「牛潜」と書いて「うしくぐり」と読みます。
山形県は鮭川村にある牛潜小学校はこの春で閉校です。鮭川村の4つの小学校はすべて鮭川小学校に統合されます。
雪の牛潜小学校
今年は山形県も雪が多く、北部の最上郡はこれまで見たことのないような大雪に見舞われ、国道13号線も両側が雪の壁になっていました。そんな中、この牛潜小学校にステージで向かったのですが、途中で晴れてきました。
「雪と晴天」
これほど美しいコントラストはこの世にないだろうというほど大好きな対比なのですが、鮭川村は僕たちをそんな美しさで迎えてくれました。寒さや雪と青空の組み合わせはノルウェーで勉強していた頃を思い出させてくれます。凛と冷えて、美しい雪と空。まさに、鮭川村もそんな美しさをたたえたところなのです。
なのに閉校。
全校生徒は19人。1年生から6年生までの全員が体育館に集まってくれました。ただ、PTA会長の阿部さんの息子さんだけなんとインフルエンザで欠席。辛いですね。一番見せたかっただろうに、阿部さん。
阿部さんとは桑山が昔この地域でフィリピンから国際結婚できた人たちに日本語を教えていた時の仲間です。もう20年来のお付き合いですね。桑山は「地球のステージ」の前、多文化共生のための仕事をずっとしていました。
そんなふうに人はつながりあえるんですね。
予想通り牛潜の子どもたちは最後まで身じろぎもせず、トイレにも行かずじっとステージについてきてくれました。なんて素直で我慢強い子どもたち。人間の基礎ができていますよね。この子たちが、この雪深い地域で、人々と協力し合いながら生きてきたことを自覚し、それを誇りにしてくれることを祈りながらステージを続けました。
牛潜小学校の生徒たち
家族みんなで雪下ろしして、1階が埋まったあの頃、兄と二人で雪の冷蔵庫をつくって中にヤクルトを入れておくと翌朝カチンカチンに凍っていました。ものが凍るということを身をもって経験できました。
僕はそんな雪深い飛騨高山で育ちました。
そんな記憶と力が自分の中にちゃんと存在し続けることを途上国の支援に行くと感じるのです。
この子たちにも、そんな記憶と力がたくさん宿りますように。
「牛潜」の名前と記憶もずっと残りますように。
最後の記念撮影
桑山紀彦
牛潜小学校PTAの阿部です。
桑山先生には10年ぶりにお会いしましたが、相変わらずの笑顔とパワフルさでした。しかも、少し若返ったような印象さえありました。髪の毛も真っ黒でしたし。
さて、23日の「地球のステージin牛潜」ありがとうございました。また、大雪の中の往復ご苦労様でした。
子供達も地域の皆さんも大満足のステージでした。
本校体育館のステージ上にある「ふるさとに育ちふるさとから学びふるさとを愛す」のフレーズの大切さを改めて感じました。ふるさとで育った記憶はいつまでも人の心に残ります。今春、小学校は閉校となりますが、今回の雪深い中でのステージは子供たちの心の中にきっと残り続けると思います。この中から世界に羽ばたく人間がでることも期待しています。
桑山先生には健康に留意されまして、今後とも素晴らしいステージを続けられるよう祈念しております。時間がありましたら、いつかゆっくりとお話ししたいものです。また、鮭川に来る機会を楽しみにしております。
最後に、後藤さん、息子さんもありがとうございました。
・・・いつまでも人のつながりと共に・・・
日々のステージお疲れ様です。ステージ6の話しと曲早く聞きたいですね。CD販売も検討して見てください