今日は某県の某国際交流協会主催のステージでした。
この県は大好きな県で、特に我らが弾丸(だんまる)赤木さんの出身県ですから、最初から気合いが入り、楽しみにしていました。
交流協会の女性陣がとにかくこの「地球のステージ」を呼びたくて、ずっと前から企画に出しては修正され、また企画に出してようやく実現した、気持ちのこもったものでした。
赤木さんの同級生や後輩の皆さんがスタッフですから赤木さんも前日入りして気持ちを高めていた、そんなステージでした。
しかし行ってみると賑やかな会場の様子はいいのですが、ステージ会場の後ろでは売店のブースが立ち並び、その前には食事用のテーブルが並んでいます。そう、つまり会場の半分はステージの観覧用。あと半分は売店ブースと食事場になっているのです。
「大丈夫かな…。」
とは思いましたが、主催者サイドが、
「始まったら扉は閉めますので。」
といったので、それを信じることし、ステージが始まりました。
「食事をしている人がいるので、真っ暗にはできないんですが。」
という主催者サイドの意見を受け入れ、30%程の明かりの中で始めましたが、とにかくざわつき、笑い声、物音が絶えません。
「まあ、仕方ない。そういうイベントに呼ばれたのだし、ブースを出している人たちもそれが仕事なのだから、やるしかないのだろう。」
と理解を示しつつ、ステージはどんどん進んでいきます。
落ち着かない学校であっても、ロエナスのお話や、腕の中で死んでいったソマリアの子どもたちの話しをするとそこは静かになります。どんなに騒がしくても、聴いていれば静かになるポイントなのですが、そこでも静かになりません。
時に大きな笑い声まで聞こえてきます。ここは笑うところではなく、ちゃんと伝えなければならないところです。
つまり、売店ブースは同じ会場にいてもステージのことはお構いなし、「関係ない」という姿勢で仕事を黙々とやっているわけです。いや時には、
「俺たちだって、これが役割でやってんだ。おまえのステージなんか関係ない。」
という敵意も感じるくらいの大声です。
それでも、一切文句も言わずソマリアの語りをしました。それは、売店ブースの人々にも彼らなりの「正義」があり「役割」があると思ったからです。
この異なる二つの正義、「ステージを静かに聞いてほしい」という正義と「わいわいがやがやとものを売りたい」という正義は、この一つの会場の中では同時に成立しないものなのです。それをガチンコで一つの会場に押し込めたのは、明らかに主催者サイドのミスであり、配慮不足なのです。
ステージ側も、売店ブース側もある意味被害者であり、僕が壇上から、
「後ろ、静かにしてください。」
と言ったら彼らはモノが売れなくて大変なのです。
だから震災篇までずっと我慢していました。手前の観客の皆さんは本当によく聴いてくれています。今日は山藤さんも川上さんも島根から駆けつけてきてくれています。
そしてあかりちゃんの映像にかけました。あのすさまじい津波の映像を見れば、どんなに「関係ない」と思っている人でも、このステージの意味を理解して静かになってくれるだろうと。
しかし・・・。
津波の映像が終わっても、一向に静かにならず、後ろのブースはみんな勝手に話しているのです。観客席からあきらめに近い笑いがでていました。そして意を決して伝えました。
「後ろの皆さん。みなさんは皆さんの仕事をしている。それは皆さんにとっては正義でしょう。しかし私にも正義がある。2万人近い同胞が亡くなったこの津波の話をしていても、関係ないことをしゃべっている人たちが同じ会場の中にいることは耐えられない。亡くなった人たちや、生き残って必死に頑張っている友人たちに申し訳が立たない。
しかし、あなたたちにもするべき役割がある。それを止めろとは言えない。だからこんな状況を作り出した主催者の人々が気づくことを願います。」
そしてようやく静かになりました。
それでも、後半に未だ関係のない話している人がいるのにはびっくりしましたが。
こういう国際理解系のイベントは、「オレはオレ、オレのやりたいことをやる。おまえは何者だ?」という身勝手な人も結構いますので、自分のイベントブースはしっかりやっても、同じように頑張っている他のブースには一切興味持たない人もいます。残念なイベントでした。
終わって山藤さん、川上さんご夫妻、赤木さんとココスでお茶していました。
「オレ、よっぽど立ち上がって文句言いにいこうかと思ったよ~」
山藤さんも、川上さんも口をそろえていってくださいました。よかった~、我が友人に嫌な思いさせなくて済んで。
赤木さんも言いました。
「物販の場所に来て何人もの知り合いに謝られたよ。どうかこんなことで、うちの県を嫌いにならないでね。」
大丈夫。全然嫌いになったりしません。
これからも赤木さん中心でこの地域にステージが広がっていきますように。
エキサイティングな1日でした。
桑山紀彦
追記
後藤健二さんを応援するために「I AM KENJI」をFBで広めていきたいと思います。
出入り自由なステージって 頻繁に出たり入ったりするのにイラつく事がありますが、弁解させていただくと、ステージを全く知らずに入られた方も沢山いらっしゃいましたが、でていかれる方はほとんどいらっしゃいませんでした。山口大好きな私ですが、一瞬、生粋の八王子市民になっちゃいましたが、う~ん…やっぱり、色々な催しが混在するとき、講演は独立したスペースがいいなと確信した赤木です!!
あんな会場だったおかげで、初めて地球のステージを知った山口県民がたくさん増えたんです。津波のことは忘れていい、津波で学んだことは忘れないって桑山さんも言ってるじゃないですか。あの会場のことは忘れましょう!そしてそれで学んだことを生かしましょう!
私の前の席にお父さんと一緒に座っていた女の子、小学低学年くらいだったでしょうか、ずっと黙って観ていました。後ろの小さな女の子も。
後から入って来られてプロジェクターの前を横切ってしまったおばあちゃんも、耳がご不自由の様でしたが涙を拭きながら観ておられました。
開催側には反省してもらいたいですが、心に響く何かをもらった方はきっと大勢おられたでしょう。
私も、いつものところで、いつものように涙しました。
ありがとうございました。
ちょっと信じられない光景ですが、主催者はステージの内容を知らなかったのでは???
でなければ考えれれないミスです。
でも食事だけ目的の人が居たはずだから、直接抗議しないで良かったと思います。
拉致事件~絶望感が強く、何をすればよいのでしょう?
遅くなりましたが明けましておめでとうございます。
桑山さんお疲れさまでした。
私もそのような中でのステージは
大変だと思います。
ですが、桑山さんの地球のステージはとても、素晴らしいものだと
私は思います。
私も応援しているので、頑張ってください!!
ありがとうございました。
くわやまさん。お疲れさまでした。国際交流の五年に一度の大イベントだと、山口のお友達に教えてもらって、
出入り自由の企画なので、お友だちのブース(公演会場でなかった方のホール)の学生さんや、フェアトレードの話で繋がった、フェアトレードのブースのかたが、初めてのステージを見に行ってくれ、感動しましたと口々に言ってくださいました。わたしは今回はステージを見に行ってる学生さんのかわりに東ティモールとケニアとパレスチナの応援ブースのお店番を買ってでたので、ステージは見れませんでしたがまたの機会をたのしみにしています。