映画「生きる」

厚木にある小さな映画館に大川小学校の訴訟を闘った人々を描いた映画「生きる」がやってきました。
いろんな思いを抱えて見に行きました。
登場するほぼ全てのご遺族と知り合いであることもそうですが、僕自身この訴訟に関わり、弁護士の吉岡先生に依頼されてたった一人生き残った先生の証言がいかに大切か、しかもそれはその先生にとってもいかに重要なのかの意見書を書いた経緯があります。
その先生が全く外の世界に出てこないことの不自然さを必死に伝えたのですが、先方は東北大学の精神科の教授に依頼して反対意見を提出し、嫌な展開になりました。
その先生が初期の頃にご遺族の前で話している姿には、とても驚きましたが同時にとても苦しくなりました。その先生にちゃんと語ってもらうための意見書を書いてきたからです。

大川小学校は「その時」までは自然災害だけれど、「その直後」から事件なのだということがとても良くわかります。そして伏線にあるのは、
「大人がつまらないいさかいまがいの綱引きをすることで、子どもたちの命が失われた。」
ということ。教育の現場は、
「子どもたちの命がランドセル背負って通ってくるところ(佐藤敏郎さんの言葉)」
なのだという自覚を持って運営されなければならないということ。
仙台高裁の裁判長の言葉。
「学校が子どもたちの命の最期の場所であってはならない。」
その自覚が、この映画によって全国に拡がることを願って。

ちなみにこの映画を制作されたのは「パオ・ネットワーク」。津波の後「東北発・未来塾」が始まってその4番目の講師に指名され、番組になった際の制作会社でした。
今日は監督の挨拶もあって、面会させていただきました。未来塾の担当だった大久保さんもお元気だそうで。あっという間に12年です。

桑山紀彦

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