自主企画公演をやる。
それはとても勇気のいることだと思います。まずどこからか資金が涌いてくるわけではありません。自分たちでそれを工面しなければなりません。もちろん入場料でまかなえればそれに越したことはないのですが、「地球のステージ」の知名度では、1000円~2000円くらいが限界。これまで最高で3900円という額を設定して完売した大阪の実行委員会の皆さんがいましたが、非常に例外であり、やはり1000円くらいが誘いやすい額ということになります。
次に心配なのは、仲間がちゃんと集まってくれるかどうかと言うこと。
一人で出来るわけじゃありません。たくさんの仲間がいて、初めて出来ることですからそんな仲間とのつながりが維持できるかも大きな悩みの部分です。
しかし、北海道、千歳市の実行委員会はそれらを見事にクリアしていました。
実行委員長は安達智子さん。
青年海外協力隊、タンザニア隊のOVです。今年で2年目。「地球のステージ2」の開催となりました。
安達さんは一つ一つの企業を自らの足で回り、コツコツと企業協賛を集めてきました。そして仲間とのつながりを大切にしてきました。そんな公演方法は京都府舞鶴市の実行委員会の長、橋本希久子さんにとても似ていると思いました。そういえばこの安達さんは今でこそ、北海道で獣医師をしていますが、もともとは京都府綾部の生まれ。今はご両親とも京都市内に暮らしています。
そういえば希久子さんのご主人も獣医師だし、安達さんも獣医師。なんだかつながりのある話しです。安達さんは来年の舞鶴公演にご両親を連れて参加したいと言っておられました。希久子さんと非常に話が合うのではないか、と思います。
さて、今日の公演、ふたを開けてみれば中ホールがほぼ満席となる人の入り。しかも子どもから大人まであらゆる年齢その人が集まってくださっています。何より若い人たちが多いのにびっくりしました。実は千歳市は北海道一平均年齢が若い町だとのこと。そんな傾向も現れて、熱気に包まれていました。
今日は初公開となる北海道の空撮映像をふんだんに入れた「故郷篇2~北海道版」の初公開でしたが、なぜか自分でつくった映像なのに「阿寒地方」のテロップととに滑空する美しい映像を見て、自分が涙ぐんでしまいました。
「ほっかいど~~!」
という感じでした。
終わって安達さんがあいさつに立たれました。
もう最初から涙声です。それもそのはず。昨年の2倍の人の入りと、実行委員会の広がりにより役割分担が出来て、本番の今日はほとんどすることもなく、落ち着いたいられたとのこと。それだけで感極まっていらっしゃいました。そして何より、
「あ~、終わっちゃった~」
という気持ちの中の空洞感もまた持ち合わせていらっしゃったでしょう。
実行委員会はそれこそありとあらゆる”つて”でつながった有機的な人々。安達さんが習っているピアノ教室、通っているヨガ教室、行きつけの飲み屋「桑の穴」、協力隊のOV仲間。本当に日々の生活の中でつながっている人全てに声をかけてきたという感じでした。
だからこそすごいと思うのは、その人々のつながりの中で完全に安達さんという人は信頼され、愛されていると言うことです。
「この人に頼まれたら断れない。」
「この人のためなら何かしてあげたい。」
そう思わせてしまう魅力が安達さんにはあります。だからみんな無償の気持ちで安達さんに協力していくんですね。すばらしいことです。
二次会の懇親会は安達さんのピアノ教室、真佐子先生のレストランで開かれましたが、ピアニストの真佐子さんと義理の兄が奏でる音楽の力にも圧倒されました。
「豊かな街だ」
そう思いました。自分の住む街に根を下ろし、誇らしく生きていく。価値あることは人のつながり、無償のものとよく理解していらっしゃる。千歳とはすごい街だと思いました。人口は約9万人。ちょうどいいサイズのこの街で、人はつながり明日を考えています。
これからも、長い付き合いが出来るといいなあ、と思いました。
まずは来年「地球のステージ3」で逢いましょう、とみんなと固い約束をして別れました。
北海道。雄大な自然と美味しい食べ物。優しく、勇気のある人々。最高の出逢いと共に2年目の公演が終わっていきました。
火曜日からガザ地区です。
映画「ふしぎな石~ガザの空」のロケハンと台本の読み合わせです。厳しいラマダン(断食月)の中をどう活動してかえってこられるのか、毎日のレポートをお楽しみに!
桑山紀彦
価値が理解されて受け入れる人々がいる。
素晴らしいことですが、それは地球のステージが素晴らしいものだという証明です。
うれしい限りです。
人のつながりの強さを感じ、読んでいて、元気が湧いてきました(*^.^*)
そんなつながりが持てる、地球のステージって、桑山さんって、素晴らしいですね。
ガザ。お気を付けて。
レポート、楽しみにしてます♪