文科省委託「いのちの教育」の始まり

今年度、文科省の委託事業を頂いています。それはまさに「いのちの教育」「被災地から学ぶ」「震災学習」「学び場の提供」いろんな表現ができますが、4年目に入り、ついにこの被災地で学んできたことを教育の現場に落とし込み、学びの場を提供しようというものなのです。
 「津波のことは忘れてもいい。でも津波で学んだことは忘れてはならない。」
 これを合い言葉に始まったこの事業は、横浜市立篠原中学校の教諭でいらっしゃった熊切先生からお声がけを頂いたものです。
 
 今日がその始まりの日である第1回目の講座は、映画「ふしぎな石」の上映と津波の案内人小齋正義さんの講話で構成しました。場所は塩竃市立玉川中学校です。
 連日の大雨であいにくの天候となった玉川中学校ですが、今日は塩竃市挙げての防災訓練の日です。学校も避難所となり地域の皆さんが集まってきていました。
 そんな中、生徒さんたちは避難誘導訓練に始まり、仮設パーテーションや家族用コンパートメント、簡易トイレの組み立てなどの活動の従事していました。そんな中で、映画「ふしぎな石」が始まりました。
 みんな真剣に耳と目を傾け、その後の小齋さんの講話に聞き入ってくれました。
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 最後にあいさつに立った2年生の女子生徒の感想の立派なこと。映画で伝えたかったこと、小齋さんが心で訴えたこと、みんなすべて網羅してすばらしい表現力で感動させてくれました。
 こうして、記念すべき第1回の「震災学習」は終わっていきました。
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 折しも横浜の中学生が長崎で「死に損ない」と暴言を吐いたというニュースが全国紙にも登場した今日。私たちは気持ちを新たにしなければなりません。
 どうやって若い世代の人たちに、この津波やその後の復興のことを伝えていくのか。それは大きな課題です。しかし、
「人の話をまじめに聞く」
「想像力を持ってして、その話を心の中で膨らませる」
 ということがいかに大切か、肌身で感じます。
 これからもこの震災学習は宮城県内で展開され、全国には「地球のステージ」で展開していきます。
 我が身のことのように感じる力を、どう小学生、中学生、高校生に伝えていくか、また新たな取り組みが始まりました。
 被災後4年目はまさにこの「震災学習~教育現場への進出」がテーマです。
桑山紀彦
 

文科省委託「いのちの教育」の始まり」への3件のフィードバック

  1. 桑山さん、小斎さん、お疲れ様でした。
    命の大切さを学ぶ機会をもっともっとつくらなければなりませんね。
    人を思いやる「想像力」をつけるにはどうしたらいいんでしょうね。
    今は心に届かなくても、蒔かれた種はいつか芽を出して育ってくれるでしょうか。

  2. 「死に損ない」発言!ビックリでした。そして多発する怪奇な殺人事件。何故、屈折した人間が続出するのか考えると暗然とします。
    人に、あって当たり前の(思いやりの心)が薄くなった社会~何とかしなきゃ!~焦る気持ちだけが募り、やり切れません。
    勝手にステージの拡がりに期待しちゃいます。

  3. ツアーが始まる前、態度の悪い男子生徒1人をきびしく叱ったことを根に持ってのことだったらしいです。
    事件が起きると、一部の中学生が目立ってしまい残念な気持ちになってしまいます。しかし、玉川中の生徒さんのようなすばらしい中学生も沢山いることを忘れないようにしなければいけません。
    事件を起こした中学生がアホなことをしたと、自分で気がつく時が来ますように…

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