生協ひろしま

今年も生協ひろしまの定期公演がやってきました。
 広島は広島平和記念公園の定期公演と、この生協ひろしまの定期公演の2大公演が毎年来ています。
 生協ひろしまが全県の各所を持ち回りしながら、毎年公演してくださっているのですが、昨年は三原と呉、そして今年は東広島市でのステージでした。
 いつも思うのは、生協のみなさんのまっすぐな「やる気」のすごさです。
 これまで宮城生協、コープ神戸と一緒に活動させていただいてきましたが、さすが生協活動の実践者としてのみなさんの志しは高く、いつも励まされます。
 今回、ガザ危機の戦争の中で働いて帰国し、初めての広島公演でした。
 いつものように「ガザ危機篇」をお届けしたのですが、今日は特別でした。それは、あの空爆のガザ地区ラファの街でいつも思い出していた言葉があるからです。
 それは映画「夕凪の街・桜の国」の中で、麻生久美子が演じる主人公皆実(みなみ)が、
 「私は人から、お前なんか死んでもええって思われて爆弾落とされた身です。そんな私が幸せになれるはずがない。人からそんなふうに思われたっちゅう事が、一生私を苦しめ続けるんじゃ」
 と語る、そのシーンです。
 僕もいつもそう思っていました。
 イスラエル軍のF16パイロットは、その爆弾のスイッチを押す。すると1回の6発の10t爆弾が落ちてきます。その着弾を身を固くしながら耐え、
 「どうか、ここへ落ちてきませんように」
 と願い続けた自分のことを思い出すのです。
 そして自分のところへ落ちなかったその瞬間、みじめな思いに支配されます。
 「自分なんて死んでもいいって思われて爆弾落とされたんだ」
 と身にしみるんです。
 でも、同じことが64年前にこの広島でありました。奇跡的に生き残った人々はあっけらかんと、
「生き残れてよかった」
 とは思えない。人から死んでもいい存在と思われて原爆落とされた事による、その心の傷は一生消えません。
 だから、この「ガザ危機篇」を広島でやりたかったのです。
 案の定、いろんな思いが重なって涙に声が震えてしまいました。
 でも、その僕を広島の人たちは一緒に涙しながら支えてくれました。
 きっとおじいちゃん、おばあちゃんが同じ思いを抱えて生きて来たその姿を見て育ってきたんでしょうね。
 優しい広島の人たち・・・。
 救われた思いでした。
 ステージが終わって、静かに僕たちを囲んでくれる生協ひろしまのみなさん。自分の親戚の要に、静かに心配してくれるみなさん。ありがとう。
生協広島
 生協ひろしまの皆さん。手前向かって左端が朝日新聞記者で「ひと」に書いてくれて、全国展開の大きなきっかけになった辻外記子(ときこ)記者
 僕の心の傷も、完全に癒されたわけではないけれど、少なくとも原爆で20万人を失い地獄と化した経験を記憶に刻みながら、空爆体験をしてしまった桑山を慰めてくれました。
 11月15日には3年目の平和公園のステージがあります。東ティモールからダン先生もきて講演会もあります。
 広島のみなさんと元気で会うことが願いです。
桑山紀彦

生協ひろしま」への3件のフィードバック

  1. ヒロシマ…9時から「子どもとともにささげるミサ」で広島の映像を見ながら、子どもも大人も一緒に平和について考え、祈ります。平和のためにわたしたちに何ができるのか…。そしてできることに気づいたら、それを行動に移す勇気を…祈ります。《貧困と闘い、平和を築く》今年のテーマです。

  2. Drボランのこと ガザ地区の海を目指した少女たち
    同じ地球の上に暮らしながら 痛みも知らずに生きている自分。
    おととし 初めてであったコンサートの光景を思い出し
    ずっとずっと泣きながら 見入っていました。
    わたしに 何ができるだろうか???以前も思ったし
    今年はもっと強く思いました。

  3. 桑山さん!ありがとうございました。
    広島・・・ヒロシマ・・・ならではのステージだったと思います。とても感動しました。涙がとまりませんでした。
    一緒に行ってた娘も11月の広島でのステージにも絶対行くって張り切っていました。
    ありがとうございました!!!

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