トロント公演の前日。佐藤さんは既にそこにいました。
主催の皆さんに「ぜひ、この記録を撮らせてくれ」と自らお願いし、OKをとって日系文化センターの会場にいらっしゃいました。
佐藤公昭さんです
丸いニットの帽子をかぶり、いかにもという出で立ちの佐藤さんは公昭(こうしょう)さんと言います。そして肩書きはVideographer。つまり写真家=Photographerから派生してビデオ家(?)という人なのです。つまりは動画映像によって作品を創る人ですね。
その公昭さんはとても人なつっこく、普通桑山はそうやって撮られると構えてしまうのに、なぜか公昭さんにたいしてはいろんな事をしゃべってしまうのです。
「いや、どんな本番前も緊張しますよ~。特に今日はフル英語版ですから~。もう逃げたいくらいです」
「いや~、時々、何でここまでやっているんかなあと思うときはありますよ。医者だけやってても大変なんだから、何でこのステージもやるのかなあ、って」
いつになく饒舌です。
それはおそらく彼が海老名市出身で、しかも今度ステージをやる中新田小学校に2年生までいた(そのあとは厚木で、なんと森の里の隣の中学校だった!)と聞けば、もう親戚の気分です。
海老名はもう神奈川県の自分の故郷のように感じてますから。
そして、彼が日本のメディアや芸能、興行に見切りをつけて、ずっとニューヨークで踏ん張ってきていることなども共感のど真ん中でした。
「今の日本でウケているものが、そのまま良いなんてとても思えないですね。薄っぺらで、誰かの意図が入りすぎていて、売るためにつくり、さっさと見切りをつけて捨てていく。そんなものに自分の志向を振り回されたくはないです」
そういって、アメリカで暮らし、5年ほど日本に帰って企業に勤め、この3月にトロントに引っ越してきました。10歳年上の奥様と、10歳を先頭に3人のお子さんがいます。
「カナダは、子どもを育てるには良い環境だと思います。だから思い切ってここへ来ました。でもなかなか仕事が軌道に乗らないですけどね」
そういいながらも、彼はとても良い作品を創っています。
ぜひ彼のホームページをご覧あれ。
http://kosho.be/aboutme.html
乗ったかのように見えて、なかなか軌道に乗らないクリニックの経営の苦しさも手伝って、彼とはすっかり意気投合してしまいました。
「つまるところ、がんばるしかないですよね!」
これに尽きると言うことです。
努力をやめたら終わり。でも少なくともお互いものを作り出しているという点においては、誇りを持ち続けていたいという点でも気持ちは一緒でした。
そんな公昭さんの6歳になる長男のかぶと君が書いた壁の一言が立派でした。
「今の僕たちの目標
~お父さんに仕事が見つかること。
そしてみんながご飯をちゃん食べられること」
その横で公昭さんは笑いながらもビデオの編集に余念がありません。
今回の作品は「地球のステージ」が有償で買い取ることにさせて頂きました。わずかなお金しか出せませんが、公昭さんの芸術に対する「対価」です。
届いたら、ホームページにYou Tube経由でアップしますね。
乞うご期待!
桑山紀彦
お久しぶりです。今日、日比谷公園で行われる"グローバルフェスタ"に参加させていただきます。
約1年振りの先生の講演、いまからとても楽しみです。様々なことを一生懸命、吸収してきたいと思います。講演、頑張って下さい。
ありゃっ、気づいたら私がっ!
でも私について良く書いてくださり、ありがとうございました。びっくりしました。
「息子が書いた壁のひとこと」読まれてましたか。ははは。おはずかしい。因みに嫁は10歳上でなく、9歳上です(笑)。
またどこかの街でお会いしたいですね。
それまで、お達者で。
ビデオグラファーより、