活動2日目&「閖上の記憶」

今日は活動2日目。男の子たちと海に行きました。

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 もう既にモハマッドはこの活動からは卒業。そうですね、15歳になるのですから仕方ありません。明日の活動のあと、訪ねていくつもりです。もちろんタハニのうちにも。
 今日の参加者の中に、とにかく歌のうまい少年がいました。
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 名前はカーレッド。13歳です。いつも歌っている。そして活動の中で「歌合戦」と呼ばれるものが始まると、もう大きな口を開けて歌います。これは、紅白に分かれて歌を歌い合うものですが、先方が歌い終わった一番あとの言葉をつかまえて、歌い始めなければなりません。それには膨大な曲を知っていないと勝てないのです。
 うちのファシリテーター、ヤシーンはプロの歌手ですからそこはレフリーを務めてどちらかに荷担することはありませんがカーレッドがいることで、彼のチームが圧勝です。
 あまりによく歌うので、アーベッドに、
「彼はすごいね。」
「ああ、歌が好きだね。」
「家族が歌好きなんだろうね。」
「お父さんは殺されたよ。」
「え?」
「あの2009年1月のガザ空爆の時、彼のお父さんはヘリコプターから狙撃されて亡くなったんだ。」
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 あの時が蘇りました。
 あの時カーレッドは10歳。父親を突然失ってどんな気持ちだったでしょう。
 やはり僕たちはあくまで国境線に住み、常に戦争の被害に向き合っている子どもたちと活動しているのだと言うことを改めて知らされた思いでした。
桑山紀彦
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 みなさま、いつも温かいご支援をありがとうございます。

 スカイルームスタッフの林(りんりん)です。

 子どもたちとスカイルーム活動を行う毎日ですが、一方の「閖上の記憶」にも日々たくさんの方々に立ち寄っていただいています。

 4月22日のオープンからちょうど2ヶ月が経ちました。私たちスタッフが日々の活動を行いながら閖上の記憶に常駐することは難しく、当初は「閖上の記憶を建ててもいつも開いていない状態になってしまうのでは…」という心配の声もありました。しかし、現在は常駐スタッフの方3名に交替で入っていただき、火・金曜日以外は開けられる状態になりました。お陰さまで毎日多くの人々が立ち寄ってくださっています。

 その多くは全国各地から被災地閖上を訪れる方々です。実際に自分の目で被災地を見ようという想いで来てくださる方が多いです。その中には「見に来ることが良いのか悪いのか…」と迷われながら複雑なお気持ちで訪問される方も多くいらっしゃいます。しかし、そうではありません。閖上の方々ともよく話していますが、震災から1年3ヶ月以上経った今、テレビや新聞で報道される話題は小さくなっています。今の被災地にいる私たちにとって、「忘れられること」が一番怖く、悲しいことです。なので、閖上を訪れていただくだけでそれが支援のひとつとなるのです。

 訪れる方の中には、もちろん地元閖上の方もいらっしゃいます。閖上の記憶の「地元の方が立ち寄れる場所」という大きな役割も果たしています。

 先日は、震災後ようやく閖上を訪れることができたという方が閖上の記憶に立ち寄ってくださり、写真や資料を見ながら長い時間をそこで過ごされました。こうして「なかなか足が向かないけれど、閖上に行きたい。。」という想いの方々の「立ち寄れる場所」として今後も役割を果たせてゆけたら、と思っています。

 そんな閖上の記憶では「語り部の会」を開いています。なかなか自ら語り部となってくださる方がいらっしゃらないのですが、何人かにお声がけし、震災前の閖上の町のこと、そして震災当時のことをそれぞれの想いとともに語っていただいています。

 可能な限り、毎週日曜日の午後14:30~15:00で開催し、多くの方々に閖上のこと、そして震災のことを知っていただきたいと思っています。


 先日の語り部の会の様子。

 震災後に書き続けている詞を読み上げながら、ご自身の想いを語ってくださいました。この語りを聞いていた私自身も、そして他の方々も涙を流されていました。こうして、閖上の地で見たこと、聞いたことをそれぞれの地に帰ったのちには周りの人たちにぜひ伝えていただきたいと思っています。

