音楽ワークショップ2日目

今日はワークショップ2日目。

実際のカランディア難民キャンプの子どもたちと共に行う音楽ワークショップ1日目です。

思ったほど落ちつかない感じではなく、よく出逢うパレスチナの少年たちという感じですが、代表が来るというので、ボランティアが5人も入っているところがいつもと違うところで参りました。

中心となるマイとハッサンの学習のために桑山が来ているのですから、通常と同じようにボランティアがいない、たった二人だけのファシリテーションを見せてもらうはずが、わんさか助っ人がいる状況では本当の学習にならないなあ、と思いながら活動が始まっていきました。

今日は子どもたちがこれまでのトラウマについて書き出し、今後の人生について希望を明らかにするステップに始まり、そこからキーワードを抜き出して歌詞に変えていく準備まではやろうというものでした。

しかし課題山積。

まず時間のコントロールが出来ていない。ファシリテータ自らが時計も持たず時間経過の把握をしていないこと。おやつの投入も適当で、それで子どもたちの集中力を切らせてしまっていること。

ファシリテーターなのに全体を見渡さず、目の前の子どもにだけ関わって、全くのマネージメントが出来ていないこと。プレゼンテーションもだらだらと行い、いつ始まっていつ終わったのか全然わからない。だからみんなやる気とこの活動の意味を失って途中でばらばらになってしまうこと。

いろいろと見えてきました。

でも考えてみれば現時点でうまく出来ないから国際協力があるのであって、今日の時点で完璧に出来ていなかったら国際協力は要らないわけですから、こういった問題が把握できて良かったと思っています。

しかし大変なのは、パレスチナ人の妙なプライドの高さです。

人の前で指摘すればへこんで出てこなくなるようなもろい精神性なのに、陰でその人にだけ言うと、「うんわかった」という割には全然実行せず身につかないということが頻繁に起きるということです。

だから今日はあえてスタッフのみですがみんなの前でマイとハッサンの良くないと思われるところをきっちりと、はっきりと、しっかりと話しました。でないと信頼関係など築けないからです。最初は自分たちへの指摘に顔をこわばらせていた二人でしたが、

「他者から指摘されなくなったらおわり」

「言ってもらえているうちが成長の時期」

と、自分の経験に載せて話すとようやくほがらかに納得してくれたようです。二人とも「成長したい」という願いをもっていると言うことです。

「正解」はないかもしれないけれど、自分のやり方に常に疑問を持ち、「これいいのかな?」という視点を持つことが、最高のファシリテーターになる秘訣なのだということは通じたようでした。

明日の2日目が楽しみです。

 

桑山紀彦

音楽ワークショップ2日目」への2件のフィードバック

  1. アラブの人が創るはアラブのメロディになるのですねえ。世界中色々な楽曲を耳にしてても芯が有るのですね。それでも他国の音楽は取り込めていたりして。出来上がりが楽しみです。
    皆さんご自愛ください。

  2. 新たなプログラムのたびに初歩からのスタートとは~随分と根気のいることですね。
    じれったい思いが有ると推察しますが~それが国際協力の原点と言えるのは凄いことです。
    きっと成功させて下さい。

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