それぞれの日曜日

 今日はみんながそれぞれの日曜日でした。

 リンリンとケンケンは仙台市内でワークショップの研修会。日曜日であろうと飽くなき探求心で二人は学んでいます。頼もしいスタッフですね。二人が考えていることは、

「どうやって子どもたちの心や気持ちに近づけるか」

 彼らの熱意に感謝しています。

 悠ちゃんと江里ちゃんはなんと仙台市内の八木山動物園と八木山ベニーランド(遊園地)にいきました。ここは仙台周辺の子どもたちの定番お遊びコースです。大人になった二人がまた八木山へ出かけるところがいいですね。考えてみれば悠ちゃんは仙台生まれの仙台育ち、江里ちゃんも仙台生まれの閖上育ち。話は合いますよね。少々年が離れていても姉妹くらいですから、仲良くなりますよね。

 そして僕と明ちゃんは岐阜南法人会のステージでした。

 10月~12月はほとんど日曜日はありません。今日は我が岐阜県、故郷公演でした。南法人会の皆さんとはもう5年もやっていて今年は「地球のステージ5」です。もちろん震災篇が入ります。

 いつも岐阜県公演で震災篇を話すと、あの辛かった最初の1週間、4月7日の2回目の巨大地震の時の落ち込みと辛さの中で、

「もう故郷、岐阜に還りたい」

 とどこかでずっと思っていたことを思い出します。辛くてどうしようもない時、やはり心は故郷や母親の元へ還るんでしょうね。「故郷へ帰りたい」「母親にあいたい」

 いい年をした僕は思っていました。

 でも還れないことも知っていました。この「現場」を離れて還ることはできない。そんな時間があったらやらなきゃいけないことはたくさんあると思い続けていましたから。だから、正式に故郷に帰ったのは8月7日のことでした。被災から5ヶ月が過ぎていました。

 そんな辛い思いが岐阜公演の中では蘇ってきていつも、

「ああ、どれだけ故郷に逃げ帰りたかったか。」

 と思いだして泣けてきます。でもそんな僕を支えてくれていたのが「仲間」でしたね。たくさんの国際協力をしてきた仲間。そしてうちの仲間たち。50畳ホールで雑魚寝しながら、たくさんの人が集い合った「地球のステージ」の事務局が支えでした。

 どんどん時間は過ぎて、震災や津波のことが忘却の中に埋没しはじめているかもしれません。でも少なくともステージをやっているとあの時の想いが蘇ります。そしてそれが会場の中にいる皆さんの想いにつながるといいと思っています。実際、今日大垣北高校の高木先生が渡して下さった大垣北高校の1年生から3年生までの生徒さんの感想文を読みながら、何度も泣いていました。

 「震災篇」を伝えて良かった。そう思うものばかりで純粋で真剣な高校生の感想に眼球の奥から奥から涙がこみ上げてくるのです。

 「地球のステージ」の「震災篇」とその続編の「復興篇」は、月日がたてばたつほど、その上演の意味が出てくると思っています。ぜひ皆さんの近くでも・・・。

桑山紀彦

それぞれの日曜日」への9件のフィードバック

  1. 地球のステージで他の国で起こった事に胸を痛め真剣に自分の出来る事を考えていたつもりだったけど、自分の暮らす日本で起きた震災を目の当たりにした時、とおくの国で起きた事だという思いがあったんだなとおもいました。
    毎日新聞に掲載されて嬉しいけど、また、ごちゃごちゃ言う人がおるんかなぁと、ちょっと不安。
    大阪市長は橋下さんになりましたね。

  2. とことん、つきあおうと思ってます。震災篇も復興篇も、さらにその先も・・・。
    東北と不連続でないことを示すためにも・・・!

