心待ちにしていたガザに、音楽ワークショップ専門家 石橋優子と10月15日に入り、10月19日より音楽ワークショップが始まりました。これから5週間のプログラムが実施されます。
ガザ地区での活動は国境近くに住み心理的負担を抱えやすい子どもたちを対象にしたクラス、聴覚障がいというハンディキャップを持つ子どもたちを対象にしたクラスがあります。それぞれ3クラスずつ、週に1回、90分のワークショップを行っています。
東日本大震災後に行われた心理社会的ケア「スカイルーム」の名取市の子どもたちは、津波に向き合い歌を作りました。
ガザのワークショップでは、「どんな困難をテーマにして歌を作るか」を考えるところから始めました。
(音楽ワークショップの様子)
「みんなが直面している大変なことはどんなこと?」
電気が不足している
水が不足している
家族や友達との喧嘩
遊ぶ場所が少ない
学校が少ない、教科書が古い
病院が少ない、薬がない
このような日常の困難を話していくうちに、少しずつ根本の原因にも触れていきました。
戦争が起こる
自由がない(自由に旅行ができない)
イスラエルに包囲・占領されている
聴覚障がいを持つ子どもたちからまず出てきたことは、上記とは違いました。
学校のカリキュラムが聴覚障がいのために作られていない
大学に行きたくても、聴覚障がいのための大学はない
家族やまわりの人が自分のことを理解してくれない
そして、健常クラスと同じような問題も次第に出てきました。
聴覚障がいを持った子どもたちも内に秘めたたくさんの思いを、このワークショップを通して語ってくれます。
(手話を使って思いを伝える子どもたち)
6つのグループが歌作りに選んだテーマは3種類にわかれました。
・電気が不足している
・イスラエルに包囲・占領されている
・学校のカリキュラムがよくない
このワークショップで大切なことは、トラウマとなるようなトゲが何であるかを探ることです。そしてそのトゲに向き合い、表現する。歌詞作りのために、このテーマにそってキーワードを紡ぎ出しました。
どんな困難があり、どの様に感じ、どんな風に解決していきたいか。
子どもたちが紡ぎ出した歌詞は、また後日ご報告します。
樫尾絵梨(海外事業担当)
今回は3週間という長期にわたって、「地球のステージ」の音楽担当、石橋優子と海外事業担当、樫尾絵梨が現地に入りました。これまでの海外事業はある意味常に「桑山ありき」の活動が中心でしたが、今回は桑山が「見守る」体制で現地には入らず、この二人に任せる形で活動を進めることができています。
これは実はとても大切なことで、いつもいつも桑山が中心にいて進めるのではなく、いろんな人が関わって事業が進んでいくという本来の姿に戻れているという証です。
二人でいろいろと不安もあったでしょうけれど、この長期の現場入りを乗り切り、スタッフと会話し、同じ時間を過ごしていることを誇りに思います。
「地球のステージ」の海外事業は、こうして大きくなっていくのだと感じることができる、そんな日々でした。
ドクトルKが日本に居るので???と思っていましたが、こういう試みでしたか。納得です。
地球のステージのスタッフは皆さん強いですね!
生半可な気持ちでなくきっとゆるぎない目標を持っている様に見えます。