台本読み合わせも3日目になりました。
今日は、立ち稽古です。
実際のその場面に近い「動き」をつけて練習を繰り返します。
この「映画制作」が、演劇と違うことは、やはり「アクション」(アラビア語でエブッタ)と「カット」(アラビア語でワッゲフ)があることでしょう。子どもたち、大人の出演者もみんな演劇の経験は豊富にありますが、この短い「始まりと終わり」の演技と、最初と最後に3秒という「留め」の時間が入ることなど、とても新鮮なようで、みんなラマダンの真っ最中で一切の食べ物飲み物が許されないにもかかわらず、笑顔で着いてきてくれます。
もちろん、子どもたちも断食中ですからかなりの無理と我慢を押して取り組んでくれています。とにかく我慢強い子どもたちです。
加えて今日もまた実際の撮影現場を舞台にした練習を重ねてきました。
まずはジャーナリストを目指す大学生、モハマッドとのシーン。部屋の中の撮影でも立ち位置が決まっていきました。
そしてラストシーン、砂の丘で謎の老人と出会うシーン。
もう最初から「白のダルウィーッシュ(=Darwish in White)」が「謎の老人」になりきっていてみんなで大爆笑です。推定年齢65歳。しかしこれであのアラブの民族衣装を着て出てきたらもう完璧な「魔法使い」でしょう。おなかの出具合もまさに「俳優並み」です。
しかしここは国境地帯。すぐ向こうにはエジプト国境の検問所と監視塔が見えます。ヘタな動きは出来ません。緊張しながらもみんなで練習に臨みました。
少女たちの写真、左からフェダー。途中参加なのでまだまだ練習が必要ですが両親を亡くしており、何かを抱えている感じだけれど、やる気があります。
その横がナガム。小柄だけど、やる気と体力には自信があります。先の戦争で自宅が破壊されましたが、「地球のステージ」の支援で修復しました。かなりのセリフを覚えています。
そしてファラッハ。今日の出来は最高でした。既にかなりのセリフを覚えており、今日は身振り手振りも加わり1日でこんなに変わるのかと明ちゃんもびっくりしていました。今回の主人公です。
そしてイスラーム。ちょっとおとぼけっぽいところがあるけれど、みんなと仲良く、そして楽しみながら着いてきてくれています。
ちなみにみんな10歳です。
それぞれがそれぞれの個性を出しながら、この映画でどう成長していくのか、みんなで見守っていきたいと思います。
大切なことは、子どもたちを支えること。もちろんいい映画を創りたい気持ちに変わりはありませんが、これは「心のケア」の一つの取り組みです。演ずるものも、創るものも、見るものも、みんなが「やって良かった、創って良かった、見て良かった」といってもらえるようなものにすることが、最大の目的です。
明日は桑山が加わる形では最終の練習です。
毎日の変化が、励みになっています。さすがに最低限の水分はとっていますがラマダンですから、もちろん日中に食事はとっていません。郷に入れば郷に従う。でも異教徒である僕たちに、優しい彼らは断食を求めたりはしません。でも同じ活動の仲間として必要と思われる「我慢」を共有することも大切だと考えています。
辛いけれど、なんと頑張り甲斐のある日々でしょうか。
桑山紀彦
厳しい環境の中でも、求めるものにまっすぐ向き合っているとき、心は元気ですね…
1人1人にとって、いろいろなタイミングでの出会いは貴重で大きな意味をもつことでしょう。
大好きな『マゼンタ色の想い』を送ります。大きな力をもらっています。ありがとうございます☆彡
それから…
私自身、「ねえ!聞いて聞いて!見て見て!!」の伝えたがりですが、
子ども達の『話す』『書く』『描く』『歌う』『踊る』…などの表現を観たり聴いたりする時間が大好きです。
日常生活のコミュニケーションの中でも、言葉だけでなく、表情、しぐさ、その人が醸し出す空気…(喜びも悲しみも)それを感じ、受け取れることは幸せです。
言葉は違うかもしれませんが、とても楽しみにしています。『ふしぎな石』☆彡
みなさん、お気をつけて。ありがとうございます。
写真の印象では日中は暑そうですが、ラマダン中の活動は結構きつそうですね。体調管理だけはしっかりしてください。