昨夜放送となった「ニュース23」の「心のケア」。
主人公の琉音(るね)さんはとっても素直な小学5年生です。番組ではずいぶん深いところまで描いていましたが、とってもわかりやすい構成になっていたと思います。
あの琉音さんたちと「阿蘇・猿回し劇場」に遊び行ったのですが、途中で余震におそわれ、そんな本来楽しい時間にまで余震の影響があって悲しかったものです。
でも、しっかりと前を見ていこうとする琉音さんやご家族に勇気をいただきました。
「向き合うこと」を大切に、これからも長い関わりを続けていこうと思っています。まずは6月6日(月)再度現地入りして2つの学校の「心のケアセミナー」の開催。そして琉音さんの自宅であるお寺、そして廃院となった立野病院の医師、渡辺先生が構想とする「みなみあそ診療所」構想をどう支援するか、検討してきます。
その動画は→こちら
桑山紀彦
未だに、「寝た子を起こすな」の中傷が絶えませんが、
時間のかかる見えにくい作業の成果を信じています。
桑山先生、先生の情熱と迅速な活動に心より敬意を表します。
先生の活動に一点重大な疑問があります。
ストレス障害の内的リスク因は、私は強い回避と自責感だと思います。
先生がいわれていた「子どもの前で地震の話題をさけることはまちがっている」に同意します。しかし、【この時期】、「地震の体験を家族で語り合うことをすすめます」には同意できません。むしろ、<強い地震がまたあったらどうする?>と防災の知恵を話しあい一緒に対処行動をすることを私たちはすすめています。
先生のアプローチは、1995年当時推奨されたディブリーフィングではないでしょうか。もちろん、先生がかかわってこられたご家族がこの方法でよい方向に向かっていることはあると思います。Tv映像をみても、そう思います。
しかし、先生がかかわれないご家族で、今の時期、あのときのことをがんばって話し合おうとして、つらい気持ちのままになって、『もう二度と話したくない』と回避を強めてしまう方がおられるのではないでしょうか。むしろ、防災の知恵と対策行動にいっしょに立ち会い、その過程のなかで、当時のことが語られるようであれば、それはしっかり受けとめていくということがよいのではないでしょうか。
影響力がある先生ですから、「今の時期、あのときのことを家族で話しあう」というメッセージを再考していただければと思います。