明ちゃん単独ガザ入り

「地球のステージ」の事務局長、後藤明子（明ちゃん）がガザに入りました。
　桑山の許可はやはり１月１８日で切れて、その後の再申請に対する許可に時間がかかり、今日の時点でも入れません。
　しかし明ちゃんは勇気を出して入っていきました。
　通訳のアーベッド、運転手のマジディが出迎えてくれて、今ダルウィーッシュのエル・アマル学校に向かっています。子どもたちとの交流が用意されています。桑山がいなくても、明ちゃんは立派にとげてくれるでしょう。本当は役目を果たしたら、今日中にイスラエル側に戻ってきて、明日の朝桑山とともに再入域を試みる予定でいましたが、これも勇気を出して「ガザに残って、今晩はダルウィーッシュの家に泊まる」と言いました。
　彼女を待ちわびていた多くのラファの人々が彼女を離さないでしょう。
　昨年1月の空爆の中、カメラをまわし続けた彼女の姿をみんなが見ています。本当に多くのガザの人々に愛されている明ちゃんです。
　僕たちの役割は、「あきらめずに通い続けることだ」と昨日明ちゃんと話していました。日本の団体で定期的に通っているのは我が団体くらいです。すっかりとラファに拠点ができ、知り合いもみんな「家族」として迎えてくれます。昔はガザ市内に定宿のホテルを決めていましたが、今ではすっかりダルの家が「我が家」です。
　彼らに言われます。
「あきらめずに通ってきてくれ。僕たちはいつも待っている」
　この言葉に応えるべく、明ちゃんは独りで入っていきました。
　許可が出なくて桑山はエレズに最も近いアシュケロンという街に待機しています。心の底から情けなさを感じているけど、でもこれは僕の過ちではない。占領しているものの「過ち」で引き裂かれているのだ、と思うようにしています。
　一緒に入りたかったけど断腸の思いでエレズから戻って待機しています。
　明日、許可が下りれば一番で入って合流しますが、難しい時は明きちゃんは午前中に出域して戻る予定でいます。
　この現実とそこにある人間の想いをどうか、みんなで分かち合ってあげてください。
桑山紀彦