閖上すごろく

 中部地方では「中日新聞」の購読数が多く、我が桑山家も中日新聞と高山市民時報を愛読してきました。

 その中日新聞(東京では東京新聞)で1日から閖上中学校の卒業生、相沢寿弥くんのことが連載されています。おそらくうちにも取材に来ている杉藤さんという記者さんが書いているものだと思いますが、写真入りでかなり大きい扱いです。寿弥君はご両親を失っていらっしゃいます。
 記事の内容はとても細かく、その日々をたどるような記事にとても好感が持て、今の時期こんなふうに閖上中学校の卒業生のことが大きく新聞に取り上げられることが本当にありがたいです。
 その寿弥君たち、閖上中学校の卒業生たちとの冬のワークキャンプを1月6日~7日の両日1泊2日で作並温泉を舞台に開催します。夏のワークキャンプの続きです。もちろん寿弥君もきます。
 その中で取り組むワークショップが「閖上すごろく」です。
 これは閖上を舞台にした人生ゲームのようなもので、自分たちが暮らしてきた街を舞台に様々な出来事に出逢い人生をたどっていくものです。大好きな「人生ゲーム」をベースにコマ数は121コマ。就職あり、結婚あり、離婚あり、転職あり、昇給あり、閖上で油田発見あり、閖上港で本マグロの水揚げあり、銀行で振り込め詐欺に遭い、また佐々木酒造に入ろうとした強盗を通報して感謝状をもらう、そんな人生が展開してきます。
 全121コマのうち、卒業生のみんなが自ら書き込んでつくるコマは49コマ。
 「もも屋でアルバイトをして$20,000稼ぐ」
 といった感じの「テーマ」をちゃんと織り込むことで自分たちでゲームを創り上げていくものです。
 職業としては「名取市議会議員に立候補」とか、「農業の跡を継ぐ」など、様々です。昇格の機会には「名取市長に立候補」とか「農地を拡大」といったチャンスも巡ってきます。
 これをみんなでわいわいと取り組むことで自分たちが生きてきた「閖上の街」や確かにそこに人生があったことを確認していきます。まさに「閖上ジオラマ」に通ずる「土台の確認」のためのワークショップです。
 それを「すごろく」~「人生ゲーム」というテーマでやるのが初日のワークショップです。
 年末からこの正月三が日、ずっとこの制作に取り組んできました。ものすごい思い入れを込めて・・・。バックは2008年の閖上の航空写真。そこに121コマを貼り付けまさにすごろくで閖上の街と時間をたどっていきます。
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 実際に試作版を2回やってみてアラを出し、現在のバージョンはほぼ完璧ですね。これを仮設住居や閖上あみーずの皆さんとも一緒にやってみたいと思う。何より大切なことは、自分たちで49個のコマを埋める「創作性の高さ」にあると思います。
 そして11箇所にある「ゆりQポイント」に止まると、そこには閖上の人でも知らないようなマニアックな質問が隠されています。たとえば、
「閖上生協の中にあったクリーニング屋さんの名前は?」
①閖上クリーニング
②横浜クリーニング
③神奈川クリーニング
 といった感じ。もしも正解すると「ゆりQポイントカード」がもらえていろんな得点がついてきます。それは「株チャレンジ」のときに、ポイントカードが1枚あればルーレットを回す回数を1回増やすことができるのです。ふふふふ。かなり凝ってみました。
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 さて、準備はばんたん。
 明日名取に帰ります。
桑山紀彦

閖上すごろく」への12件のフィードバック

  1. マスコミのバックアップはうれしいですね。中日新聞は入手できないのが残念です。
    ここまで凝った人生ゲームが良く思い浮かぶものですね。
    心理的な後押しに相当効果が有りそうな面白いメニューで、ワークキャンプの結果が楽しみです。
    三が日も欠かさずブログの発信ご苦労様です。

  2. 今日の先生のブログの内容にびっくりしてしまいました。相沢君のお父さんは私の主人の同級生だと思います。主人に聞いたら、間違いないだろうと言われました。相沢君のご両親が亡くなった事は勿論知っていましたので、ずっと気になっていました。新聞記事を見たいけれども、元気で居てくれている事を願っております。私の主人もまだまだ気持ちの整理が出来ていない状況ですので、本当は色々な形で支援をしたいと思っているのですが、まだ時間がかかりそうです。申し訳ございません。主人の気持ちが落ち着いて来たら、何かしらの支援を考えてみたいと思います。先生のブログで色々な事を知る事が出来て、とても感謝しております。子供達が1日も早く元気になってくれる事を願っております。今は願う事しか出来なくて本当に申し訳ございません。

