ついにエレズの検問所を越えて、ガザ地区に入りました。検問所のどこかの司令室に、あの仲よくなったイスラエル軍兵士、オリエンがいるに違いありません。一回逢いたいなあ、と思う間も無く、実にスムースに入れました。
そしてガザの街でダルウィーッシュと再会しました。
今日のダルウィーッシュ
元気そうでした。
「いや~、拘束されて9キロも痩せてしまったよ。おかげでほら、腹がへっこんだだろう。」
「そうだね、何だか逆に若返った感じがするよ。」
「だろ。よく言われるんだ。」
「でも辛かったでしょ。」
「そうだな。誰とも連絡取れなかったしな。ケイが来るのに、自分がいないって事も伝えられなくて、すまなかったよ。」
「大丈夫、自分も入れなかったしね、あの時は。」
「今も、このガザ地区は一触触発の状況だ。毎日いろんな事件が起きている。油断はできないんだ。」
「困ったね。」
「でもあきらめるわけにはいかないからな。」
「ああ、そうだね。」
やっぱりあきらめない男、ダルウィーッシュがそこにいました。
午後、ラファに移動し、さっそく子どもたちと心理社会的ケアです。
今日は絵を描くワークショップ。僕が先生としてみんなにいろんな絵を描いてもらいます。
今回は滞在時間の短さもあって、2回目で直接的なテーマ、
「みんなにとって、ガザ紛争で見たもの」
を描いてもらいました。
思いの他、みんな集中してどんどん描いてくれます。
イスラームは10歳。ラファに生まれ、ラファで暮らしてきました。
でもこの1月のガザの戦争のことは忘れられない。そんなイスラームが「戦争」の絵を描いてくれました。こんな小さな女の子が、最初に描き出したのはお腹から血を出して瀕死になっている人の絵。ぎゅっぎゅっとその血の色を赤い鉛筆で一心に描く姿を見て、思わず涙が込み上げてきました。
あなたは、その小さな身体で何を見てしまったの?
イスラームと絵
「これはね、イスラエル軍の飛行機が私たちの家を一軒一軒狙って爆弾を落としているところ。
それで子どもが行方不明になって、お母さんが必死に探しているの。
そこへイスラエルの兵士がやってきて、頭に銃を突きつけておどかしてる。
でもそこにパレスチナの病院の救急車が助けにやってきているんだ。
そしてケガした人を必死に救い出しているの。」
「その時は、どんな気持だったの?」
「哀しかった・・・」
「・・・他に思い出す“気持”ってある?」
「・・・心の底から、腹が立った・・・」
ありがとう。
あなたのその絵を描いてくれた勇気は、必ず日本のみんなに届けるからね。
今日は21人の女の子たちが戦争の風景を描いてくれました。すべての子どもたちが戦争の目撃者です。その小さな心にどれだけの脅威がのしかかっていたのか、自分の爆撃の時の気持が蘇ってきました。
桑山紀彦
涙が出てきます。
子供たちの傷ついた心と先生の行動に。
逢えてよかった。
この子たちの心のケアを思いの限りして来て下さい。
「あきらめないこと」 ですね・・・。
感動しています。
ありがとうございます。
心、洗われる気がします。
そうそう、エレズの通過おめでとうございます。
体調気を付けて頑張って来てくださいね。
桑山さん、アキちゃん、行けて、会えて、よかったね…。元気をありがとう。「大海の一滴」…マザー・テレサの言葉。ぜったい世界の平和につながっています。そのつながりがなければぜったいに平和にはならない。こちらでも、つながりをつなげています。ミンダナオのムスリムの人たちともつながっています。健康だけには気をつけてくらはい。 ~祈りのうちに。
こんにちは。初めてコメントさせていただきます。
今回のブログはいつにも増してパワフルで、読んでいて涙が止まりませんでした。私は、世界中で起きている紛争や戦争のことを考えるとき、真っ先にそこで生活している子供達のことが頭に浮かびます。子供達がイスラームのような絵を描かなくてすむような平和な世界を願わずにはいられません。
どうか、お二人ともお体に気をつけて活動を続けてください。