降りしきる雨の中、8年目の3月11日がやってきました。
これまでずっと雨が降らなかったこの日、僕たちは初めての雨の追悼の集いを迎えることになりました。覚悟はしていたけれど、どれだけの人が集まるのか、どれほど運営が難しくなるのか不安でした。
でも朝10時前から仲間たちが集まり、いつものように準備が始まっていきます。雨であっても晴れであっても仲間である「人間」が集えば何も怖くはない。僕たちには仲間がいるのだということがじわじわと感じられてきます。
午後になっても雨脚は弱くならず、かえって風が強くなってきました。そして14時25分。実に350人を越える人たちがそこに集まっていました。こんな暴風雨のような、しかも月曜日にこれほどの人が今年も集まってくれる。マスコミの皆さんも実に12社カメラを構えて下さいました。降りしきる雨の中、今回の挨拶が始まりました。
小齋館長。「一人一人の名前を持った人々が”数”になってしまった。そのことを心に刻もう。」
輝美さん。ある事件で娘さんを失ったお母さん。「天国の娘がこうしていろんな人をつなげてくれたと感じている。ここに来られてよかった。」
陽向さん。閖上中学校の卒業生。「向き合うことの大切さを学んできました。いろんな人の支えによって今私はここにいます。」
佐々木さん。「8.12連絡会に多くのものを学べた。」
そして「8.12連絡会」の美谷島さん。「哀しみでつながることもできる。これからも多くの人たちでつながっていこう。」
最後に丹野さん。カウントダウンにつなげていきました。そして見あげればついに太陽が顔を出し始めたのです。あり得ない奇跡。もちろん雨は止むとは信じていたけれど、ちゃんと鳩風船を飛ばす時間には雨が止んでいったのです。
やはり奇跡は起きました。天からの力の偉大さ。公太くん始め多くの人たちが向こうの世界から力を出し、雨を上げていったのだと信じられる瞬間でした。
今年も最高の「追悼の集い」になりました。
全国津々浦々から集まって下さった皆さん、ありがとうございます。そして年に1回のこの日に親戚の法事のように集まるボランティアスタッフ。みんな年々力を上げてまさにプロフェッショナルになってきています。来年もよろしくお願いします。
また来年、みんなで集います。
桑山紀彦