夜中の2時半ぐらいのこと、ズドーン、というものすごい地響きと爆風のようなものを感じ、びっくりして飛び起きました。
昨日は、夜遅くまで今回参加してくれた子どもたちに渡すための写真を印刷をしていました。2時頃にようやく終わり、ベッドに横になりうとうとしかけたとき、いきなりの爆風で建物が揺さぶられました。はじめはなんだかわかりませんでした。でもそのあと、救急車のサイレンが鳴り響き、それが空爆だとわかりました。
2009年、空爆下のラファに入って以来の恐怖でした。空から攻撃される恐ろしさは、言葉では言い表せません。結局ほとんど眠れず、最終日のワークショップに向かうことになりました。
でも人々はいたって普通に暮らしています。暮らさざるを得ません。
それが現実です。
最終日のワークショップは、「貝殻のワークショップ」。それぞれにとって大切な5つの言葉を書いてもらいました。そこに出てくる言葉は、日本では考えられないようなものばかりです。明日という日が必ずくるとは限らない、一瞬一瞬を真剣に生きていかなければ行けない境遇だからこそ、強い意志があるんだと強く感じます。
改めて空爆を体験し、日本で平和な時間を生きていることへのありがたさを感じました。
ありがとうは、「有り難い」、あるのが難しい、その言葉の意味を深く考えさせられました。
(2009年時のような戦争状態ではなく、ピンポイントで狙ってくる空爆なので、あまり心配なさらないでください。忘れかけている現実は、きちんとお知らせしなければと思い、
事実をお知らせしました。)
後藤明子
今日は活動最終日です。
いよいよ舞台をエルアマル学校に移して子どもたちと室内のワークショップですね。
最初はいつも書いてもらっている「自分の希望」
希望はアラビア語で「アマル」と言います。みんなはどんな希望を持っているでしょうか。
昨日登場したカリードは黙々と絵を描いていきます。
そして彼の絵に描かれた希望は、パレスチナ人と日本人が協力し合っていくことでした。今年から参加であっても、人のつながりを意識しているものでした。
同じくカリードが5つの貝殻に書いた5つの大切な言葉。そこには
「カンフー、イスラム教、自由、ちゃんとした法律、幸せな家庭」
と書かれていました。3年前にお父さんを殺害されたカリードが、こういった表現をすることで心の整理を遂げてくれることを望みます。
女の子たちの中では、今年からリーダ格となったアミーナが一生懸命貝殻に書いてくれました。
そこには、
「みんなと一緒に過ごすこと、自由、移動が普通にできること、安全、人間的な扱い」
これが、パレスチナ自治州ガザ地区に住む12歳の少女の書く内容です。とても意識化されています。その意識化されている部分を一つの形とすることにより、この子たちが自信を持って前に進めるといいと思います。だから最後にコメントしました。
「みんな、今日はとてもたくさんの大切な言葉を教えてもらいました。自由、安全、希望、愛・・・。どれも大切なものです。それを貝殻に書きました。
それは一見ただの貝殻かもしれません。でも、実はこの貝殻はとても特別なものになりました。みんなの気持ちが詰まっているこの貝殻は、私たちと一緒に海を越えて日本の皆さんの元へ届きます。そして多くの日本の人々が皆さんの大切にしている言葉を知るでしょう。そのためにこの貝殻は海を越えるのです。
皆さんは決して孤立してはいません。私たちが“つながろう”という気持ちを持っています。そしてこのガザの海にたくさん転がっている貝殻が皆さんと日本をつなぐ架け橋になります。これからもあきらめないで困難に立ち向かっていきましょう。」
帰国したら、この貝殻にリボンをつけて日本の皆さんへお届けしたいと思います。第二期目の貝殻のワークショップの意味をご理解頂き、ぜひお手元にこの封鎖されたガザ地区に住む子どもたちの「大切な言葉」をお持ち下さい。
詳しくはホームページ上でまたお知らせします。
そのあと、モハマッドに会いに行きました。現在15歳。この12月で16歳になります。
とても大人っぽくなっています。もちろん現在の夢も「世界を駆け巡ること」。
特に日本に行きたい希望は今も変わらず強いです。
桑山紀彦
いまから攻撃するぞ!って感じでもなく、いきなり、何の予告も無く空爆があるんですね。こわい… 貝殻のワークショップ、漠然とした表現でなくとても具体的ですね。と思った私です。いつも考えていても頭で考えるだけ。文字にする事で現実的になるのかな。モハマッド、更に大人っぽくなりましたね。日本で会いたいなぁ。広島行きついでに山口にも是非!
明ちゃんも桑山さんもやはり怖い思いをしていたんですね。(T_T)
こういう日常に置かれた子どもたちの希望の言葉に胸が痛みます。
「自由」「安全」「人間的な扱い」・・・
一日も早く、希望が叶う日が来るよう祈っています。
辛い拘束された社会の子供たちが望むことはただ一つ我慾ではなく「解放」。
今、この心が解るのは多分大震災被災地の子供たちだけでしょう。
なるが故に地球のステージの「伝える活動」が貴重なものだと再確認させられました。
子供に限らず一人でも多くの人にこの現実を知ってほしいものです。