嬉しい出来事がありました。
11年前に始めた心のケア。その第一期生の生徒たちがなんと食事に招待してくれたのです。
中心となったのがモーメッド。
2003年に活動を始めた時の第一期生の子どもたちとはことのほか心のつながりが強く、その一人であるタハニとは今もつながり、「地球のステージ2」の「パレスチナ篇1」の主人公であり続けています。
(第一期生たち。2006年9月の写真)
そのタハニの同級生であるモーメッドは、ラファのメインストリートである「海通り」のど真ん中のお店で働いています。いつも声をかけてくれて、最近特に仲良くなっているのですが、そのモーメッドが同級生を集めてくれたのです。
向かって左からアーベッドの弟、アシャラフ、ハンサムなモハマッド、モーメッド、イブラヒム、明ちゃん、おひげのモハマッド、そしてアーベッドです。8年が過ぎました。その間2回大きな戦争がありました。
みんな「地球のステージ4」の「パレスチナ篇3」の打楽器演奏会に出てくる人ばかり。
そう、あの「おまえに何がわかる」のニーメルの同級生なのです。ニーメルは現在結婚して今日はこれませんでしたが、次回は是非来たいとのこと。でも、シャッターを取り付ける会社に働いているので、今は職がなく困っているとのこと。
今日集まってくれた青年たちも、おひげのモハマッドは大学を卒業したけれど、仕事がなく甲斐性を出してクルマを購入、タクシー運転手として頑張っています。でも、ハンサムなモハマッドは仕事がなく、イブラヒームは看護学校を卒業したけれど職がなく、今はスーパーマーケットで働いています。
(男の子たちが、チキンを焼いてくれたのでものすごい煙の中です。)
厳しい就職事情の中、みんなが集まってくれました。
モーメッドが言いました。
「フロントライン(「地球のステージ」の英語名です)は、すごいよな。だって11年もずっと活動しているし、最近はその活動がどんどん良くなっていて、みんな知ってるよ。」
イブラヒームが言いました。
「僕たちは心のケアを受けて育ったんだ。だからとっても感謝してるよ。その恩返しをしたいと思うんだ。だから是非今のフロントラインでボランティアとして活動したい。仲間に入りたいんだ。」
ハンサムなモハマッドが言いました。
「そういえばケイはよく歌を歌ってくれたよな。あの、お父さんのことを歌った歌が忘れられないよ~。」
でもモハマッド、その歌を歌った時にニーメルに厳しい一言を言われたんだけどなあ、と思いつつ、でもやっぱり仲間はいいものです。
こうしてみんなと集まれる幸せ。
それは長~く一つの国に関わり続けることでようやく得られる充実感です。確かに1回の滞在は短いかも知れない。でも足繁く通ってもうパレスチナにはこの11年間で24回も通っています。アーベッドの弟のアシャラフが言いました。
「ケイの動きを見ていると感動する。ラファに来ている時間の中で大切な人たちをちゃんと訪ねて誠意を尽くしている。こんな外国人見たことない。その気持ちにパレスチナ人は応えたいんだよ。」
ありがたいです。
そしてタハニを訪ねました。
彼女は「地球のステージ2」の「パレスチナ篇~海を見に行った少女たち」の主人公。13歳だったタハニは海を見つめて、
「海はどんなところへもいける自由のシンボルだ」
と語りました。封鎖されたガザに生まれ生きてきた彼女なりの希望の方向性を見いだしたものです。
(タハニ13歳)
そんなタハニは昨年3人目の娘、ジャナを産み、今は3児の母です。相変わらずたくましい笑顔で出迎えてくれました。
「今度はいっしょにみんなで食事しよう!」
そういうタハニの暮らすブラジル地区も危険地帯ですからずっと避難生活をしてきました。でも、元気に生きています。
(タハニ23歳。3児の母です)
こうして大切な人々との再会も果たし、いよいよ「地球のステージ」の心のケア、「心理社会的ケア」は本格化しています。今回の50日戦争をバネに、人はどこまで強くなれるか、頑張って関わっていきたいと思います。
今日のワークショップでも大切な意見がたくさん出ました。それはまた明日の報告にて。
皆さんいつも応援ありがとうございます。
モハマッドとアッラーは来年の8月に日本へ誘う(いざなう)予定です。皆さんの街で是非、この二人の兄妹の講演会を開きませんか?
そして新しく制作が始まった、「パレスチナ篇~50日戦争のあとで」シリーズにご期待下さい。
桑山紀彦
継続は力なりと言いますが、つながりがうれしいですね。同窓会、とても楽しそうです♪♪♪
就職難が心配です。閉ざされた社会で経済も上手く回らないのでしょうね。
戦争の根本的な解決が早く実現されますように。
日本人として異国で認知される人が居る嬉しさはさておいて、改めてステージの活動の意味と成果を肌で感じました。
言葉も習慣も違う地で期待をもって受け入れられるのは、桑山さんのぶれないピュアで強固な信念に対する信頼感以外の何物でもないと思います。
東北の子供たちも必ず立ち上がれますよね。