パレスチナ自治区、西岸地区事業のスタッフ、エリーニはこのラマラに住みながら非常に自立した日々を送っている才英です。
新型マツダ3(アクセラ)を所有し、ハンドルさばきも見事にラマラの街を運転し、英語を話し、コントラバスを弾く。実に独立した日々を送るエリーニは実は文具店が大好きです。
そんなエリーニお気に入りの文具店に行った時のこと。
なんと、日本製の彫刻刀を見つけたのです!
製造元は新潟県燕市の「エコー金属」さん。会社の人が見たら、どれだけ驚くだろうかというくらいはっきりの「純日本製」として売られているのです。一体どうやって入ってきたのでしょう…。
しかもその上を見ると、なんとジオラマ用の樹木が…。これは一体誰が何のために使うのか…。
おそらく建築家が、ビルの完成モデル製作の時に添えるのかなあ、とエリーニと話しましたが、一つ600円もするような高価なものなので、なかなか売れずに残っているように見えました。
やっぱり文具店は色んなものがあって、わくわくドキドキするような「宝箱」のような存在です。
その乱雑具合は、我が故郷高山市の文具店「文昭堂」のようです。乱雑に置かれているけれど、ただいるだけで楽しくなるあの文昭堂そのものでした。
そこで見つけたのが、なんと!「どーもくん」だったのです。
もちろんレプリカ、というか模造品です。しかも裏返せば貯金箱になっているじゃないですか。NHKはどーもくんの貯金箱をノベルティとして作っているのでしょうか。関係者の方、ぜひ教えて下さい。
それにしても、パレスチナはラマラの文具店にたたずむ「どーもくん」は妙な迫力があります。しかも、表面は触ったら手から血が出るような鋭利な素材でできているのです。
エリーニに、
「これは日本の国営放送局のキャラクターなんだ。」
というと、
「じゃあお金貯まりそうだね~!でもこれお金を取り出す穴が空いてないよ。ということは、貯まったら壊すしかないのか~。もったいないなあ。」
とのんびりリアクション。
こんなふうに遠い地パレスチナにもちゃんと日本のもの作りの心が届いていました。
桑山紀彦