ハイチ、そしてガザ

ハイチの現場に入っているNICCO(日本国際民間協力会)の折居さんから写真と現状報告が来ました。
1)治安状況について
地震から10日を経て、すでに街は通常の生活がかなり戻っており、人々の様子も落ち着いており、街の各所にUNの兵士が配置されることで、一定の治安は保たれています。
市場も開かれ、食糧等物資も売られています。商店等はまだ閉まっているところも多いようですが、徐々に開き始めている状況です。
崩れ落ちた建物
地震によって崩れ落ちた家屋
2)滞在先について
サントドミンゴの旅行会社の日本人の紹介で雇用した通訳のハイチ人の紹介で、地元のプロテスタント教会の連合組織の協力を受けて、現在授業が行われていない学校の教室に泊まることが出来るようになりました。
貧しい地域ですが、宗教的権威者の紹介で支援のために入って来たということで、コミュニティの人に守ってもらうことで、安全は確保されると判断しています。
ジェネレーターで電気も確保されています。
避難所で暮らす子どもたち
避難所で暮らす子どもたち
3)医療分野について
ヘルス・クラスターにも確認し、外科の対応はすでにほぼ終わり、今後は足を切断した人に対するリハビリ等に入って行く方向が話し合われていました。かなり多くの団体が参加しています。
よって、今の時点からの医療支援は不要と判断し、基本的に物資配布、シェルター、水衛生の分野で調査と案件形成をおこなって行きます。
4)国の状況について
事前にある程度予想していた通り、貧しい人々は、マラウイ等と同様、多くが素朴で信心深く、お互いに助け合って生きている印象です。
各所で暴動や食糧不足が起こっているかのような各国のメディアの報道は非常に偏っており、元々地震前より政府が機能していないところで、人々は教会等を中心に自分達で一定の秩序を保って暮らして来ており、地震後もさらに結束して乗り越えようとしていると思われます。
木や布で作った小屋
木や布で作った小屋に住む被災者の皆さん
 ということで、今回は医療支援ではなく、物資提供を中心に行うということになってきました。
 それを受けて桑山と後藤明子事務局長は、水曜日からガザに向かいます。明ちゃんの入域許可は降りているのですが、桑山の許可はまだです。
 それは昨年7月に取得した許可が1月18日までのため、「一旦それが切れてからの再申請」となっており、12月に明ちゃんと一緒に出した申請は、桑山の分だけはじかれていました。もちろん切れた同日の1月18日に再申請して、それは受理されているのですが、通常許可が下りるまで1~2週間かかるため、今回は間に合わない事態に陥っています。明日、明後日で出てくれるといいのですが。
 半年ごとに通っている状況では、常に許可証が切れる頃に再入域となってあまりに不利であることがわかってきたため、今後は申請の出す時期を変化させて取り組みたいと思っています。
 本当に「占領されている」ということは、いかに大変か、また身にしみている毎日です。
 ただ現地の大切なパートナー、ダルウィーッシュが今エジプトのカイロで修士号をとる勉強をしているので、彼とはカイロで会えます。今後のことをちゃんと話し合っていきたいと思います。
では、できる限り報告しますが、帰国は2月4日(木)の予定です。
桑山紀彦

ハイチ、そしてガザ」への4件のフィードバック

  1. ハイチの皆さんのがんばりと支援に入られた皆さんのご健康をお祈りします。
    桑山先生 スタッフの皆さんお元気にお帰りになられるますようお待ちしています。

  2. 1月23日出雲での公演ありがとうございました。
    こんな公演ははじめて・・と言う人が多く、感動の渦でした。
    かと思ったら、今日からガザへ行かれるのですね。
    どうぞ、気をつけて!

  3. ガザ入りはあきちゃんだけ先行ということはないんですよね。心配なので是非二人一緒に入ってくださいね。

  4. 今日の記事で、
    暴動は、ごく一部ということが分かり、
    安心しました。
    皆、結束して乗り越えようとしておられるとのこと、
    素晴らしいと思い、
    それで、
    拙ブログに書かせて戴きました。
    これからも、こういった貴重な報告を
    期待しています。
    安全とお体には、充分お気をつけて――。

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