9年目の3月11日

あの日から9年。今日は3月11日、津波の日です。
 今年の「追悼の集い」はコロナウィルスの感染拡大を受けて公式的に「中止」としています。そうアナウンスしました。でも、実際は多くの人が「自主的に」集まってくださいました。中止と分かっていても気持ちはそこに集い、自らの意志で集まる人々が今日も暖かい輪を作って下さいました。
 2時46分の黙祷。そして自然にかえる素材の鳩風船を飛ばそうとした時、再び大きな奇跡が起きました。
 その鳩が飛んでいくであろう海の上に巨大な虹がかかったのです!
 そして突然シャワーのような雨が2分ほど降り注ぎ、その雨はその巨大な虹をさらにはっきりとした色に変え、何と2重の虹になっていったのです。
 ぼろぼろ涙がこぼれてきました。
 これはもう、確実に空に昇った人たちがまさに「人為的に」起こしてくれている現象以外の何者でもありません。そして今年も陽向ちゃん、一花ちゃんの合図と共に鳩はまっすぐ、その巨大な二連の虹に向かって飛んでいきました。
 これは映画のラストシーンか、と思うほどの奇跡が起きたのです。
 そしてその虹は、150羽の鳩風船を吸い込むように受け入れ、鳩たちと共に消えていったのです。
 8.12連絡会(日航機墜落事故のご遺族)の美谷島邦子さんが、
「やっぱり空にはちゃんとみんないるのね。」
 と涙目で語り、あの日閖上中学校の教諭で生き残った藤村先生が、
「7色の虹が2連で合計14色。閖上中学校で亡くなった子どもたちは14人。これは偶然ではないです。」
 こうして僕たちは今年も奇跡と共に空とつながれたのです。
 
 世の中はコロナ騒ぎで大変です。「地球のステージ」も公演が吹き飛び経済的に危機です。
 でもそんなこと、もうどうだっていい。こんなにすごい奇跡をこの身に受けて、コロナにおびえ、コロナに一喜一憂している自分が恥ずかしくなりました。
 生き残った命。先に空に昇った命。
 僕たちは生き残った側なのだから、生きている間はしっかりがんばって一生懸命生きていくことが大切。コロナのせいで大変な目に遭っているけれど、くよくよしないで今をしっかり生きていこう、と元気をもらいました。
 こんな奇跡が、目の前で起こるとは・・・。
 あんな濃くてはっきりした2連の虹を見たのはは生まれて初めてでした。
 
 みんな、空からありがとう。
 今日本は見えないウイルスの脅威におびえているけれど、生きているのだからなんとかなると思うようにします。
 
桑山紀彦

9年目の3月11日」への1件のフィードバック

  1. 久しぶりにブログを拝見しました。NHKニュースで閖上の様子が映り遺族の声が あ丹野さんだとわかりましたので様子を知りたいと思いました。
    医療功労賞おめでとうございます。
    震災後がんばる同年代のおかみ達の姿が印象的だったので、ブログのある人は立ち上げた時からのものを遡って読みました。仕事して悩んで遊んでふざけて、そのちょっとおバカな部分が2011年3月11日よりなくなった、息苦しさのようなもの。先に行った家族ご先祖様がもっと楽しめもっと笑えと言っているのかもしれません。
    いつか閖上の3/11に参加したいと思います。

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