中部圏の人々

 今日は名古屋と岐阜の2ステージでした。

 中部地方は僕の生まれ育った地域。「もんで」文化と僕は勝手に呼んでいますが、いろんなフレーズに「もんで」が付きます。

「そやもんで」=「だからね」

「やっとるもんで」=「行っているから」

「きまっとるもんで」=「決まっているから」

 つまり「原因」に関する言葉に「もんで」をつけたら、もうあなたも立派な「中部圏人」。

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 そんな中、午後からは「森の会」の皆さん。実は今年の5月のステージの1番公演を行っているのに、同じ年の中で2番を実施してしまうすごいパワーの持ち主の皆さんです。基本的に森の幼稚園と太陽幼稚園の子どもたちのお母さんお父さんが中心となっていますが、小さいお子さんを持つお母さんたちの力の結集がこれほどまでの力になるという、全国でも希有の実行委員会です。

 通常5歳よりも下の年齢のお子さんと一緒にいるとなかなか「地球のステージ」の公演を自主企画しようという気持ちにはならないものです。それくらい小さな子どもたちにはエネルギーが必要。でもそれを乗り越えてこうして集まるお母さんたちのエネルギーの源はいったい何でしょうか。

 僕は二つあると思います。それは、やはり「我が子に“地球のステージ”を”体感”させたい」という願い。それはまさに「理解」ではなく「体感」だと思います。今日はステージの2番ですからなかなか難しい内容。果たして3~5歳の子どもたちがすべてわかるとは限りません。しかしお母さんたちは「身体の感触で感じ取るものがある」と確信し、今回も多くの未就学の子どもたちが前席を陣取っていました。しかしみんなとってもよく聴けるんです。お母さんたちの願いをちゃんと受け止めて「体感」してくれる子どもたちです。同じ県内のJ小学校の子どもたちが我慢しきれず最初の40分で崩壊したことと対照的でした。

 もう一つは「知らないふりは出来ない」という生き方を貫こうとしているお母さんたちだと言うこと。

 目の前の子どものことを守ろうとする気持ちがそのまま世の中の出来事の不条理さへの疑問につながり、それが社会性の扉を開けて非常に謙虚にかつ理性的に問題解決の方法を探ろうとされています。だから、津波が起きて被害を受けた被災地のことが心配でならない人たちなのです。それが故に同じ年内だけど5月に「震災篇」。そしてこの10月に「復興篇」を呼んでくださったのだと思います。

 こんなに意識の高いお母さんたちに呼ばれて、本当に幸せでした。

 次の展開は読めません。でも、未就学の子どもたちが大勢来るけど、ちゃんとやれるという全国では唯一の形式を取るこの「森の会」のお母さんたちと何が出来るのかは模索したいです。3番~6番の中で比較的子どもたちでも理解しやすい、「スリランカ津波復興篇」や「ジャワ島中部震災救援篇」、「ガザ危機篇2」や「自転車日本一周篇」を組み合わせて再編成、「森の会版~ステージその3」のような内容もありではないか、と勝手に思ったりしています。

 ぜひまたやりましょうね!


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 夜は我が岐阜県へ移動。そして笠松町で5回目、5年目のステージ。

 呼んでくださっているのは笠松町文化協会の河合さんご夫妻と実行委員会のみんな。笠松のステージは小中学生と大学生、そして社会人が積極的に関わっている混成チームです。いつも満員になるホールは暖かい雰囲気に包まれてちょっとしたことでも泣けてきます。「応援花」で、翔也君のサッカー姿を見ては泣けて、「白き村人」では菅野さんが小浜島のキビ刈りでヤカンの水をラッパ飲みする姿に泣けて、「風のモハマッド」では、ガザの海を笑顔で駆け抜けていく子どもたちの笑顔に泣けて、「この指とまれ」ではうちの亡くなった親父が歩道橋から小走りに駆け寄る姿に泣けて、「震災篇」ではすべての話しに泣けてきてしまう。もちろんどの場面でもグッとこらえますが、会場が一体になった感覚が強いのが笠松町のステージの特徴です。だから自然とこちらの気持ちも啓いていくのだと思います。

