昨日は盟友、久保田さんが主宰する即興劇、プレイバックシアターの公演に出かけました。
昔沖縄で見た時、その余りの演出に度肝を抜かれましたが、久しぶりのプレイバックシアターでした。
久保田さんはNICCOで一緒に活動した仲間です。特にジャワ島中部大震災後の心のケアを共にした同志。その後静岡大学の大学院に進み、見事臨床心理士となりました。
でも、これまであってきた幾多の臨床心理士とは全く違い、アクティヴで優しく行動的。しかもこの演劇に特化した心へのアプローチは常に先進的です。
うちのパレスチナ事業の専門家として今後も頼りにしていきたい人です。
江戸川橋の会場にいってみるとなんとそこに南さんが!
彼女もまたNICCOでジャワ島、ヨルダンと共に活動した仲間です。久しぶりの再会となりました。
さて、プレイバックシアター。
会場の人の心の動きや、過去の出来事を4人のアクターが即興劇にして再現(プレイバック)する。久保田さんのナイスなコンダクト(導き)によって、驚くべきテレパシー即興劇が展開していきます。
特にその人の過去における遺恨を残した形の出来事をプレイバックするアクターの皆さんは圧巻でした。
正直言えば、自分にとっては津波のことをプレイバックしてほしかった。
津波後、幾多の人々の慟哭を受け止め続けてきたある日、丹野さんがやってきました。
それまで医師でもあるし団体の長でもある自分は、気張り続け、みんなを支える役をしっかりと演じなければと、ある意味無理をしていたように思います。
でも丹野さんが来て、知らずこぼれる自分の涙に出逢ったとき、医師であっても団体の長であっても涙を流して良いのだと気づくことができ、ある意味「解放」されたのだと思います。
それはまさに土砂降りの中でずぶ濡れになっている人を「支えたい」と思ったとき、普通は傘を探してきて差し出そうとするけれど、その傘がないときは「一緒に濡れてもいいですか」と言って、その人の横で自分もそぼ降る雨に打たれながら、寄りそう。それも大きな「支援」なのだと信じてきた時間の流れがあります。
でも、そうしようとする自分の姿はなかなか再現、再認識できないものです。だからこのプレイバックシアターにそれを提示したかった。きっとアクターは見事にそれを演じ、
「そういう支え方でいいのだよ」
というメッセージをくれたでしょう。
それこそ、心のケアにつながるプレイバックシアターの役割なのだと思いました。
久保田さんと知り合いなので、劇場ではかなり遠慮してしまったことを今は後悔しています。
でも、これからも久保田さんの動きは応援していきたい。
こちらは心理社会的ケアという手法。久保田さんはクレイバックシアターという手法。どちらも心が元気になるようなアプローチであり、世界を舞台にできる活動。
これからも久保田さんといい形でつながっていきたいと思いました。
桑山紀彦