恐るべし、片平先生

今日は利府町の青山小学校、2年目でした。

ここにはもう長いつながりのある片平先生がいらっしゃいます。

国際理解教育を一生懸命学校の中で展開している片平先生。JICAともつながって本当にいい実践をされています。もう何度赴任先の学校で呼んでいただけたでしょうか。

今日は凜と冷えた閖上を少し撮影して、そのまま利府町に入りました。懐かしい1年ぶりの青山小学校でしたが、昨年以上に児童のみんなはまとまり、とっても前向きな雰囲気を作り出していました。

今日は宮城テレビさんも入って、子どもたちが中心となっているパネルディスカッションの様子を取材してくださいました。6年生が中心となって一生懸命「地球のステージ」と「桑山紀彦」を調べ上げ、果敢に色んな質問に取り組んでくれました。

見事な運営でした。

思うに青山小学校のみんなは「自分で考える」ということがちゃんとできている。それはまさにこれから大切にされる「アクティヴ・ラーニング」に通じる素養があると思いました。

例え人と違う意見であっても、しっかりと自分の考えを述べる。その後相手の意見を検討し、自分の意見に変化を見つけていく。

筋書き通りではない、シナリオ通りではない子どもたちの進行がとても素晴らしかったですね。

最後に、フロアで聴いていたみんなに質問を求めてみると、勇敢に4年生の一人の女子が手を挙げそして出した質問。

「みんな、戦争はいけないことだとわかっているはずなのに、なぜ世界の戦争はなくならないのですか?」

まさに、小学生だからこそできるこの核心を突いた質問。素晴らしい感性です。

どう答えたのか、それは、

「戦争が終わらない理由。それは戦争というものの始まりのきっかけが、僕たち人間一人一人の心の中にあるものだからではないだろうか。

みんなのクラスの中にもふと、”嫌だな””合わないな”と思う人がいるよね。そんな時みんなはどうする?仲間を集めて、”ねえ、あなたもあの人のこと嫌だって思っているよね~!”と徒党を組みますか?

それを知った相手は”これはまずい”と思って、”ねえ、あの子が私のこと攻撃しようとしているから、一緒に闘ってよ~!”といったらその時点で既にクラスの中に5人対5人の「戦争」が起き始めています。

僕たちは、そんな”合わない人””意見が違う人”に会ったとき、ついつい排除しようとする気持ちを内側に持っている。それが戦争を生み出す根っこの原因だと思う。だから戦争は終わらないんじゃないかな。

でもあきらめてはいけない。そんな”合わない人”に会ったときにどうすればいいのか、それを学ぶことが「国際理解」という授業だから。みんなはきっと戦争を避けるための方法を、今日も学んでいるんだと思うよ。」

何人かの女子が、笑いながらうなずいていました。身に覚えがあることなのかも知れません。とってもよく勉強してくれています。

小学校4年生~6年生という中~高学年限定のステージではあったけれど、本当にお互い学ぶことの多い充実した2時間でした。

片平先生、恐るべし!

桑山紀彦

恐るべし、片平先生」への1件のフィードバック

  1. 青山小学校での2回目の地球のステージを拝見させていただきました。今回もまた素晴らしい内容でした。ありがとうございます。40歳を過ぎた大人ですら桑山さんの語りと歌に引き込まれ、様々な思考が頭の中を駆け巡ります。その思考の中で子どもたちの頭の中にはいったいどんな景色が広がっているのだろうと想像してみました。きっと大人には想像もできないような景色が広がっているのだろうと思います。そして、その景色は間違いなく子どもたちの心を豊かにするものであると確信しています。目の前にある事実という現象だけに目を向けるのではなく、様々なきっかけを通して、想像させることが何よりも大切であると改めて感じました。
    今年もこのような貴重な機会を子どもたちに与えていただいた青山小学校の先生方と桑山さんに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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