イェイェさんの村は農業が唯一の産業です。農業が振るわなければ、村の存亡に関わります。
今、このミャッセ・ミャー村村の周辺5つの村が中心となり、植林を行っています。それは過去においてかまどの樹として切り出した山がはげ山となり、そのままでは保水能力が失われるからです。
ミャッセ・ミャー村はなだからな東向きの山の斜面に拡がる豊かな村です。山に降った雨は伏流水となり豊富な地下水となります。だから掘れば水がわき出るところがミャッセ・ミャー村なのですが、山に樹が失われると雨が地中にしみ込まず、井戸水が涸れます。それを防ぐべく村中の人が集まって植林をするのでした。
しかし単に木の苗を植えるのではなく、村々の祭りのようにそれを儀式として祝うあたりがこの地域のいいところです。
この日、イェイェさんのパオ族とタオユ族、そしてダンユー族があつまり植林をしました。朝から民族楽器が鳴り響き、女性たちはそれぞれの民族衣装で若い苗を山に運んでいきます。パオ族は黒い衣装と頭には鮮やかな巻物。これはパオ族の母の祖先である「龍」を模したもの。ミャッセ・ミャー村から若い女性たちが美しい民族衣装で山に入りました。
みんな、ほほえみを忘れない、気さくで優しい人々。覚えたてのパオ語でこんにちはは、
「マングレア・ディア・オー」
そしてありがとうは、
「ケチュ・タンガー・オー」
ミャンマーの共通言語であるビルマ語とは全く異なる「別言語」です。もちろんみんなビルマ語はしゃべられますがやはりここへ来たらパオ語で挨拶が基本です。
小一時間ほど植林をしてみんなが戻る頃になったら、ざーっと雨が降ってきました。それをミャンマーの人たちは、
「成功の雨」と言います。
一仕事終えて雨が来るときはいい仕事ができたときなのだと。一つ一つが自然に寄り添った思考でした。
さて、村で一人の少年に会いました。
彼はクワを持ち、今道路の補修作業にボランティアで参加して帰ってきたところだと言います。名前はティゾー君。12歳。今は農業をして働いています。
「僕は3人兄弟の2番目。兄は今16歳で同じ農業をやっている。兄は小学校5年生で学校をやめてそのまま農業に入った。僕も5年生で小学校をやめて今働いている。
僕は勉強よりも仕事を選んだ。家計は苦しく、僕たちは働く必要があったんだ。でも下の妹は今中学校2年生に進んだ。できれば妹にはちゃんと学校を出てほしい。だから僕は働くんだ。」
これもまたミャッセ・ミャー村の現状。
980人が暮らすこのミャッセ・ミャー村のこと、もっと知らなければなりません。
桑山紀彦
大地に密着した自然の営みと疑いのない率直な信仰心が営々と営まれている生活に不便という意識は不要のようですね。
心が豊か(綺麗)人々のよう感じがします。