  3. 今年もよろしくお願いします。
    スゴロク凄い! 子供達の盛り上がりが目に浮かびます。ブログを読むのが楽しみです。 昨年の同窓会のブログを読んだ時もコメントしたけど自分が思うほど回りはなんとも思ってなかったんよね。暗い中学生活と言いながら彼女までいたなんて…ぶち青春しちょるじゃん。私と同じ田舎もんなそに(^-^)電車の中で「なに~」と叫びそうじゃった。
    色々な活動が始まります。誰にいわれなくても頑張ると思いますが、たまには、息抜きしながら進みましょう。
    今年もよろしくお願いします。

  4. すごろくとは考えましたね!自分で駒を創作出来るところがいいですね!
    中日新聞の記事、WEBで読むことが出来ました。特集「3・11の家族」です。
    「閖上人」という件にに涙が出ました。

  5. ぷにゅさんありがとうございます。中日新聞のWebサイトを載せてくれたのですね。さっきは主人と一緒に記事を見ました。やっぱり主人の同級生でした。主人は黙ってしまいました。私も相沢君の心境を思うと胸が張り裂けそうです。仮設住宅の場所は新聞記事の内容ですぐに、あそこの仮設住宅だねって主人に言っていたんですが、主人は黙って何も話してくれません。すぐ近くにいるのに何も出来なくて本当に申し訳なく思っています。

  6.       どうしても、書き込み不能
     ホテルにチェックインして宿泊客が利用できるパソコンを早速チェックしてみる。そうするとフロントのロビー脇に三台コンピューターが置いているではないですか。しかもそのどれもが日本語対応となっている。これは、しめしめと、のちほど時間を見つけては書き込もうではないかと思った次第なのですが・・・・。
     やがて初日の予定が終了し、午前零時過ぎたころホテルのロビーに向かった。フロント脇のパソコンに座るとマウスをいつものようにクリックをし始めた。
     まずは日本から書き留めて持ってきた「地球のステージ」のアドレスを入れてみる。パソコンに詳しくないボクは「e-staeone.org」と入力すればすぐ繋がると思っていたのである。「jp」が最後にないのになにか不安は感じていたのであるが・・・・・・。
     不安は見事に的中し、やはり繋がらないではないか。そこで次に、yahooのホームページを呼び出し、ここから「地球のステージ」にログインすることを考えたのである。
     画面にアメリカのウェブサイトがいくつか表示されているが、このなかに「JAL」のHPがあった。まずここへ行きそこから「yahoo」へ行けないかと考えたのである。「JAL」のHPでは右上には日本語の表示のバナーがあった。よしよし、これをつかってとひとり頷き、そこのバナーをクリックする。「JAL」の表示画面がすべて日本語表示となったではないか。これは、いいどと心の中でガッツポーズをする。
     そのHPで、yahooのアドレスを入れると、いつものyahooのHPが表示されたではないか。よしよし。ここで「検索」の欄に「地球のステージ」と入力しようとして困ってしまった。アメリカのパソコンには、漢字変換キイーがないのである。アメリカのパソコンだもの、そんなキイーないのは当然といえば当然かもと思ってしまう。
     どうして「地球のステージ」を呼び出すのかはたと頭を抱え込んでしまった。しばし、悪い頭で考えてみるとローマ字で「tikyuu」と入れてみることにしおた。すると入力画面の下に「地球の歩き方」と旅行ガイドブックの名前が出てきたではないか。それをクリックした。すると「地球の歩き方」のタイトルがいくつも表示される。その一つを選び出し、「地球の」の後に「su」と入れてみると、なんと「地球のステージ」のHPが表示されたではないか。やったー、ばんざーーーーーーい。躍り上がりたい気分とはこのことである。
     ここは、アメリカ領の南の島。「地球のステージ」のHPにこんな土地でやっと辿り着いたのである。しかも機械オンチのパソコン恐怖症のボクがついに成し遂げた快挙と自分を誉めてほめてやりたい気分であった。こころウキウキ、ワクワクルンルンという気分であった。
     ブログをクリックすると桑山先生の、雪の飛騨高山の写真が出てくるではないか。よしよし。さてコメントの入力となったのである。
     しかし漢字変換をがどうすればいいのであろう。入るのか入らないのか素人のボクには分からない。しかたがないので、とりあえずはヘタな英語でもと思い「Iwish you kept your high spirits
    dr.kuwayama・・・・・・」とかなんとか汗をかきながら何行か入れてみたのである。これでやっと送信できるとひと安心して、いつものように「コメント送信」をクリックしてみて驚いた。あのまだら模様の数字が出てこないのである。桑山先生の飛騨高山のブログだけが再び表示される。これはこれはこまった。あの、汗を書きながらの、ヘタな英語の入力はいったいなんだったのだろう。そででも気を取り直して何度か同じことを入力を試みてみる。しかし、なんどやっても結果は同じ。今度は、留学経験のある子供を呼び出しホテルのスタッフに入力できないか尋ねてもらうが、スタッフはコンピューターシステムのことは分からないという。
     やれやれ、これで、年末年始のコメント入力は儚く、夢と散ったのである。ザンネン、ザンネン・・・・・。
     
