ガザから戻って、少しづつ、自分を取り戻してきてはいますが、やはり「語ろう」とすると崩れてしまいます。
今日は6年目のJICA駒ケ根訓練所でのステージでした。
事前に候補生の方から、「ぜひパレスチナの話題を」と言われていたので、迷ったのですが、パレスチナ篇4篇を一挙にまとめて、再構成した「特別パレスチナ篇」にしてみましたが、やはり途中で崩れ、一時は涙声が嗚咽になりかけて大変でした。
そんな中、少しづつ落ち着いてくると、これまでテレビなどで語ってきたことの片隅で、ぽつり、ぽつりを思い出し始めていることがあります。それをゆっくりと、このブログで書き出せると少し楽になるのかもしれない、と思い、少しシリーズで書いてみようと思います。
直前まではダルウイーッシュが「来ちゃダメだ」といっていた。
ガザに入る、その15日、朝からもすごい空爆が国境線に起きていると、朝日新聞の田井中さんから電話、急いで検問所に向かう途中、ダルウーッシュから電話がありました。
「今日はいつになく、空爆が激しい。来たいという気持ちはわかるけど、止めてもいいんだぞ。ここまでよく来てくれた。それだけで十分だと思うから」
と言われてこちらが涙声になり、
「ごめんねダルウイーッシュ、本当はいてもたってもいられないんだけど、今回はあきらめようと思うんだ」
「それでいい、お前はどこにいても友だちだ。心配するな。オレたちは大丈夫だから」
この言葉を頼りに、「今回はあきらめよう」と思ったのです。
ところが国境について、エジプト軍の国境警備兵が書類に目を通し、
「よし、入ってもいいぞ」
と言った時、近くに着弾しました。あきちゃんはその時3歩下がりました。僕も身体が凍りました。
するとダルウイーッシュから電話が来たんです。
「どうする?」
「うん、今も近くに着弾した。恐くて行けないと思う」
「国境はそんな感じだろう、だがな、ラファの街は静かで安全だ。国境からラファまでは救急車を手配しておくから、来れるようなら受け入れるぞ」
「・・・・」
「どうする?」
「わかった。今から行くから、出迎えよろしくね」
「了解だ」
そして国境のターミナルに入っていったのでした。
ターミナルに入った瞬間も、また近くに着弾。目の前200Mに土煙が上がりました。
あきちゃんがすぐ後ろでフリーズして、こっちを見ています。
そこで、思わず機内で3回も一緒に見た、映画「ハッピーフライト」のワンシーンをまねてみたんです。
「こういう時は笑うしかないんだよ、ハハハハ・・・」
あきちゃんも、少し笑いました。
そしていよいよ国境を越えることになったのです。
向かって右から2番目がダルウイーッシュ
(次回は、国境越えの時の”恐怖の誓約書”のお話です)
桑山紀彦
初めてコメントします。ずっとブログ見てます。先週やっとパレスチナ緊急支援送金が出来ました。桑山さん、あきちゃん、おかえりなさい、お疲れ様でした、ありがとうございました。ゆっくりでいいから、ブログに書き出して、少しずつ楽になってほしいなぁと思います。何があったか何が起きていたか少しずつでいいから私達に教えて下さいね。
「ハッピーフライト」私も観ました、日本で。目の前で着弾しながら、とっさにハッピーフライトを思いだして、あきちゃんもフリーズしながらも笑えて良かった。
ブログ読んでいるからダルウィーシュもたいちゃんも知り合いのような気がします。東中野ポレポレ映画館行きます。お話聴けたら嬉しいけど。またコンサートにも行きます。2月26日松伏でみんなでお待ちしていますね。お体には気をつけて下さい。元気組sachi
先生が楽になるのならいくらだって話を聴きますよ。 皆そう思っていると思います。
1月15日、まだ自宅のパソコンが使えず職場でお昼にブログを見ていて、あまりもの臨場感から、「お願い 行かないで!」 と 「皆が先生の気持ちは痛い程わかって理解しているから・・」 と何とかガザ入りを留まって欲しい気持ち・・・
「でも先生は葛藤しているはず・・」とか色んな想いが重なり言葉がみつからなかった事を手にとるように思い出します。
そうしているうち、バッテリーが切れて「あ~~~!!」となりました。
私事、今日映画かステージか迷った末、やっぱり歌が聴きたい私はステージを選び色々手配をしてこの日を待つだけだったけど・・・
まさかインフルエンザにやられるとは・・
憎たらしい~!!子供にはかないません。
あ~あ 今度いつになるかなぁ~。ホント残念で仕方ありません。
先生、毎日忙しそうですが頑張って下さいね。
先生お疲れ様です。
「死」と向かい合わせでいる心理状態って想像を絶します。読んでいて涙が止まりませんでした。そんな中で何日も過ごしたのですから、それなりのダメージがあって当たり前だと思いますよ。あせらず、ゆっくりと自分を取り戻してくださいね。
気持ちが落ち着かないとき何かを書くって案外頭の中が整理されて元気になれますよね。私もよくやります。先生やあきちゃんが少しでも楽になれるのなら、いくらでも書いてください。みんな応援してますよ。
昨日の駒ヶ根訓練所のステージで、帰国後の桑山さんにお会いできてほっとしました。駒ヶ根は初めて地球のステージと出逢った格別の思いがあるところです。
「激しい空爆の中、ガザに入るのは恐かった。自分はそんな弱い人間です。まだ気持ちの整理ができていない。」と、涙声で語る桑山さんの恐怖や悲しみや怒り、素直さや優しさを受け取っても何をしていいのかわからない私はうろたえるだけでした。
ようやく今になって私にできることは、何時でもどんな時でも桑山さんを応援し続けて、書く事で心が楽になる桑山さんを応援している意思表示のメッセージをいれることかなと思っています。
とかくブログにコメントを入れるのを躊躇してしまいがちですが、相手を傷つけないというルールを守れば、思いは言葉にして伝えようと昨日のステージを見て思いました。
数週間後に任地に赴く訓練生の皆さんにとっては、「恐い、弱い」という桑山さんの姿を見せていただけたことで、いいことばかりではなく、苦しい時、悩む時もいっぱいあるであろう任地での2年間を頑張れるように、背中を押してもらえたと思います。
「ボランティアはひとの為でなくて自分の成長の為」
「固有名詞の出逢いをして自分が主人公のドラマを創ってきてください」
お陰さまで、桑山さんの応援を実践して2年後に帰国した訓練生がひとまわりもふたまわりも大きくなっている姿を思い描いて「頑張ってきてください」と心から送り出せるようになれました。ありがとうございます。
昨日、あきちゃんに会えて嬉しかったけど、恐かった時のことも
話してくれて、まだ頭の中ごちゃごちゃって言ってました。
「近くに着弾しました。あきちゃんはその時3歩下がりました。」
「あきちゃんがすぐ後ろでフリーズして、こっちを見ています。」
どれだけ怖い思いをしたことでしょう。
桑山さんにお願いです。
専門家としてあきちゃんのケアをどうぞよろしく。
そして、私たちにも出来ることがあったら教えてください。