「いのちのステージ」と称して、文部科学省からの支援を受けて宮城県内で公演を展開しています。
それは震災に特化した「地球のステージ」と、語り部の講演を併せたものです。今日は大川ゆかりさんとのステージ。鳴子中学校に続いてゆかりさんと組むのは2回目でした。
ゆかりさんは中学校2年生だった大川駿君を津波で亡くしています。それでも、こうして語り部としていのちのことを伝えています。
毎回その語りは進化しており、今回はこんなお話が入っていました。
「駿が小学校6年生だった頃、給食を残さないための標語として、こんな言葉を語りました。
”せっかくもらった命、大切にいただこう” 。ご飯を残さないというそんな思いが評価されて、入賞しました。今から思うと、この言葉にはわたしを励ます、大切な意味が込められていたのだと思います。だから中学生の皆さん、いのちを大切にしてください。」
涙が止まりませんでした。
大川さんは毎回語りを変えてきます。そしていつも心がこもっています。
毎回聴いても泣けてくるのは、
「親はいつでも子どものことが心配なんです。たとえこの世にいない子どもでも、心配なことには変わりありません。皆さんもこのことを覚えておいて下さい。」
大川さんはいつの間にか、自分の体験を語るだけではなく、子どもたちに「だから皆さんも…」と語りかけるようになっているのです。
この変化はとても大きな変化だと思います。
駿君のためにも、命を大切にしなさいと伝えることが今の自分の役割であると、今日もはっきり語られました。強くなっていく大川ゆかりさん。今日も天から見ている駿君が一番喜んだと思います。
「かあさん、たくましくなったね。」
そう語る声が聞こえてきました。
こうして「地球のステージ」は時に「いのちのステージ」と名を変えて震災、津波一色で学校をまわっています。宮城県内だけでなく、全国にこのタイプのステージが拡がることも視野に入れていきたいと思いました。
さて、そんな「津波から命について考える」ことを目的とした「いのちを語りつぐ会」が11月29日に名取市で開かれます。
ぜひ、皆さんおいで下さい。
日 時:11月29日(日)12:30開場、15:30終了
場 所:名取市文化会館 大ホール
内 容:いのちのステージ~特別編~(地球のステージ公演)
あの日を語る 未来を語る(閖上中学校遺族会)
あの日を語る 未来を語る(大川小学校遺族会)
参 加 費:無料(先着順、要申込)
申込方法:下記連絡先にFAX・E-mailで申込み
お申込み時、代表者のお名前・ふりがな、入場券のご希望枚数、TEL、ご住所をお知らせください
※入場券を郵送でお送りしますので、当日ご持参ください
連 絡 先:認定NPO法人地球のステージ(担当:桑島)
TEL:022-738-9221 FAX:022-383-8330
E-mail:kuwamwang@gmail.com
主 催:認定NPO法人地球のステージ、 文部科学省、名取市、名取市教育委員会
桑山紀彦
大川さまは、駿君の死を一刻たりとも無駄にしないように、
心の中の駿君と一緒に成長していらっしゃるのではないかと思えてきます。
多くのご遺族の方達、また、被災された方達が、
辛い思いを心の中に閉じ込めておくだけでなく、
人々に伝えていくという勇気ある行動をとることで、それが使命感となり、
また、ご自身の心の支えになっているのかもしれないと思いました。
昨今、日本は外面的には豊かで、飽食の国となったであろうことは否めませんが、
逆に、内面的にはとても貧しい国になってしまったのではないかと考えています。
「ステージ」の内容の広がりは、今後あっても良いかもしれませんね。
親はいつまでたっても子供の事は心配する・・・心配するだけで子供の成長の芽を摘んでしまう親もいる・・・「だから皆さんも・・・」と言い切る大川さん~強い親です、立派です。