今日は「スカイルーム」の卒業式でした。
2011年6月から始まった心のケアとしての「心理社会的ケア」。子どもたちを対象とした「スカイルーム」は実に2年の年月をかけて多くの活動に取り組んできました。
2次元表現としての写真言語、描画。
3次元表現としての粘土細工、針金の人生、ジオラマ制作。
4次元表現としての音楽、映画制作、ラジオドラマ、そして演劇。
これほどの活動をシステマティックに、ここまで取り組めたのは初めてだったと思います。これまで幾多の国で取り組んできた心理社会的ケアですが、完璧にすべての課程を修了しました。
子どもたちはこの2年できちんと津波に向き合い、整理して乗り越えていったと思います。
そんな中での演劇「星に昇った少年」は、木曜日チームが頑固にも、
「ぜったいに演劇でやりたい!」
と訴え、みんなでがんばってセリフを覚えるという難行を克服するかどうかが最大の懸案となっていた最後の活動です。
今回は山梨から照明の中西さん、板谷さん、音響の小口さんを迎え、とってもプロフェッショナルな照明と音響の元で舞台を創っていきました。木曜日チームのみんなはとってもがんばってセリフを覚えてきました。午前中のゲネプロの時もほとんど完璧に覚えていますが、3~4カ所、不安定な部分がありました。それでも、本番になって決してびびることなく舞台に向かっていきました。
桑山は、完全に黒子の衣装となり、場合によっては影からセリフを伝える役割もあるかと待機していました。
しかし本番は決して黒子の桑山が舞台に出る必要はなく、見事に子どもたちは演じきりました。
(主役の冬馬君)
こんなにすばらしい演劇に、たった3ヶ月でなるとは。しかも本格的な練習は正直6回のみでした。小学生の持つ可能性の高さに驚くと共に、
「おそらく無理かもしれない」
と思ってしまった自分が情けなくなりました。こどもたちは、「やるといったらやる!」のです。
(りんりんも出演)
(カーテンコール)
そして一人一人に修了証を渡しました。
2年間のたくさんの想い出がよみがえり、胸が熱くなります。この子たちと共に過ごした2年間。常に津波に向き合い、壊滅した故郷、石巻、陸前高田に出かけた日々。暗闇の迫る中、被災地ど真ん中の閖上や下増田で行ったロケ。風の強さ、切なさ、そして勇気。
いろんな感情を共に分け合ったと思います。
そんな中で、月曜日、下増田チームの鈴木野乃花さんのお母さんからのメッセージを紹介させて下さい。
「2年間、大変お世話になり、ありがとうございました。娘が毎週楽しみにしている様子。だんだん明るく元気になっていく姿を見て、親としてとても嬉しくなりました。親がかわってやれない心の傷や言葉に表せない思いを。スカイルームの活動の中で、しっかり見つめ、考え、向き合うことができて、今があるのだと改めて思います。これまでいろいろなご苦労もあったかと思いますが、本当にありがとうございました。」
こちらこそ、子どもたちからもらった勇気にいつも励まされていました。
これからは、この「心理社会的ケア」のマニュアルを作り、他の被災地へこの心のケアを広めていく活動、セミナーや講演会をどんどん行い、被災地全体に心のケアが「当たり前」になるような活動。そして、課題となっている大人のみなさんへの心のケアに取り組んでいきます。
3年目もみなさんよろしくお願い致します。
桑山紀彦
スカイルームの卒業式
想像していませんでした‥でも「乗り越えてるなぁ~この子たち」とJICA中部でお会いできた時に感じてました。本人たちの魅力と、未来を築いてゆくに違いないパワーとともに。
ご卒業おめでとうございます。卒業されてからも、あなたがたの成長を、たまには知らせてくださいね♪
桑山さん、りんりんさん、けんけんさん
おつかれ様でした。。
「心理社会的ケア」のマニュアル作り、被災地全体に心のケアが「当たり前」になるような活動。大人のみなさんへの心のケア‥
待ってみえる方がどれほどいらっしゃるか‥たいへんなことだと思いますが、とても大切な活動、応援し続けたいです。
心のケア活動が明確な成果がみえたこと、そして子供たちが自分の意志と力で一段上がったのが感じられます。
きちっとした目標達成に敬意を表します。
けんけんさん、りんりんさん、桑山君、スタッフの皆さん
本当にお疲れ様でした。大人が子供を決して見放さない、
そばで励ましてくれる、一緒に時間を過ごしてくれる。
・・・・この貴重な経験を通して子供たちがどんな
大人に成長していくか楽しみです。
卒業おめでとうございます。
本当はもっともっと側に居たいと思いますが・・・。
中身の濃い二年間でしたね。一つ一つが大事に思い返されます。
スカイルームでの出来事はこれからも子どもたちの心の糧となっていくでしょう。
スタッフの皆さんも本当にお疲れ様でした。