撮影4日目

今日はモハマッドとスレイマンさんとの出逢いのシーンでした。

 まずは順番を変えてモハマッドとの出逢い。モハマッドは13歳から知っていますがとても意志の強い、気骨の青年。現在19歳です。ジャーナリストになるべく毎日カメラを構え、いろんな撮影をしていますが、子どもたちとのサマーセミナーで、写真の講師をしたりと、夏休みも忙しいモハマッドですが、映画にはしっかりと出てくれました。

 恥ずかしがらず、あくまで前向きに子どもたちとのシーンを繰り広げていくモハマッドですが、やっぱりセリフを覚えて切っていません。でも考えてみると大人のシーンはセリフが長いですから、負担は強いと思います。子どもたちの疲れを見ながら撮り進めていきました。

 モハマッドは既に日本のビザを取得しており、日本に行ける状況なのですが、この2週間で国境の様子は激変し現在また空爆状態です。そのためラファ検問所は完全に閉まってしまいました。6月末の状況が180度変わっています。

 でも逆にイスラエルサイドへでる方法もありますが、モハマッドは身内に多少なりとも過激な思想を持った人がいるので、イスラエルに入国した場合、何が起きるかわからない不安があります。そのためあくまでエジプト国境側が開かないと出国しないという意志に変わりはありません。

 まだまだ様子を見ていきますが、シナイ半島に展開しつつあるIS(イスラミック・ステート)を名乗る者たちがつまらないことをやっているので、状況的には難しい可能性があります。

 でもモハマッドは一層かっこよく、カメラを持つ姿も板についてきました。

 13歳だったモハマッドが、つい最近のように感じられますが、こうして人は成長していく。僕のパレスチナ支援の歴史は、まさにモハマッドとの日々でした。

 さて、スレイマンさんの電器屋さんです。

 正直、崩れ方が前よりもひどくなっているように感じたのは、明ちゃんも同じです。今スレイマンさん自身は西岸に旅行に行っており、代わりにうちのスタッフ、ラーエッドがスレイマンさん役をやりました。最初からスレイマンさんは「演ずることは無理無理!」と言っていたので、彼になりきってラーエッドが頑張りました。

 昨日のお百姓さん役、ヤシーンもそうですが、パレスチナ人は本当にいい表情を持っていると思います。

 実は撮影中も、屋根からぱらぱらと瓦礫のかけらが落ちてくる状況。おそらく外壁が日光で暖まって崩れてきているのだと思いますが、もっとしっかりした補強は大切かも知れません。

 なんとか午前中に撮り上げましたが、全シーンで50に近く、一番頑張ったと思います。

 残すはシーン番号12。砂の丘で不思議な老人と出逢うシーン。いよいよクライマックスに近づいていきます。

 でも撮り残し、撮り直しもあるので、なかなか終われません~ン。

桑山紀彦

撮影4日目」への3件のフィードバック

  1. 暑いなか、厳しい環境の中で、みなさん頑張ってありますね。
    『ふしぎな石~ガザ編』
    モハマッドさんの来日、を日本で心待ちにしています。
    今日の満月に祈りをこめて***みなさん、お体に気をつけて

  2. 空爆が止まないなかで、みんなの表情が明るいのが印象的です。
    くじけていない笑顔にしか見えません。

  3. 暑さ、空爆と、厳しい状況下で、皆さんが、頑張っていて、私も、勇気が出ます。
    日本も暑く、今日、岐阜県多治見市で、38℃でした。
    お身体、気を付けてください(*^.^*)

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