東ティモール3日目

今日は1日、バイロピテ診療所での診察でした。
 やはりいろんな患者さんがいらっしゃいます。いつも多いのはもちろん風邪の患者さんですが、日本でもそうであるように、ここでも感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)が激発しています。対処療法的に対応するしかないところもありますが、マラリアも多い状況です。
 マラリアの診察にはコツがいりますが、中でも大切なコツは「風邪と見分けること」です。とにかく症状が風邪によく似ています。だからうっかりと風邪と診断してしまわないよう、細心の注意を払っていきます。そしてそんな中で、風邪とは違う症状の特徴として「背部痛」と「吐き気」があります。なぜマラリア原虫にかかっている病気で背中の痛みと吐き気なのか・・・、諸説ありますが、結構これは診察のポイントとなる症状群です。
 そんな中、前腕外側にぱんぱんとなって膿をためたお母さんがいらっしゃいました。こんな時は外科処置です。消毒して、噴火直前の火山口のようなところに軽くメスで切れ目を入れると、あとは堰を切ったようにマグマのような膿が噴出してきます。血性が強い時は内部までの細菌感染を強く疑います。今回も血性のどろどろになった膿が30ccは出ました。涙目のお母さんが平たくなった自分の前腕をみてほっとし、
「Obligado(ありがとう)」
 といってくれたことには嬉しくなりました。ほっておけばひどい時には前腕切断に至りますからね。よかったよかった。
 そしていつものようにダン先生と、アイダ、そしてスタディツアーの面々と東ティモール唯一の日本料理屋「祇園」で食事しました。
 ダンは現在の Frontlineの山岳地帯における巡回診療を高く評価してくれています。がんばらないと。いつも変わらないダン先生の姿勢に再び元気をもらって、明日もまた診察ですね。
ダンたちと
ダンたちと、「祇園」にて
桑山紀彦

東ティモール3日目」への1件のフィードバック

  1. 桑山さんあなたの笑顔と愛は最高の贈り物です。
     たくさんの人々に生きる勇気や夢を与えて頂きました。本当にありがとうございました。
     私は、何事にも一生懸命な桑山さんの姿勢に、毎日がんばろうという気持ちが湧いて来ます。早く骨折を完治して、2011年も「地球のステージ」とともに、かけがえのない大切な子ども達に笑顔と愛を贈りたいと思います。
     高山に帰省の際には、お母様へ夏期研修の時は、心温まるメッセージをありがとうございました。お会い出来る日を楽しみにしております。とお伝え下さい。では、皆様のご健康とご多幸を心からお祈り申し上げます。
    「地球のステージ」九州チーム隊長の服部さんとともに 福岡から温かいはるかぜをおくります。

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