  3. 震災以来、ほとんど休み無く動いている紀くん!たまには、家族で温泉にでも浸かって来て下さいよ~。身体も心もたまには休ませてね。

  4. 色々な気持ちがブログから伝わるから想いを共有できます。
    支えあえる仲間の有難さは地球のステージの「ちから」ですよね!  きっと、50畳に温かさが有るからでしょう。
    皆さんそれぞれに、少しでも普通が戻っていることが見てとれ、うれしく思います。

  5.  「船中八策」は、慶応三年(1867年)坂本竜馬が長崎から京都に向かう夕顔丸の船中で考案した、新国家構想である。
     中身はというと、
     1.大政奉還
     2.憲法制定
     3.世の優れた人物の中から人材の登用
     4.上下両院の設置による議会政治
     5.不平等条約の改定
     6.海軍力の増強
     7.新兵を設けて都を守ること
     8.金銀の交換レートの変更
     近代国家日本の姿がこのように描かれていたのである。これを目標として明治維新がなされ、その後幕藩体制は崩壊したのである。
     それでも旧体制に准じる人々は多く存在し、ある人は新撰組となったり、上野の山の彰義隊、会津の白虎隊であったりしたり、函館五稜郭へ立てこもった榎本武揚などもいた。
    このように新体制に抵抗を試みた人もいたのである。
     いつの時代も時の流れにあがらう人々は存在し激しく抵抗をする。その抵抗に屈せず我が道を進む人もいる。
     大阪維新の会が坂本竜馬かどうかは分からないが、大阪市長選挙で大阪都構想を掲げる橋下新市長が当選し、府知事選では同会の松井新府知事が当選した。いま大阪に新しい政治制度が生まれようとしている。大阪市と大阪府を一体化し、大阪都としようとする試みは近隣の和歌山に在住するわたしとしては納得できる試みである。というのは大阪は広くはないのである。
     和歌山から大阪に向かうと、大阪に着いたとたん大阪市が大阪府のような感慨を持つ。兵庫県の神戸市、京都府の京都市とはあきらかに違うのである。つまり大阪には郡部が存在しないように思えるのである。ゆえに二重行政が存在することが納得できる。
     橋本市政や松井府政が今後どのように展開するか見守っていく必要があるが、今回の大阪維新の会の圧勝は納得できるとボクは思っている。
      和歌山   なかお

  6. ステージを見る皆さんのそれぞれの想いが今一度、
    震災の時に戻って心を寄せあえますように。
    桑山さんのメッセージが全国に広がりますように。
    明ちゃんも優子ちゃんも休みなしなんでしょうね。
    どうぞ体を労わってくださいね。

  7. それぞれの日曜日。
    閖上の方たちが、日曜のお休みを取れることは嬉しいですね。
    以前、書き込みをされていたR.Sさんのご主人も、
    お休みを取れるようになっていると良いのですが・・・。
    どんなに忙しくても、1週間に一日のお休みが取れれば、
    身体も心も楽になりますもの。
    桑山さんをはじめとする『地球のステージ』スタッフの方々も、
    どうか無理をなさらず、ご活躍ください。
    どなたかが「家族で温泉にでも」と書いておられましたが
    本当にそうお勧めしたいです。
    「地球のステージ」は桑山さんあってのステージですから・・・。
    ご自分の身体を労わるということは、
    「地球のステージ」を大事にするということだと思いますよ~。
    次回の「それぞれの日曜日」には、桑山さんや明子さん、優子さんたちの
    リラックスしている様子が読めますように。

  8. いつも感動をありがとう。岐阜のステージに行きました。桑山さんや地球のステージスタッフに励まされながら日々生活しています。辛くなったとき、これも何か意味のあることだと思える、こんな自分でいいんだ、後悔したくない結果ではないやるだけやったら納得できる、人は人によって支えられている……。 いくつものフレーズが頭の中を廻ってきます。
    無理をされないように、と言ってもすぐ行動されているとは思いますが、体が資本です。ご自愛ください。
     

  9. 先日、大学生の集まりに招待されて参加してきました。
    かなり意識の高い学生たちでした。うれしかった・・・
    震災のことを忘れてはいけないと思っている学生が大勢でした。
    しかし、まわりの学生たちは震災の被害のことは忘れかけているという。自分に降りかかったことでなければ、関係ないのか?同じ日本人として、それじゃいけないよ!、と。
    そう、第二次世界大戦のこと、原爆のこと、語り継ぐ人が少なくなっていることなど、考えてみようよ。
    人として大切なことを、大切にしなければいけないことを。
    ちょっとだけ伝えられたかな。少しずつ、ちょっとだけ・・・
    そんな一日でした。

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