 こうしてみると、中部圏の皆さんがどれほどの心配を被災地に向けてくれているのかよくわかります。

 7ヶ月が過ぎて確かに全国から忘れられてきている雰囲気は感じますが、それは一部民放などのテレビ番組に影響を受けているからそう感じてしまっているだけで、この中部圏に来てみると一人一人の皆さんはちゃんと自分なりの心配と関わりを被災地に向けてくれています。だから実はいつの間にかマスコミの意向に振り回され、

「半年が過ぎて、被災地に向けた全国の関心が薄れつつある」

 というイメージが植え付けられているに過ぎないのではないかと思えてくるのです。本当はそうではないのに、一部のテレビ報道や下世話な週刊誌に乗せられてそう思わされているだけなのかもしれない、とも思えるのです。

 もちろん3月の頃の関心とは違うものかも知れません。でも、10月には10月なりの皆さんの心配と関心がそこに存在しているように思いました。その意味でも、今日の中部圏2公演は大変嬉しかったです。

 これからも中部圏にもっともっと通っていけますように。

桑山紀彦

中部圏の人々」への9件のフィードバック

  1. いつか自分も企画して、名古屋市の中学校か一宮市の有志で「地球のステージ」を呼びますね!そして、大口町にもまた来て欲しいです。遊佐さん、maruko、大口町の皆さん、企画の方よろしくお願いします!

  2. ■大勢の子どもたちと体験できた『ステージ2』良かったです!
    対象年齢に合わせた桑山さんの語りと、会場の雰囲気と、自分のココロの持ち様で毎回届くものが違うんですね。
    森の会の皆さんの雰囲気も、あたたかく素敵でした。帰りのエレベーターでも「よかった‥あぁ‥とてもよかったね。」と、ご家族に話しかけるお父さんがいらっしゃったり。学生時代を過ごした長久手町に、今も住んでいたら…きっとお仲間に入れていただいていたのでは?その人生もかなりいいなぁ~と、憧れを持ちました。
    ■この度折り込まれていた『復興篇』により10月の復興をかいま見ることができて、『震災篇』の衝撃のまま固まっていた心に、少し安堵感を得ることができました。そして、現状に合った応援がしたい。さらにその後を知りたい!という気持ちが湧いてきました。
    特に、3月19日に部活単位で大口町民会館へ来て『地球のステージ5&震災篇』をともに体験してくれた大口中学の生徒さんには『復興篇』を伝えたい!!と強く思いました。

  3. 桒山紀彦 様
    お母さんたちのエネルギーにはすばらしいものを感じます。
    体感することの大事さそして知らないふりはできない、という
    こと。
    この二つのアドバイスにとても感じるものがあります。
    ありがとうございます。

  4. 桑山さん、中部圏の人たちに パワーをもらえて良かったですね。
    中部圏の人も桑山さんから たくさんの思いをもらえたことでしょう。
    最近 オーバーワークの私 その場に 居たかっなぁ~

  5.  人間いくつになっても向上心をを持ち続けることは大事なことで、死ぬまで勉強は続けるものだといいますがそう簡単にできることではありません。
     おとうさんは仕事にあくせくし、おかあさんは家事や子育てに大忙しといったところ。子どもは子どもで塾やスポーツクラブに出かけゆっくり遊ぶ時間もないという現実が続いているのではないでしょうか。そんな中で、どうして一生勉強を続けることができるのでしょうか。学者先生でもあるまいにと思ってしまうのです。ところが、自分の歩んできた道に悔いがあったり人生に遣り残したことがあったりするとどうやらもう一度勉強しようと思ってみるようです。
     家人が英検準一級を京都で受験したとき、おとうさんとおかあさんに連れられた小学生が準一級の受験に来たというのです。これを見た家人は大変ショックを受け、自分はいったいなにをして生きてきたのかと人生を恥じたうえ、自分自身が情けなくなったといいます。人間、何か目指すべき目標があると勉強は一生続けるようです。そこで今日、家人は大阪へ英検一級の受験に行ったようです。 横浜にいる長女はNative Speakerを目指しベルリッツの上級コースに最近通い出したといいます。みんな頑張ってるね。
     かくゆうボクは、向上心のかけらもなく今日も競馬場へ通います。いやはや、ボクの人生はいったいどうなっているのでしょう。はなはだ恥ずかしいかぎりですが・・・・。ただただ馬券を握り締めゴール前で絶叫するばかりです。お恥ずかしい。トホホホホ・・・・・。
       和歌山   なかお

