭鏡でのぞいてみて、メンテナンスをしていくこと。
でも、一番わかったことは・・・。
自分がどれだけステージを大切に思い、ステージにかけている思いは自分の予測をはるかに超えてものすごく大きいということです。
声が出なくなったら、人生終わりくらいの気持ちになった今回、どれほど「地球のステージ」が自分にとってのライフワークになっているか、心の底からよくわかりました。
だから、これからも健康に気をつけ、喉の状態をよく保ち、一つ一つのステージにベストで臨めるような自分を創っていきたいと思いました。
それを裏付けてくれるように、今日の仙台市立山田中学校の6年目のステージ、6番を聴いてくれた生徒さんたちのすばらしい
姿勢。午後からの仙台市立鶴ヶ丘中学校の生徒さんたちの感動する態度。
山田中学校にて 公演終了後の質疑応答の様子
鶴ヶ丘中学校にて 公演終了後:生徒さんからお礼の言葉
どちらもすばらしい中学生に逢えて本当に良かった。この活動を永続的に続けたいという願いを再確認させてくれて感謝しています。こちらは泉区の家庭健康課が毎年1校を選んで公演を呼んでくださっている企画。実に10年が過ぎました。
6年続いている山田中学校。10年続いている泉区市役所。
とにかく、コツコツと長く続けることが大切だと思っています。まさに東ティモールのダン先生のように!
桑山紀彦
追記
それにしても明ちゃんが作る「ハチミツ大根」のエキスは効きます。声がさらさらになる感じ。これから遠征が続くので、旅先でも大根を切って、ハチミツに浸していくつもりです。
見えないところの病気はどうしても楽観的にはなれませんよね。
なんでもなくてよかったですが、あまり体を酷使しないで下さい。
でもドクターが不安にかられたり、ホット胸をなでおろしたり、妙な感じと微笑ましい感じがして😊😊!(^^)!です。
今日のブログは嬉しさで弾んでいました。
声帯が無事でよかったですね。ドクトルでも不安になったり落ち込んだりするんですね。親近感を感じます。
明ちゃんが作る「ハチミツ大根」エキスのレシピも紹介していただけるとうれしいです。冬場の乾燥で喉を傷めることが多いので…。よろしくお願いします。
昼間NHKのラジオを聴いていたら、ゲストが岩崎ひろみさんでした。
以前、声帯のポリープの手術をしているそうで、とても辛かったので、今は週に一度、声帯のチェックをしていると話していました。モニターで見て、「少し赤くなってるな」とか、「大丈夫!気にしない」と思うようになったと言ってました。
「声」を仕事にしている人は、何かしら気を使っているんですね。
エキスを取ったはちみつ大根、塩をふって甘酢に漬けたら、美味しそう・・・。
声帯大丈夫で良かったですね。明子さん、はちみつ大根作り
よろしくお願いします。
声を使う人の大変さ・・・
私も若いころはずっと声楽を学んでいたので、よーくわかります。
あの当時は、喉のために香辛料を一切禁止されていましたし、冬は毎晩首にタオルを巻いて寝ていました。
ちょっとでも喉が痛い時には、マスクを水で濡らして、鼻は出して口にだけマスクをして寝ていたものです。
これからの寒さと乾燥の季節は、ますます注意が必要な時期ですが、桑山さんの思いの強さの前に、立ちはだかるものはないと信じています!
これからも、喉、お大事になさってくださいね。
鶴が丘です
「が」はひらがなです