灼熱の東ティモール

 今日ディリに降り立ちました。

 南半球で季節的には「夏」でも雨季と乾季の世界では現在「雨期」にあたります。ものすごくじめじめと暑く、病気が蔓延する時期です。灼熱の東ティモールに降り立つと、否が応でも世界の現実を突きつけられます。
12/26-1
 早速もう11年も応援しているバイロピテ診療所のダン先生を訪ねました。入るやいなや、
「おお、ケイ。見てくれ、この腹部の腫瘤の大きさを。これにより腰椎が圧迫されて3番と4番がつながってしまっている。至る所で長らく腫瘤をそのままにしてきた影響が出ている。最初これほど大きい腹部の腫瘤は、腹腔内結核を疑うんだが、今回は良性の卵巣腫瘍を疑っているんだ。
 幸いSHAREの本多医師ががんばってくれて、東京都内でこれを手術してくれる医師が見つかったようだ。ありがたいことだ。」
 ダンはいつも「病気」と「患者さん」に真っ正面です。
 そんなダンを応援してきました。
 だから僕は思うんです。僕たちは東ティモールを応援してきたと言うよりもダン先生を応援してきたのだと。この地に留まり、日々一生懸命この地のことを考えながら活動している「人物」を応援してきたのであって、決して「国」を応援してきたものではありません。
 それは、たくさんの方が今回の震災と津波で、
「被災地を応援するために、桑山医師を応援してきたのだ。」
 とおっしゃったことにそっくりです。
 「桑山」という人物を応援することで、被災地への支援ができると考えてくれる。そうすることによってモチベーションが上がり、がぜん具体性が出てきて応援しやすくなる。だから人が人を応援するんでしょうね。その方がより人間らしい応援の仕方なのだと思います。
 僕はずっとそんな「ダン先生」を応援してきたし、皆さんはそんな「桑山医師」を応援してきてくださったんですね(もちろんそうではない人もたくさんいることは了解しています)。
 北九州に災害が起これば「リトルママ」さんを応援するし、島根に大雪が降れば「Y.SANTO」さんを応援する。それがやっぱり一番大切。
 さて、東ティモールはそんな貧困という困難を抱えながらも一方で発展(?)してきているところもあります。
12/26-2
 今回オープンした「ティモール・プラザ」というモールに入ってびっくり。こんなモニュメントがあってまるでインドネシアにでも来たみたい・・・。
 良くも悪くもこうして国は変わっていくんでしょうね。
 今回はスタディツアーの皆さんと一緒です。元大垣北高校教諭(現在は岐阜県の施設に出向中)の翠(みす)先生、砺波で社会福祉をがんばる柳瀬恵子さん(おけいちゃん)、そして我が甥っ子の桑山巧己君(慶応大2年生)、そして「スカイルーム」で張り切る我がスタッフの柴崎悠子さん(悠ちゃん)。コンダクターは事務局長の明ちゃんです。
 
 明日は村の巡回診療及び保健教育活動です。村は国境に近いノレマ村。今日はアイダ医師に、
「明日は250人を超える患者さんが来るから、ケイ、ちゃんと寝ててね。」
 と釘を刺されています。テトゥン語もちゃんと戻ってきています。がんばろう。
では、また
桑山紀彦

灼熱の東ティモール」への8件のフィードバック

  1. そのとおり!そうなんですよ!
    桑山さんを元気にすることが、東チモールやパレスチナや閖上の人達を支援することにつながるんです。島根の片隅での活動が、桑山さんを通じて世界につながっていくのです。
    それはそうと、先日はお世話になりました。ちょうど、仙台訪問中の突然の発熱と下痢。東北国際クリニックのカルテに登録された初の島根県人になってしまいました。藤川先生の診療とお薬と、突然待合室にあらわれてハグして去って行った心療内科医のおかげで、なんとか回復できました。ありがとう!
    個人メールみたいなコメントになってしまいました。ごめんなさい。

