今晩、東北新幹線に乗り、羽田空港に移動しました。
明日からの島根公演、広島公演に備えるべく、今日は夜のうちに羽田入りです。
そんな新幹線の中で、大声で会社のことをしゃべり続ける会社員がいました。
二人とも仙台出張の帰りなのでしょう。ビールをあおって大声でしゃべり続けます。そのほとんどが会社の部下の悪口でした。
「○○は情けない。あんなやつはすぐクビだな。」
「そっすねオレもあんなやつには期待してないっすよ。」
「でもお前も調子が良すぎるんだよ。」
「なにいってんすか。営業はそんなモンスよ。」
聴くに耐えない会社の内輪話が進んでいきます。一人は50代後半の部長クラス。もう一人は50代前半の課長クラスでしたが、静かな車内に口汚い言葉がこだましていきます。
こんな時いつも赤い消防車の歩さんに問いかけます。
「オレはどうするべきか。」
そして歩さんはいうのです。
「見て見ぬふりするな。」
だから、意を決して、
「あなたたち、そういう会話は明日会社に戻ってしましょう。」
すると年下の男は、
「あ、すみません。」
と一旦言ったのに、年上の男が、
「何だうるせえ。」
と言ったのです。そこからは部下も態度を豹変させ、
「何だ、こいつ。お前にそんなこと言われる筋合いはねえよ。」
と突然語調を変えます。そこからは二人でいっせいに桑山攻撃です。
「こういうやつが日本にいるんだよね、情けないね。」
「どうせ貧しいんだよ。いやだね~貧しいやつは。」
「こんなやつが経済をダメにするんだよ。」
情けなくなりました。ひとしきり言い返しましたが、相手は2人です。勢い付いて人を馬鹿にする言葉を浴びせてきます。
よくこんな情けない言葉が吐けるなと言うくらいに、口汚い言葉です。後は言い返してもこちらの品格が下がるので黙っていました。
そして天国にいる歩さんに確認。
「オレはこれで良かったのか。」
「ああ、やるだけやった。自分に正直であった。それでいい。」
無言でいる桑山に、少し恐れをなしたのか、こちらへの罵倒は方向を失っていきます。
「一体何の仕事してんだ?」
「いくらもらってんだ?」
「こっちは一部上場企業だぞ~。」
これが、日本の50歳代のサラリーマンの姿なのでしょうか。
最後に、桑山は車内にみなさんに向かって、
「みなさん、この2人のしゃべる内容がうるさくて、静かにするべきだと思った人、手を上げてください!」
と問いかけました。ほとんどが出張帰りのネクタイサラリーマンでした。残念なことに、彼らは全く手を上げようとせず、ひたすらうつむいていました。
しかし、斜め後ろに座っていた年輩の女性が、
「はい!」
と手を上げてくれたのです。嬉しかったですね。それでも愚かな2人は、
「ほら、たった一人じゃないか、お前の負けだ。」
これが、一部上場企業の営業マンの実体。後は無言で通しました。
ただ一つ意外だったのが、
「何だこの若造が!お前一体いくつだ?」
と罵声を浴びせられたこと。絶対お前と同じくらいの歳だよと思ったけれど、その男には僕が若く見えたんですね。だから余計に腹が立ったみたいでした。
ちょっと、得した気分にはなりました。
東京に着いて思いました。正義は他人と比べるものでなく、自分の内面にあるものです。大声で自分の部下の悪口を実名で新幹線の中でしゃべるべきではありません。僕はそれに対して正義を通したかった。その気持ちにどこまで正直になれるかは、自分の心の内面の戦いです。
「うるさいな~」
と言ってやり過ごすことはできる。無視しておけばいいという考え方もある。しかしそれでは後で絶対に後悔します。そして、こちらもいやな目に遭いましたが、少なくとも勇気を出して手を上げてくれたあの女性にとっては、
「良くやってくれました。」
という思いを持ててもらえたのだと思います。モノレールに移るまでの山の手の中で、宙づりの広告の軽~い内容を見て思いました。
「この国は、本当に大丈夫なのか?」
まずは、学校で「正義」をどこまで伝えられるかだと思いました。
歩さんがいつも見守ってくれていますように。
そしてダン先生が「それでいい」と言って下さいますように。
さて、NHKラジオ全国放送のお知らせです。
日時:11月16日(土) 朝6時14分
NHKラジオ第一(全国放送)
内容:映画「ふしぎな石」や「心のケア」の実践
~桑山単独インタビュー!!
請うご期待!(って起きられませんよね~)
桑山紀彦
あなたの真っ当な正義感に拍手を送ります。あなたの言動は全く正しい。正義を追い求める法律学者が認めるのです。そして、たったひとりでも手を挙げてくださった女性がいらっしゃったことにこの国の(未だの)健全性を見い出しましょう。
ただ相手が「怪しい輩」の場合は、車掌さんにお願いしましょう。世界一銃刀所持に厳しい法律を持つわが国でも、非合法な凶器を携えている人間は確かにそここにいるのですから。
私はお酒が飲めません。「飲み交わせないから本音を話せない」「酒の席でのことだから昨日のことは水に流してくれ」と言われながらサラリーマンをしてきました。
酒をエクスキューズにするのは日本人の悪い癖で卑怯なことだと今でも思っています。
きっと桑山さんも”管を巻けない”んですよね。
こんな屑に説教は無用、「静かにしろ!」の一言に限ります。むなしい気持ちが澱になるだけです。
1日遅れのコメントです。桑山さん読んで下さるといいな。
酒で理性を失くした人に、話は通じない。
素の桑山さんの正直さに、本当に勇気がある人と改めて尊敬します。
しかし今度同じような場面では、車掌さんにお願いして下さいね。
最近のJRの職員さんは、若い人も毅然と対処してくれます。
桑山先生の思い切った勇気はすごいですね!
歩さんと心のうちで対話されたのですね!
はがゆい想いをされましたね。
言うまでは、気になっているのは自分。でも言ったあと、気になるのは相手。
だったりします^ ^
いまこのタイミングでなくとも、どこかその方たちの心にフックとなって忘れられない経験と言葉になったかもしれません^ ^
言ったことは目の前を確実に変化させていることだとおもいます。
何より、先生の心の声に従って行動されたこと、自己裏切りすることなかったこと、素敵だなとおもいます。
長々と大変失礼しました。