今日は活動地、グレノでステークホルダーミーティングでした。
これはこの事業に関係する全ての職種の人々(当事者)が集まって情報交換をし、問題を明らかにしてその解決法をみんなで一緒に考えるという、とても大切な1日です。
PSF(ヘルスワーカー)さんはもちろん、保健所長、医師、看護師、助産師、村長、警察署長などが集まっての大きな会議です。現地に駐在して8ヶ月目に入った「地球のステージ」の現地駐在、佳世乃さんと新スタッフのデュルシアが特に頑張ってここまで持って来られました。
これをすることでこの事業が少しでもうまく行くようなコミュニケーションを図ることを目的としています。朝から熱心にたくさんの関係者が集まりました。そして活発な論議がなされていくのですが、いろんなことが見えてきます。
たとえばヘルスワーカーたちは今村にある様々な健康と病気に関する問題を出し合い、その解決法を探るためのワークショップを行って発表していくのですが、それが気に障る保健所長もいるわけです。
「何言ってんだ、それは道路が悪いからだ」「橋がないからだ」などと全くとんちんかんな意見で封じ込めようとします。正直に言えば、その保健所長も含めて自らの熱意のなさややる気の低下をヘルスワーカーたちはこの場で明らかにしたいけれど、それを平気でつぶしてくる人物がほどほどいるということです。
みんなであきれ顔になっても、裸の王様になっていると自分の良くないところが全く見えていない。やはりこういった活動は「人が大切だ」とつくづく思います。素晴らしい思考を持った保健所長や医師の元で活動するヘルスワーカーはみんな物怖じなく、自分たちも含めた地域の課題を語れるけれど、視野の狭い保健所長や医師の元で活動しなければならないヘルスワーカーたちは本当に苦労が目に見えていました。
これからもこういった地域の格差を少しでもなくし、
「村人の健康を守るのは、皆さんのような村に住むヘルスワーカーの知識とやる気なんですよ!」
ということを伝えて行きたいと思いました。
ディリに戻ると日本大使館が招待した中村安秀先生(元阪大教授)がJICAで協力隊の皆さんと懇親会を持っていました。もうお付き合いは20年以上になる中村先生。ひたすら国際協力の道を医師として歩んできた先輩です。素晴らしい業績なのに、本当に腰の低い安秀先生。
やっぱり本当に偉い人は偉くなればなるほど腰が低くなるものだと思います。
拙書「心理社会的ケアマニュアル」の書評を書いてくださるとのことで、日本国際保健医療学会でこの心理社会的ケアが盛んになるといいように思います。
ありがとう、安秀先生!
桑山紀彦