今日、「東北発★未来塾」のロケが終了しました。
8人の塾生の皆さんは、どの人材も感受性豊かで、前向きかつ素直でした。だから、ものすごいいい番組になると思っています。これまで、幾多の番組に出てきましたが、このような番組を通じてみんなで学び合い、成長していくというタイプのものは初めてでした。最初はどうなるか不安でもありましたが、塾生のみんなの学ぶ姿勢に支えられて、とてもいい展開となっていきました。
今日は、閖上中学校遺族会会長の丹野さんと、閖上あみーずのスタッフでもある加茂さんのお話を聞き、いろんな質問をしてよき聞き手になろうという講義内容でしたが、やはりこのお二人のお話はものすごい迫力でまさに「命の授業」でした。
そしていくつものキーワードをもらいました。
「哀しみのスタート地点に立てるように。」
~丹野さんの言葉。「哀しむ」ということがようやくできるようになるまでに時間がかかるけど何かのきっかけでようやくその感情が胸に去来する時が来るというもの。
「お母さんだけ生き残ってごめんね。」
~丹野さんの言葉。亡くなった我が子を思うとき、どんな思いよりも先にこの思いが心を支配するというもの。
「失われた命は戻らない。だからこそ生き残った自分が“伝える”という役割を果たすのだ。」
~丹野さんの言葉。息子のことを忘れないために、ちゃんと勇気を出して伝えていくことが、生き残った自分の役割なのだというもの。
「死んでいるけど、死んでいない息子」
~加茂さんの言葉。実際にはなくなっているけど、心の中で確実に存在し続ける息子の存在を感じるというもの。
「海だって、しょうがなくて盛り上がったんだ。」
~加茂さんの言葉。海だって、下から押されてしょうがなく盛り上がり津波となってしまった。だから、本当は美しい海の本当の姿に向き合おうというもの。
「被災者はもうやめた。」
~加茂さんの言葉。避難所時代にもらったもの、頂いたものを自ら処分し、自分の意志で新しく毛布やお茶碗を買うことで、心の中に踏ん切りをつけようとする気持ち。
たくさんの示唆を頂きました。
やはり「本当の言葉」がそこにあります。丹野さんの話も、何度か聞いていてもなぜか涙が出てきます。でも、それは塾生のギリちゃんも言っていたけれど、
「決して胸に刺さるような思いものではなく、胸の真ん中がじっと熱くなるような、そんな涙」
なんです。だから丹野さんと一緒に涙を流すことで実は心に「質量」が生じるのです。不思議です。物理の世界では「質量保存の法則」があって、外から持ち込まない限りは質量は増えないのに、丹野さんの涙に触れて自分も涙を流すと、確実に心に大切な質量が増すのです。それを塾生のみんなはちゃんと感じてくれました。
今回は始まりも、そして終わりも鉄板に粘土をぶつける「アンガー・マネージメント(怒りの制御)」を行いましたが、終わりのアンガーマネージメントはみんなの決意でした。
「ちゃんと涙を流せる人になりたい!」
「人の心の寄り添える人になりたい!」
「優しい人になりたい!」
いろんな想いが「愛の粘土」~緑色の粘土と共に鉄板にぶつけられていきました。最後は涙の別れでした。
是非来月10月5日(金)の午後11時30分から4週連続で始まる「東北発★未来塾」をご覧下さい。「心のケア」の集大成であり、被災地のこれからを明るくする内容になっています。
ディレクターの大久保さん、本当にお疲れさまでした。いい仕事をさせて頂きました。
桑山紀彦 拝
丹野さん、賀茂さんの言葉は心に重いです。
しっかり胸に刻みたいと思います。
防災の日の今日、TVでも様々な特集が組まれていますね。
今一度、命を守ることを考えなければなりませんね。
紡ぎだされた言葉…心に響きます。
「被災者はもうやめた!」
そんな言葉を紡ぎだした加茂さんに尊敬と感謝です。
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。