  2. 北九州に何かあれば…。
    いつぞやの
    市内の川の氾濫のときには
    教会のこと、私たちチームのこと、
    ご心配いただいたことを
    思い出します。
    確かに
    固有名詞の「人物」との繋がりは
    行動を具体的なものに
    させてくれるのかもしれません。
    いよいよ
    ツアーメンバーのみなさん
    東ティモール入りですね。
    日本は寒いです。
    今日のニュースで
    岐阜で雪の重みで
    木が倒れて
    新幹線が止まっていたそうです。
    雨季には病気が蔓延することも
    きらびやかなモールのオープンの
    どちらもティモールなんですね。
    私事ですが、
    最近イベントの時に取り入れている
    東ティモールコーヒーの紹介活動が
    結構人気なんですよ。
    「美味しい!」と
    いってくださるかたが多く、
    コーヒーの淹れ方もさりながら、
    豆の良さだとは思いますが。
    地球のステージと出会って、
    東ティモールを知り、
    何かできたらなあと思っていたら
    コーヒーと出会い、
    フェアトレードなら
    生産者の応援になるかもと
    始めました。
    コーヒーを通した生産者支援。
    ドクトルダンや
    桑山さんや閖上あみーずへの
    応援をとおして、
    東ティモールや名取のみなさんへ。
    コツコツ続けていきたいものです。
    レポート楽しみにしてます。
    良い日々を過ごされますように…。

  3. おっしゃる通り、応援の正面に人物がいます。
    それは素朴で純粋な理念をもった人だから応援する価値があると信じているのです。
    多分、多くの方たちが同じ思いでいるはずです。

  4. 明ちゃんが一緒なんですね。明ちゃんの写真を楽しみにしています。
    東ティモールも日々変化しているんですね。
    そんな中でダン先生は変わらないで、診療に邁進されていますね。
    桑山さんもいつもと同じように通っていらっしゃいます。
    変わらないことの大切さを思っています。

  5. 最近、桑山さんのブログを読むと涙腺が痛くなります。
    悲しいわけじゃないんだけど。
    大切にしたい人を大切にしなきゃなって思わされるから??
    今やることは、ジオラマを見に行けるように働くこと!!
    スタディーツアー参加のみなさま、ダンandアイダandバイロピテのみなさまの健康と安全を祈ります。

  6.  そうですか、東ティモールは灼熱の下ですか。
     到着するなりいきなりダン先生の強烈な一言のお出迎えですか。お医者様というのは、日々、現実との厳しい対峙の連続なんだと、フワフワと浮ついた気分で生活しているボンクラ人間のボクには、とても勤まらない大変なお仕事なんだとつくづく思いました。
     いま読んでいる本は、沢木耕太郎の「イルカと墜落」という旅のエッセイなんですが、アマゾンの奥地へ原始生活を続けている原住民を訪ねる物語なんですが、南米に西欧人が入り込んでから彼らの生活が一変しました。西欧文明が彼らをアマゾンの奥から奥へと追い込んでいってしまったんです。なぜ彼らが文明から遠ざかるのか、それを沢木耕太郎は探るろうというのです。
     文明だけが、人々の生活を豊かにするとは限らないということを証明したいのです。
     アマゾンの原住民の人々は今も全裸に近い姿で生活をしています。そんな彼らは文明人が接触すると病気になりますい。文明人が病気を移すからのです。彼らには文明人が持っている菌に免疫を持っていないというのです。それゆえに文明人と話をしているだけで彼らには体に障るというのです。
     ブラジル政府は、彼らを守るため、保護政策をとっています。保護施設団体が政府の許可のもと文明人からの接触を見張っているのです。それでも彼らがアマゾンで生活できるエリアは非常に少なくなってきました。アマゾン源流の奥地に限られてきているのです。それでも、彼らは何千年も生きてきたのです。文明から遠ざかっても、彼らの心は貧しくなかったと沢木耕太郎はいいます。
     そんな「旅」を沢木耕太郎はしたのです。
     彼のベストセラーとなった「深夜特急」のなかで彼はいいます。
     それはギリシャにて、日本文化を勉強している学生に「禅とはなにか?」問われたときのことです。彼はこのように答えました。
     「ZEN Is Being on the road(途上にあること・・・・)」と・・・・・・。
     こころある人々に、終着点はないというのです。私たちはなにかを求めて、つねに最善の努力を尽くしているのだと。
     あたかも、ダン先生や、Norihiko Kuwayama のように・・・・。
     ボクにはいったい」なにができるのだろうかと、いつも考えるのですが、今も答えは見つかりません・・・・・・。
         和歌山   なかお

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