 そんな閖上の記憶。これからが夏本番です。周りに建物がない中で建っているプレハブはおそらく太陽の熱をおもいっきり浴びることが予想されます。

 そこで、先日「はじめてのグリーンカーテン」を作りました。


 いま植えているゴーヤくんたちがすくすく成長して、しっかりと役を果たしてくれることを願っています。


 閖上の記憶から見守る閖上中学校、慰霊碑。いつもみんなのそばにいます。

 さて、桑山さんと明子さんが不在の中、私たちスタッフがちゃんと留守を守っております。今週は私たちが行う支援活動について取材していただく機会が多く、被災地の現状や私たちの活動について発信させていただいています。


 火曜日にはフジテレビさん「特ダネ!」の取材。

 子どもたちのジオラマ制作について説明する宗貞看護師。


 今日は公益社団法人 助けあいジャパンさんの取材。

 取材を受ける林&宗貞。

 地球のステージについて、そして現在行っている支援活動についてお話しさせていただきました。


 そして、今日はカシオ計算機株式会社広報部の渡邊さんが東京から取材に来てくださいました。


 そうです、3月の石巻バスツアー、そして現在行っている写真表現ワークショップで使わせていただいているデジタルカメラを寄贈してくださったカシオさんです。実際の子どもたちとのワークショップも見学していただきました。改めまして、今回の多大なご支援に心より感謝いたしております。

 来週が最終週となる、この写真表現プログラム。来週のワークショップ、子どもたちの「写真に込める想い」に期待しています。

林 由美

活動2日目&「閖上の記憶」」への5件のフィードバック

  1. りんりん、報告ありがとうございます!!
    特ダネはもう放送されてしまいましたか??
    もしまだなら、日にちを教えていただけたら嬉しいです!!
    またりんりん&けんけんに会いたいです!( ´ ▽ ` )
    閖上のみなさんのこと、忘れてないよー!!
    ずっと応援しています。

  2. 先日閖上に伺ったのは金曜日・・・りんりんが、グリーンカーテンを設置している時でした。
    開いていたのは運が良かったのかしら?
    ありがとうございました。
    また足を運びます。
    そのくらいしか出来る事が無いので・・・ずっとずっと応援しています。

  3. 歌合戦…難しそう。私には無理じゃ。でも、省吾の曲なら行けるかも。
    私も ゆりちゃん同様、特ダネの日程知りたいです。終わったのかな?火曜日は朝から打ち合わせに行ってたし…
    今、娘を待ちながら横手焼きそば食べてます。お腹いっぱいです。
    今日はさっきまで2010年に協力隊で出かけて20日に帰国した隊員の若者達が八王子の我が家に凱旋報告に来てくれました。2年前旅立つ前日にも来てくれましたがみんな充実した2年間を過ごした様でした。 私は、みんながいない間に起きた震災の話等をしました。
    モハマッド、更にかっこよくなっちょるかなぁ。タハニは二児の母、美しさにみがきがかかっちょるかな。

  4. 笑われるかも知れませんが、シリアをめぐってのきな臭い動きは、何らかの影響があるのでしょうか? 気になります。
    そんな中、ガザの平和活動本当にご苦労様です。
    「閖上の記憶」派手ではありませんが、コツコツと継続して伝えてゆくことが大切だと思います。必ず拡がって行き、存在価値が実感できる時がきます。息長く、焦らず・・・です・

  5. 男の子たちも元気に参加してくれたようですね。
    2009年、命がけで明ちゃんと桑山さんが入った時は本当に心配しました。
    今回は無事にワークショップも出来てホッとしています。
    「閖上の記憶」少しずつ注目を集めてきているようですね。
    遠く離れている私たちが出来ることは周りのみんなに知らせていくことですね。

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