心のケアを続けること

  東日本大震災から1年半。心のケアの実践として、映画撮影ワークショップの様子がテレビで紹介されました。夕方の県内ニュースだったので多くの方にご覧いただけなかったのは残念ですが、子どもたちの素直な姿がそこにはありました。

 遠くに見えた不思議な光をたどり、被災地をめぐる子どもたち。

 その日はののかさんの家の辺りに見えた光を探すロケでした。津波に襲われ、おばあちゃんと2階に駆け上り難を逃れたののかさん。津波の怖さ故、家があったところは「あまり近づきたくない場所」になってしまいました。

 スカイルームの活動で取り組んだジオラマ制作や被災地バスツアーを通して、少しずつ震災に向き合い、辛かったことやそれまでの思い出を共有してきた子どもたち。最初は怖さや不安が先行していたようですが、形にしたり言葉にしたりすることで、少しづつ距離を縮めて来ました。ののかさんも今ではちゃんと自分の家があった場所に行き、震災のときのことを友だちに伝えることができます。そして、震災前の自宅での思い出をたくさん話してくれます。

 そんなののかさんの姿を見て、

 「故郷なのにそこに足が向けられないよりも、ちゃんと津波と向き合い怖さを乗り越えられたのはうれしい」とののかさんのお母さんは話してくれました。

 この世に行けないところがあっていいはずがない。桑山さんはいつもそう言います。被災したわが町へ出かけることをためらう人たちに、スカイルームの子どもたちの姿はどう映るのでしょうか。

 暮らして来た街を大切に思える子どもたちに、復興後の本当の街づくりを担ってほしいと願いながら、今日も被災地へ出かけて行きます。


石橋優子

心のケアを続けること」への6件のフィードバック

  1. 怖さを体験したが故に背を向けたくなる気持ち・・・・。
    常識的には解っているつもりでも、気持ちの何処かで他人事に思ってしまう自分がいます。
    なので、実際に心の傷に寄りそうスタッフ皆さんの誠意と、苦しさを乗り越えて立ち上がろうとしている人々の気力に、拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。

  2. 優子ちゃん お久しぶりです。
    ブログ上ですが、優子ちゃんに会えて うれしいです。
    スタッフ皆さんの 力で 子どもたちの こころが 開放されていく姿が 読み取れうれしいです。
    想像を絶する痛手を ゆっくりゆっくり乗り越えていって 欲しいです。子どもも大人も・・・
    アエラ 知り合いの本屋さんに電話して お取り置き。
    早速買って読みました。
    皆さんが 騒ぐので どんな写真?と 思いましたが、変とは思いませんでした。何でかな?何度も何度も 地球のステージ見ているからか、文章も すーっと 入ってきました。
    アエラ持って 友人たち巡りしますね。

  3. 長い月日をかけて
    スカイルームの子どもたちの心に寄り添っている優子さんを
    はじめスタッフの皆さんへ
    これからも近況を報告して下さい。
    いつもブログの中で応援しています。

  4. アエラ読みました。
    自分若い時の弱さを、わざわざ全国に発表するなんて事はなかなか出来るもんじゃないと思いますよ。
    人間はひとつやふたつ欠点がある方が魅力が有るように思います。
    子供達だって聖人君主が国際支援をやっているより自分と同じ親しみのある人が支援をしている姿を見て感化される様に思います。
    自分はたいした人間じゃないですよ。
    冗談を交えて発表しようと思いましたが長くなるのでそのうちそんな話でもりあがったらにします。

  5. 優子ちゃんも震災ではたくさん怖い思いをしているのに、支える側に
    立っていて、いつもすごいなあと思っています。
    テレビニュースを見れなくて残念でしたが、
    映画ができるのを楽しみにしています。

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