     帰りの飛行機は、思わず、「エマージンシー」となってしまうとんだハプニングを経験してしまう。これも、日ごろの「行い」の悪癖の精か。この件は、明日の書き込みと致したいと思います。では、では・・・・。
       和歌山   なかお

  7. 桑山さん、こんばんは。
    岐阜県の大垣北高校の3年生です。
    先日は、大垣北高校に講演をしに来て頂き、本当にありがとうございました。3年連続で桑山さんの講演が聴けて、とてもうれしかったです。地震のこと、桑山さんの自身のこと、いつもとは少し違ったステージでまた、よかったです。また、座談会にも参加させていだたき、桑山さんの近くで色々為になる話をたくさん聴くことができました。私の意見にも答えて下さってありがとうございました。私は今年で卒業してしまいましたが、後輩のためにも今年もまたぜひ、大垣北高校にいらしてください!講演後すぐにメッセージを送りたかったのですが、遅れてしまってすみません。
    私も中日新聞を家でとっているのでぜひ、記事をチェックしてみたいとおもいます!
    みす先生から桑山さんと、年末に東ティモールへ行くと伺っていました!年末でも、関係なく活動されていると聞き、驚きました。私も、NGOのスタディツアーや桑山さんの活動にとても興味があるので、また色々教えていただきたいです。
    これからも頑張って下さい!

  8. 「人生すごろく」に出てくる閖上COOPの中のクリーニング屋さんの名前は?
    の三択問題に、横浜クリーニング、神奈川クリーニングという名が出てきて
    なんだかニヤニヤしている私です(^^ゞ
    さて、昨日、里親さんの元で暮らす小1の子の、冬休みの勉強をみることになりました。
    その子はひらがなも、まだ、スラスラと書けませんし、
    乱暴に書くので、本人が連絡帳に書いた文字を
    周りの大人も読めないほどです。
    「冬休みの課題を何もしていないので…」
    と言われていたので、勉強らしきものと取り組まなければ
    と思いつつも、勉強というと拒否反応がでます。
    どうしたものかと思い閃いたのが“しりとり”。
    勉強嫌い、書くのが嫌いな子が
    「“しりとり”しようよ」
    と言っただけで、積極的に鉛筆を持って紙に文字を書き始めました。
    「りんご」→「ごりら」→「らっぱ」
    と交互に書いてゆきます。
    「そんなじゃ、読めないよ。もっときれいに」
    とチェックをいれてもふてくされず、自分で消しゴムを持って消し、書き直します。
    文字の練習しよう言っても、5分ともたないのに、
    しりとりだったら、画用紙いっぱいに書けました。
    『ヤッター』
    私は内心小躍り状態!
    冬休みの「何か取り組んだこと」として
    学校の先生に、この紙を提出してもらいます。
    “遊び”をばかにしちゃあいけないと思いました。
    真剣に楽しめば
    楽しさの中に、学べることもいっぱいあるし、
    心を磨けることもいっぱい。
    ここの子たちと、今度、人生すごろく作ってみたくなりました。

  9. 1月5日19:30~NHKで放送されていた「親子でナットク・イチからQ!」で閖上のジオラマが取り上げられていましたね。
    映像は3分ほどでしたが、製作の様子がわかりました。

  10. こんばんは、子供達のジオラマNHKで見ました?現地に行きたかったけど行けなく?な私には?とても美しくよくわかりました。先生の文章と合体してお~っと?みんながんばれ?中日新聞から引っ越して東京新聞購読中なのでしっかり読んでます。名取の文字を毎日さがしながら読んでます。寒さお身体大切に

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