東ティモールのダン先生が急逝されました

東ティモールのダン医師が亡くなりました。
 昨日までは元気だったそうですが、今日は体調が悪く病院を休んでいたそうですが、夜に急変して2時間ほど前に亡くなったとのこと。Covid-19とは関係なく、おそらく心疾患であろうとのことです。
 パレスチナのダルウィーッシュが亡くなって5年。ついにもう一つの巨星が逝きました。言葉もありません・・・。
 
 ダンは20年以上にわたって東ティモールに住み、バイロピテ病院を支え続けてきたアメリカ人医師です。「見て見ぬ振りはしない」という医師としての、人としての姿勢をとことん教えてくれて、くじけたときはいつもダンに会いに行っていました。
 ここ数年はバイロピテ病院の資金的な危機がずっと続いており、その金策で疲れ果てていたのではないか、と思います。いつもギリギリでした。
 それでも毎日数百人の患者さんを完全に無償で診続け、岐大医学部の医学生のみんなをスタディツアーで連れて行ったときも、懇切丁寧に熱帯医学を教えてくれた熱き医師です。
 「地球のステージ」の「東ティモール篇」でも常にそのど真ん中にいて話しの中心でした。
 「人生においてはとめられない3つの出来事がある。生まれてくること、歳をとること、そして人を好きになること。だから今目の前にいる大切な人に、できる限りのことをしてあげなさい。」
 そう教えてくれたのがダンでした。だからダンは目の前の大切な人=患者さんにとことん一生懸命だったのです。
 
 医師としての生き方を大きく学んだ人でしたので最期の姿に会いに行きたいのですが、今東ティモールは全ての便が欠航しており、誰も会いに行けません。
 願わくばダンが愛した東ティモールの大地に還り、家族同然の人々に暖かく見送ってもらえることを祈るばかりです。
 
桑山紀彦

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