今日は西岸の活動地、カランディア難民キャンプの子どもたちの総合発表会でした。
今年からワークショップでグループを作る子どもたちの数を6~8名に固定しているため、非常に密に関わることができ、その成果はまさに作品に現れていました。
ジオラマはあくまで質の高い創作に満ちており、音楽ワークショップもまたすばらしい歌詞にあふれていました。
しかし、男子のチームの歌の発表会が始まると、2チームともただ前に出てきて歌うだけ。もちろん拍手喝采はあるけれど、これではまるで学芸会の発表です。さすがにこれはまずいと思い、自分がファシリテーターになって、女子の2チームは会場と結びました。いわゆるシェアリング(Sharing)です。すると出るわ出るわ。賞賛のコメント、そして質問。これこそ心理社会的ケアの醍醐味。先生たちからの質問は賞賛と共に、どうしても「指導的」になってしまうので、同年代の男子や女子からの質問を受けると、さすが!
「これはグループワークだけど、どんなところに苦労した?」
といった秀逸な質問が出ます。カランディアの男子高校長からは、
「なんでこんなにすばらしい活動をやめてしまうのか。」
という質問も飛びだし、
「先ずは仕切り直して、またいつか帰ってくる。」
とだけ返答しましたが、現場の要望は非常に高いものがあります。
それにしても嬉しかったのは「理想の街」の中で魔法のゲートが作られており、
「ここを通ればどこにでも行ける」
というドラえもんのどこでもドア的発想が現実に作られていたことです。封鎖されて、自由に動けないパレスチナ難民の子どもたちの切なる願いがそこに込められていました。でもそのすぐ横にアイスクリームの巨大なタワーがあり、
「ここでは好きなだけアイスクリームが食べられるんだ!」
という年頃の女の子らしい発想もあり。やはりこの活動は子どもたちの心の力を伸ばしていくものだと確信しました。
明日はもう一つの活動地、ジャラゾーン難民キャンプでの総合発表会です。
桑山紀彦