第2回目のムワンガの会をクリニックで開催しました。
これは不登校や引きこもりといった課題の中で生きている今の当事者である子どもたちが、本音&人前で語る会合です。
基本的にはクローズドの会合ですが、今日も18人というたくさんの人が集まってくださり、元美君(仮名)の語りを聴きました。
小学校時代にはスパルタな親の対応に苦しみ、中学校ではいじめに遭って不登校となり、全日制高校もすぐに行けなくなって通信制の高校を卒業。でもその後は一念発起してゲーム制作の専門学校に通い、この春卒業。今はフリーのゲームのクリエーターとして日々を生きています。
なかなか浮かび上がれないと思っていた自分の人生が、「ゲームをつくる」というやっとの思いで見つけた役割を得てゆっくりと復活しつつある、そんな様がしっかりと引き出せたと思います。
願わくば、こんな元美君の姿をお父さんお母さんが理解して、本当の彼の生きる姿を認めてほしいと思いました。親子関係は本当に難しい。でも、それでも決裂と思われるような出来事が重なっていても、いつかはもう一度出会い直せるような日が来ることを予感させるような、そんな前向きな話しとなりました。
これからもこうして当事者が「自分の物語」を人の前で語っていく、心理社会的ケアの第3段階~「社会との再結合」を果たしていく様を伝えていければと思います。
最後に会がお開きになった後、若い女性が元美君に話しかけ、元美君も一生懸命それに応えてました。自分の辛かった経験が今目の前にいる悩める女性の役に立っているという、そんな思いも得られていた大切な場面でした。
元美君の未来に、希望あれ!
桑山紀彦