木曜日のスカイルームでの出来事です。
いよいよ第4作目「飛行機のおなか」には、ラストシーンでみんなが一緒にお祈りをし、その願い事がみんな一緒だったら願いが叶うというクライマックスがあります。果たして、そのみんなが一緒にお祈りした言葉をどうするのか、それはこの作品のかなめになるところです。
みんなと話していました。
文化会館チームのメンバーの中心になっているのが、5年生の桃花さん、里咲さん、冬馬くんです。まずドクトルが問いかけました。
「さてみんな。このラストシーンのみんなで一緒のことを願ったという劇的なシーンの、その“願い”をどうしようか。」
「そうだな~。“子どもだけの世界になる”ってのがいいな。」
「わたしは“自由がほしい”がいいな。」
「“どこでもドアがほしい”ってのはどう?」
みんなどうも芯がぶれているように思えて、
「ねえ、ここはやっぱり閖上、津波、復興がキーワードでしょう。」
というと、いっせいに、
「え~、ぜったい嫌だ~!」
と来ました。
「え?なんで津波とか、そのあとの復興とか、願いにならないの?」
「津波はな~。嫌だなあ。」
「でもそれって、結局津波にとらわれているってことになるんじゃないの?思い切って、津波と復興のことって願いにできないの?」
「う~ん。わたしは“閖上”はいいな。入れたい。」
と里咲さん。
「わかった。じゃあ、“閖上”と、例えば“復興”?」
「嫌だ!」
と桃花さん。
「なんで?」
「だってね、どこも全然復興してないのに、大人はいつも子どもに“復興”って言わせたいんだよ。そんなの私たちの本当の言葉じゃない。そんなのみんなの願いじゃないよ。」
圧倒されました。
「そうだな桃花さん。それは本当の気持ちだな。わかった。とってもよく理解できた。“復興”はやめよう。」
「だって、今の閖上に行ったってなんにも無いんだよ。それなのに“復興”なんて、わたしはいいたくないんだ。」
5年生の立派な主張でした。
「じゃあ、“閖上”の後にどんな願いの言葉をつけようか。」
「そうだな。“再開”がいいかな。」
と冬馬君。
「え~、なんか難しいよ。子どもの言葉じゃないと思う。」
と里咲さん。
「じゃあ、閖上の人がもう一回出逢うってことを、なんて表現するといい?」
「う~ん、”閖上が再び開かれますように”かな・・・。」
と里咲さん。
「長いよそれ。」
と冬馬君。
「どうしようか・・・。」
みんなで考えていました。すると突然冬馬君が、
「”閖上のドアを開こう!”がいいんじゃね?」
一瞬みんながし~んとしました。
「それいい、それそれ、それにしよう!」
と桃花さん。
多数決を取ると全員一致で願い事は、
「閖上のドアを開こう」
になりました。早速ロケ地へ向かいみんなで叫び、
「合ったね~。やった~!」
というシーンまで取ってクランクアップの寸前まで撮影が進みました。
このやりとりで学んだこと。それは、子どもたちはしっかりと見ているということ。大人たちがあれこれと意見をぶつけてまとまらず、結局なんの方向性も出せないで復興が遅れていることを子どもたちはちゃんと見ているということ。
そして「大人には期待できない」と残念に思っている一方で、その大人たちに、
「復興」の言葉を無理矢理語らせられていることへの憤りがきちんと伝わってきました。
だから、無理矢理
「閖上復興!」
などという言葉で「大人が」まとめてしまわなくて、本当に良かったと思いました。そしてその既に飛び出してきた、
「閖上のドアを開こう。」
という願いの中には、閉じてしまった「閖上」への道筋を創り、もう一回閖上の人が閖上人としてつながり合うことの大切さが訴えられていると思いました。
恐るべし小学生。
こうして文化会館チームは子どもたちの本音を得ることができ、それが映画のクライマックスシーンになっていったのです。
夕陽の中、仙台空港のロケーション風景
桑山紀彦
ほんとうに 子どもたちは 現実を しっかりと 見ているんですね。
素晴らしいですね。
私たち おとなは 子どもたち が、安心して住める世の中を 創らなくては いけないんですよね。
ハードな面も ソフトな面も共に・・・
大人、ガンバロー!
「閖上のドアを開こう」
いい言葉が見つかりましたね。
この映画作りが心のケアとして行われていることを再認識しました。
桑山さんが根気強く丁寧に関わってっくださっていることに感謝しています。
5日(日)の岐阜県揖斐郡池田町で「地球のステージ」の公演にうかがわせていただきました。大学の夏期休暇で実家に帰ってきていたところ、わたしの町で公演があることを知って驚き、駆けつけました。高校2年の時に初めて「地球のステージ」を見て心動かされ、再び見ることができてうれしかったです。今回は災害特別編ということで、最近少なくなってきてしまった被災地の状況が1年前の様子も今の様子も、すごくよく分かりました。子供たちの心まで、人々は考えられているのかなど、考える事はたくさんありました。ありがとうございました。また「地球のステージ」に会いに行きたいと思います。
どこに感想を送ったらいいか分からず、ブログのコメントに長々と申し訳ありません。
大垣北高校で毎年公演していると聞いてとてもうれしかったです。
桑山さんが初めて北高で公演をしてくださった年の2年5組、翠雅司先生の生徒より。
これからもお身体に気をつけて、ご活躍ください。
“子どもたちの本音”は、胸にズシ~ンときました。
子どもの本音を引き出すことができるのは、大人の関わり方によるのでしょうね。
桑山さんは流石だと、いつも思ってしまいます。
8月5日にお越しいただきありがとうございました。
池田町在住の高橋と申します。
小川さんのおかげで今回初めて「地球のステージ」を拝見することができました。
映像とギターの演奏に涙が止まりませんでした。
海外活動の中でのボランティアの在り方に、
私の中での「ボランティアの位置づけ」がストンと納得・理解できました。
迷っていいんだと、言われた桑山さんの言葉がこれからの指針となりました。
今後は、被災地からの発信を受け止め、また情報交換を大切にしていきたいと思いました。
お父様の事を歌われた曲、よかったです。
小川さんも言っておられましたが、お体に気をつけられて
いつまでも、みんなの先生でいらしてください。
ありがとうございました。
5日の公演、ありがとうございました。
去年から、いつか池田でと思っていたことが実現でき、
本当にうれしく思っています。
ステージを開催するには、クリアしなければならない課題が色々とあり、自分ひとりではできません。
多くの方のご理解とご協力があってこそ実現できました。
関わってくださったすべての方に対して、感謝の気持ちでいっぱいです。
お二人の方に、コメントを入れていただいていたので、うれしくて…
ありがとうございます。
これからも、色々 悩みながら 失敗しながら、
人と人との繋がりを大切にして、前に進んでいきたいと思います。
ブログをお借りして、お礼をさせていただきます。