今日の午前中は、閖上中学校遺族会による慰霊碑周辺の清掃活動でした。刈っても数週間経つとすぐに雑草で覆われてしまうため、すっきりときれいな状態でお彼岸を迎えたいということで本日活動を行いました。
それぞれの近況や想いなども交えて、草を取りながら会話されていきます。
8月にお会いした際の様子が少し気になっていた方も、その時と比べると表情も良く、うかがってみると少し気持ちは落ち着いたとのことでした。ただ、気持ちの波はあっても、遺族の方にとって、時間は止まったままです。
「いつまでも泣いていたら前に進めないよ」という周りの人からの声に対して、「別に前に進まなくたっていい」と。「いつまでも悲しんでいたら子どもが成仏できない」と言うのなら、成仏しないで自分のそばにいてくれればいい。
そう思うのは自然なことだと思います。人それぞれのペースがあるので、無理して進まなくても良いんだと思います。
そして午後。日曜日にほぼ定期で開催しています「語り部の会」です。
今日は、語り部として初めて語ってくださる女性の方でした。津波で旦那様を亡くされています。
時々、自宅があった場所を見に閖上に来るというその方は、8月上旬に「閖上の記憶」に立ち寄ってくださいました。ちょうどその場にいた私にいろいろと語ってくださり、語り部をしてくださることになったのです。
その方の語りもとても貴重なお話でした。閖上中学校に避難した2日間はごくわずかなものしか口にできなかったこと、実際に経験された方からお話を聞くと痛いほど伝わってきます。
亡くなった旦那様を思うと、当日の自分の行動を悔やむ気持ちもあると言います。しかし、旦那様を供養するために自分は生き残ったんだと思う、と話されていました。
語り部の会が終わってからも、参加された方々の中には、引き続き語り部さんと1時間近く話をされていた方もいらっしゃいました。語り部さんも涙を流されながら語っておられました。
「語り部の会」は、震災の真実を多くの人に知ってもらうため、震災のことを忘れないため、ということの他に、語り部さんご本人の想いの吐き出しと心の整理をするという大切な場所でもあります。
心を整理するペースは人それぞれです。こうして語る場を求めている人が一人でも多く、少しでも早く、その想いを語ることができる時がきますように。
林 由美
りんりん、有難うございます。
語り部になることで、心の整理をなさっていくんですね。
想いを語る場があることが大事なのだな、と改めて思いました。
閖上中学校の遺族会も定期開催されていて、皆さんの心の拠り所になっているんですね。
先日、「閖上の記憶」と丹野さんの談話をテレビで拝見しました。
今、こうしてブログを見ていると記録を伝えることと、想いを吐露する場所として「閖上の記憶」が心のオアシスの役目を立派に果たしていることを実感しています。