  6. 地球のステージはまさに「体感」という言葉がぴったりだと思います。
    体も心もすべてが揺さぶられるからです。
    でも、小さなお子さんたちがじ~っと見入ってしまう力はすごいですね。
    被災地への関わりは全体から個々のつながりへと変化しているのかもしれませんね。
    顔と顔が見える関係で支援したいという思いが皆さんにあるように思います。
    マスコミは大きなことを取り上げる傾向が強いから報道が減っているのかも。

  7. 桑山さん、石橋さん、後藤さん、音響さん
    「もりの会」のステージ本当にありがとうございました。
    小さな子ども達にも分かりやすいよう、毎回、構成や語りにも心を砕いて頂いて、本当にありがとうございます。
    曲が始まり、桑山さんの声を聴く瞬間はその場で聴ける事に毎回感動しています。6歳の娘もそうなのでしょう、朝から「ステージ2」の曲を大熱唱でした。
    「体感」そうだ「体感!」この言葉ですね。
    小さな子ども達にも伝わることを、わが子をみて実感している母親たちが「小さな子どもにも伝わる!」「子ども達は何かを感じる!」それがいつかどこかで芽を出す種となる。・・・こう伝えてもやはり「まだ早いから。」・・・そんなことないの、伝わるの・・・と思いながら準備を進めていましたが、「体感」ですね。この心に響く体感は、きっと気持ちの根っこの部分にしっかりと根を張ると思っています。
    まだ次の形がどうなるかは分かりませんが、やっぱり伝え続けることが大切だと体感しました。
    本当にありがとうございました。
    中部圏でも、色々なところで地球のステージが観られる事を楽しみにしています。
    桑山さん始めスタッフの皆さま、お身体無理をされませんよう心よりお祈りいたします。
    本当にありがとうございました。

  8. 笠松町の公演ありがとうございました。
    なんかあっという間に5年が過ぎてしまいました。
    桑山さんのステージに出会い、めっちゃ感動して
    必ず笠松町にお招きしますと、勝手な約束をして
    人間思いが強いと、周りもそういう方向に向かうのですね。
    人間の持つポテンシャルは不思議なものがありますね。
    「思いは必ずかなう」を実感させていただきました。
    約束を実現して5年たくさんの方に来ていただけました。
    今回も雨の中を遠くからも駆けつけていただけました。
    見に来ていただいた方々本当にありがとうござました。
    自分の人生の中で、桑山さんとの出会いをほんとうに感謝いたしております。
    これからも桑山さんの活動を応援し続けていきたいと思っています。
    どうか桑山さんはじめステージのスタッフのみなさん、お身体を大事に頑張ってください。

  9. もりの会の2回目も参加。今回は職場の同僚と大人4人で参加しました。
    ちょっと、異質なグループでした?けど、本当に子供たちは聴けるんですね。すごいです。子供にかかわる仕事をしているだけに、本当に気持ちってちゃんと伝わるんだと感じました。
    最後の質問「どこの国に行ってほしいですか?」に対しての桑山さんの「途上国と言われる国に行ってほしいで、何が途上なのかわからないけど、人間が輝いています・・・」の
    お答えもすごかった!!
    ありがとうございます。
    また、お会いできる日楽しみです。明日?今日名古屋栄にも伺います。もっともっと、知りたいです。閖上げのこと、世界のこと。

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