ダンの表彰

今日は東ティモール独立記念日です。
　7周年記念です。あの日からもう7年が経ちました。
　朝から照りつける太陽のもと、あきちゃんと我が「地球のステージ」現地駐在の高島さんの3人で出かけてみました。
　ものすごい数の人が見守る中、最高だったのは、バイロピテクリニックのダン先生が国家表彰を受けたことです。
　これまで10年、この東ティモールに根を下ろし、バイロピテクリニックの院長として年間数万人の患者さんを診察してきたその「変わらない姿勢」が評価されたのです。
　現在でも保健省からは嫌がらせを受けており、苦しいことの多いダンなのですが、大統領になったラモス・ホルタ氏はちゃんとダンの偉業を知っています。その意向に沿って、今回の国家表彰になったのです。
　これで変な連中もおいそれとは、ダンに嫌味を言うことはなくなるでしょう。
　妙な労力を使わなくてもすむようになるだけでも嬉しいです。
　そんなダンとは昨日も一緒に夕ご飯食べたのですが、
　「着ていく服がないんだよ。正装で来いって言っているんだよ」
　「いいじゃないかダン、いつものＴシャツで。ただクビから聴診器をかける必要はあるよ」
　「そうだな、それがネクタイ代わりだよな！」
　と冗談言いあったのですが、ちゃんとシャツにネクタイを締めていました。
　う～ん、似合うような似合わないような・・・。

ダンの表彰の瞬間（横がラモス・ホルタ大統領）
　でも、最後に楯とメダルをもらったダンが大きく両手を広げてこっちを向いた時の姿は忘れられません。
　ダン、これからも健康に気をつけて。
　そんなダン先生を今年は11月に日本に呼びます。
　広島、神戸、仙台など、いくつかの街を案内し、最後には11月に開院する我らが新しいクリニックのイスに座ってもらい、「名誉院長」として額に納まってもらう予定です。
　なぜなら、このダンの生きる姿勢や、医師としての姿勢が、今回の開業の根底を支えるヒューマニズムに直結しているからです。
　
　桑山紀彦