今日は閖上を舞台に震災ワークショップでした。
これは元横浜市立篠原中学校の教諭、熊切先生が現在文部科学省に出向されていますが、熊ちゃんからお誘いを受けて開始した、「学び場つくり」「被災地から命を学ぶ」を目的にしたワークショップです。
今日は仙台市立西山中学校の1年生が閖上に来ました。
まず最初に丹野さんと長沼さんの「案内ガイド」があり、その後「失われた時を求めて」に参加しました。
桑山はずっと撮影をしていたのですが、時折生徒さんに関わらせてもらいながら真っ赤に日焼けしました。
今日はいい天気だったのです。
さて、この「失われた時を求めて」のワークショップは「時のカプセル」を見つけるものですが、閖上の街を直に歩くことによって、ただ見るだけではわからないものを感じてもらうためのものです。
時のカプセルには多くの人生が刻まれています。
ともすれば、「他人事」になってしまいがちな津波のお話。
「大変だったろうなあ」
という想いはあっても、それ以上に気持ちが入り込むかどうかは難しいところです。特に高校生~大学生くらいになると感じからも深く多様ですが、小学生~中学生の場合は、どうしても表面的になりがちです。そして「やらされている感」というものがでてしまいます。
一緒に歩いていると、
「だるい~」「早く終わりたい~」
と言う声が聞こえてきたり、時のカプセルの中に書いてある被災者の物語が長いと、
「もういいよ、短く読んでよ。」
などの声が聞こえたりもします。
しかしここで大切なことは、中学生という存在は、決して見た目や表面的な態度だけで判断してはならないと言うことです。
表面的にやる気がなさそうに見えても、一見ダルそうに見えても、それは往々にして「ポーズ」だったりするのです。
グループ6,7人で取り組むものですから、まじめにひたすら取り組んでしまうとかえって「かっこ悪い」、逆に「恥ずかしい」という気持ちが出てきて、ちょっとやる気がなさそうに見えた方が、他の生徒の中では「生き易い」時があります。
だから、だらだら歩いていたとしても、実はいろいろと感じているものだったりします。
その証拠に、閖上中学校に戻ってきて、みんな振り返りのための記入を始めると実にまじめ。そして後でそれを読み返してみると、
「なんだ、こんなこと考えてたのか~」
「すごい立派な文章だ~」
と言うことがほとんどです。だから中学生という存在はあなどれない。
今日も立派な感想と、振り返りの言葉の群れが集まり、またまた立派なワークショップとなりました。
校長先生の三浦先生はずっと女川を支援してきた熱い先生です。これからも、こういった「被災地から学ぶ」という機会が多くの学校に提供できるといいなあ、とみんなで話し合いました。
それにしても午後になると閖上は涼しい風が吹いて、
「夏の午後はエアコンいらずだったよ。」
と丹野さんが強調する意味がわかりました。心地よい海からの風に乗って、西山中学校の生徒さんは帰っていきました。
いい感じの4年目がこうして被災地の真ん中で過ぎています。
桑山紀彦
子供と大人のの境目で難しい時期に居る中学生の心理を巧妙にとらえてうまく対応されていますね。
参加した生徒さんは何かを持って帰ったかなあ~。
以前例会でお世話になった豊田おやこ劇場のチョロです
先々月仙台で学生時代の混声サークルの同期会があり
早めに仙台についた私は仙台在住の幹事さんに案内されて
閖上地区へレンタカーを飛ばしました
見渡す限り何もない平地のようになってしまった地域
よく見るとあちこちに家の基礎が残っています
新しく建立された大きなお地蔵さんも見えました
仙台在住の彼は県の土木のお仕事をしていて
道路は知り尽くしているはずなのに
建物も目印もなくなって道がわからなくなってしまったそうです
余りにも被害の大きさと
海岸からあんなに遠いのに津波がやってきたのを見ての驚きと
テレビなどの報道では計り知れない被害の大きさを
目の当たりにして
年に一度の寄付しかしていない自分たちのことを
反省しながらの同期会でした
その日はバラライカという歌声喫茶にも出かけ
津波に会って九死に一生を得たという方にもお話を伺い
今生きてこうして一緒に歌える幸せをかみしめて
名古屋へ戻りました
震災の傷跡はまだまだ深いですね
私たちのできる支援は何なのかを
今一度考えなくてはと思っています