始まったサッカーinガザ地区

いよいよサッカー大会が始まりました。
 ラファには強豪がそろっています。何せ全パレスチナ代表チームのほとんどをこのラファの町が出しているというからすごい。パレスチナ全域でもっとも危険と言われてきたラファだからこそ人々は強くなるのでしょうか・・・。
 今日は23歳以下のもっともスピードのある成人チームの試合です。もう全身筋肉という感じの若者がこの封鎖されたラファの町でストレスをためまくっているわけです。それがこのサッカーというスポーツで発散されるとなったら、一体どのくらいのエネルギーはがはじけるのでしょうか、そんな彼らにサッカーのルールというやつをたたき込んでやろう!と誓い、この日のためにヒゲを伸ばしてきた桑山でした。
サッカー審判
審判員の正装でガザを仕切る???
 しかし居並ぶパレスチナ人のヒゲはもうカストロ並で、僕のヒゲなど幼稚園児以下の扱いです。しかしちゃんと日本でも審判の資格を取っている桑山なのだから、ここは目にもの見せてやろうと、いざ試合の主審を買って出たのです。
 いや~そのラフプレイの激しいこと。
 ファウルをとれば、必ずとられた方が文句をいってくる。ちょっとでも見落としがあるとがんがん観客からやじが飛ぶ。すさまじい嵐のような試合です。そんな中、明らかにオフサイド・プレーが!この反則をばっちり決めて日本人審判の威信を示そうと張り切ったのです。すると、ダルウイーッシュが飛んでくるんです。
 「ケイ、何やってんだ、パレスチナではオフサイドはないんだよ」
 「うっそ~、もうとっちゃったよ」 
 「早く試合を戻せ、でないと暴動が起きるぞ」
 「わかった」
 何事もなかったように試合を続行したのですが、オフサイドがないとは。う~ん、やっぱりルールはその国らしいものになっているんだ、と改めて知りました。
 そしてようやく20分ハーフで試合終了。緊張の連続でした。
 でも、多くのパレスチナの血気盛んな若者がこうしてサッカーに燃え、負けると悔しがりますが、決して暴動などが起きる感じもなく、静かにコートを去っていきます。
 そんな姿を見ていると、やっぱりこの紛争地や経済封鎖されて煮詰まっている地において、サッカーなどのスポーツは非常に重要だと感じました。
 結局ラファ市の6つのクラブチームが総当たり戦で戦うため、決勝戦は7月2日までずれこんで、全15試合が行われます。
 この試合のすべての経費は「地球のステージ」が持っています。
 結構な開催費用ですが、そうしてストレスをマネージメントしていってもらえたら嬉しいし、そこに「日本人の姿」としてアホな采配ではありましたが、主審の正装に身を包んだ桑山が関わったことにも多少の意味はあるかと思いました。
 さて、日曜日は午前中少年サッカーチームの試合と、夕方にはこの名付けて「Smile for Hope(希望への微笑み)」サッカー大会の3日目が始まります。

始まったサッカーinガザ地区」への2件のフィードバック

  1. え、桑山さん審判の資格取っていたんですか?
    あの超過密に思えるスケジュールの中で、どこにそんな時間が・・・??
    と思いますが、時間は作るものなのでしょうね、きっと。
    ここにも桑山さんの信念が伺えます。
    血気まさる選手相手に審判もハードな仕事でしょうが、頑張ってください。
    もちろん、明ちゃんも・・・ねっ!!

  2. わずか一泊のベトナムカラの高校生のホームステイの受け入れであたふたしている間に、くわやまさんとあきちゃんは強運を発揮して、大サッカー大会を実施されてたんですね。
    素晴らしい?お髭の威厳は発揮されましたでしょうか??
    我が家に来てくれたベトナムの高校生に出逢って、
    大きな戦争から復興している歴史を持つ国から来た彼らの
    未来に希望が溢れていることを祈らずにはいられませんでした。
    地球のステージがくわやまさんたちの想いと経費をかけてでも、
    パレスチナの若者たちにサッカーなどスポーツをすることによって体験できたエネルギー溢れる時間を想像して感動で胸がいっぱいになりました。
    くわやまさんたちは世界中で物心両面の応援を、私たち
    応援団は、日本で、地元でできる国際理解活動を。
    実践しながら架け橋を感じさせていただけて感謝でいっぱいです。
    また感動のお土産話を楽しみにお待ちしています。

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