小郡教会でのクリスマスイブ

今日は2年ぶりのカトリック小郡教会、山元神父様の教会での公演でした。

今から十数年前、太宰府の二日市教会でステージを公演してから、神父様は異動される先々で呼んで下さいました。行橋教会、小倉教会、そしてこの小郡(おごおり)教会。浄土真宗大谷派(東本願寺派)の仏教徒である自分ではありますが、神父様との信頼関係は強く、いろんな事を学んできました。

「私は聖書の中の”ことば”を信じる。」

そういう神父様のことばにどれほど励まされてきたことか。「尊きジョルザレン」や「天空の窓」といったゴスペルは聖書の中のことばを頂いて構成した、まさに神父様とのつながりの中で書いてきた曲です。

親父が亡くなるまで自分が何宗の門徒なのか全く知らなかった自分ですが、神父様といると「信じることの大切さ」「神様のことば」を身近に感じます。

そんな神父様は今年に入って「平和」を常に訴えられてきました。バチカンの聖フランシスコ教皇が世界平和を訴えるため、長崎の被爆者で弟の火葬を待つ少年の写真を使われた事を重く受け止め、教会の大切な役割に「平和」をかかげ、教会の改革に取り組んでいらっしゃいました。それは福岡の9人の芸術家とつながり、素晴らしい手作りのステンドグラス、平和を意識する作品を教会の中にちりばめ、信徒でない人たちにも開放していらっしゃいます。まさに改革者。素晴らしい信念を持った神父様です。

そんな神父様に今年呼んでいただき、2年ぶりにクリスマスイブのミサにも参加させていただきました。神父様に頂く祝福は、自分の役割を強く意識させて下さいます。一人一人に与えているであろう「役割」。それをまた新たな気持ちで意識しながら、この12月24日の降誕祭の公演に臨みました。

今日は大刀洗平和記念館からも館長がいらっしゃり、ついに「ゼロ戦と大地」はその地元での初公演を迎えました。神父様はたいそうこの「ゼロ戦と大地」篇に感動されて、ずっと泣いていらっしゃいました。そしてご自身の出身地、行橋での小さい頃の思いを語って下さいました。

「私が小さい頃、近くに航空自衛隊の基地があり、たくさんの飛行機をみてきました。そして空に憧れ、実は私も飛行士になるという夢を持っていたのです。もちろん同時に神父になろうとも思っていました…。しかしある時知ったのです。私が憧れてきたその飛行機は人を殺す戦闘機であったと。私は平和を求めるものとなり、神父の道を選びましたが、本当に空が好きで、空を飛ぶ事に憧れていました。」

人々の信頼を集める神父様ですが、こうして人の子としての人生を歩んでいらっしゃるのでした。人はおそらくたった一つの役割を得、それをまっとうしていくのだと思います。でもその過程であきらめたこともあります。それはほろ苦い人生の想い出になっていくのでしょう。神父という大切な役割を得ている神父様ですがそんな神父様の「人間」をみた思いでした。

またいつかこの教会に戻ってきたいと思います。

皆さんはどんなクリスマスイブでしたか?

桑山紀彦

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