徳島県立城北高等学校

先月の話になりますが、久しぶりで徳島のステージがありました。
 四国そのものがなかなかステージ公演少ない中で、昨年呼んで頂いた香川県丸亀の大手前高校とはとても仲良くなり、毎年公演が実現してみんなと大喜びしていたところで、この徳島の城北高等学校の公演がありました。
 徳島はお城の周りに城東、城南、城西、城北と、わかりやすい名前の配列で県立高校があります。市内には文理高等学校という優秀な私立の学校もあり、そこの在校生十川(そがわ)麗美ちゃんは、今から数年前のJICAエッセイコンテスト受賞者であり、いつもいろんなところでつながっている高校生です。麗美ちゃんはがんばって医学部を目指していますが、そんな麗美ちゃんも住む徳島に降り立ったのです。
 
 前もって徳島市内の撮影はしました。昔四国を自転車で一周したときはこの徳島から始まりましたが、眉山のケーブルカーは値段が高くて乗れなかった記憶があります。そんな徳島の街を一通り撮影したのち、城北高等学校に着きました。
 実に1000人近い生徒数の大きな高校ですが、みんな落ち着いた感じで雰囲気は良好。最後まできちんと聴いてくれました。
 そして、担当してくださった古田先生が、こんなメールを送ってくださったのです。古田先生や学校、そしてご本人の許可を頂いておりますので、徳島の高校生の心を感じて頂けるとうれしいです。
(以下、古田先生からのメールです)
城北高の古田です。いろいろありがとうございました。
素晴らしいステージ、生徒とともども、とても感動いたしました。
生徒も教室に戻ったあと、感激さめやらぬなか、クラスで感想を書きました。かなり熱のこもった感想を書いた生徒も多く、ああ意義ある時間だったのだなあという思いを新たにしました。
本当にありがとうございました。ぜひ、機会があれば、またよろしくお願いいたします。
以下の文章は、生徒のひとりが書いたものです。
桑山さんをはじめ、みなさんにぜひ読んでいただきたくメールした次第です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 初めに、このような機会を下さった古田先生、そして、公演してくださった方々、本当にありがとうございました。今回のステージ、私にとってとても大切なものとなりました。
 最初、人権集会だなんて、何をするんだろう、めんどうくさいなあ、長いなあと思っていました。しかし、始まってみると、素晴らしい歌と映像、気がついたら涙が出ていました。
 フィリピンでの少女との出会い、おばあさんに目薬をあげたことがきっかけで、少しずつ桑山さんの考えが変わったこと。人って、ちょっとした事で変わることができるんだと思いました。一番印象に残ったのは、ゴミの山の中でクラス人の話と、難民キャンプの結婚式の話です、
 ごみの中からお金になりそうな物を集めたり、5キロもある道を何往復もして水を運ぶ子どもたち。
 一日で100円ほどかせいだ彼らはお金をすべて父親へ。父親はこう言いました。
「こんなにかせいだのか。身体は大丈夫かい。今日はいおより4つも多くごはんが買えるね」と。
 それを聴いた瞬間、子どもは笑顔になり、その笑顔は、他のものとは比べ物にならないぐらい美しかったんだろうな、と思います。
 この話を聞いて、私は涙があふれました。
 なんて暖かいのだろう。
 日本でこんな光景を目にすることができるのだろうか、と。
 難民キャンプの人々は、元々家を焼かれ、家族を殺された人々です。
 最初は絶対「人なんか二度と信じない」「にくい」「自分は不幸だ」そう思っていたでしょう。私なら絶対そう思います。しかし、もう一度、いや何度でも人を信じ、愛することができるのです。
「人は変わることができます。とても強い生き物なのです。」
 桑山さんはおっしゃいました。とても素敵なことだと思いました。
 私の将来の夢は、小児科の医者になって、病気で苦しむ子どもを助けることです。
 そして、昔から「国境なき医師団」にあこがれています。だから、桑山さんの話は私にとってとても興味深く、参考になり、同時に尊敬の念を抱いてやみませんでした。
 一日に8万人の子どもが死んでいる今。将来絶対医者になって、その数を一人でも減らそう。考えれば考えるほど、決心は固まっていきます。
 「どうせみんなを救うことができないのだから…」という人がいます。
 しかし、私はそれは間違っていると思います。
 みんなを救うことは、たしかにできないかも知れない、でも、ひとりでもふたりでも助けることは、何もしないのとは全然違うと思います。
 私も将来桑山さんのように、医師不足に困っている地域に行って、子どもたちを助けたいです。
 私自身の手で、一人でも二人でも、命を救うことができたら…
 その子が将来を切り開く手助けができたら…
 本当にそれは素晴らしいことだと思います。
 とにかく、桑山さんをはじめ、皆さんには感謝しています。
 本当にありがとうございました。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
地球のステージを通して、こうした思いを生徒が書いてくれたこと、深めてくれたこと、前向きに考えられたことが、とても嬉しく思いました。
皆様のステージや、国際協力がさらに発展することを、心から願っております。
乱文乱筆で失礼しました。本当にありがとうございました。
徳島の高校生、がんばってますね!
そしてその生徒を見守る先生のまなざしのまっすぐさもうれしかったです。
四国は桑山にとって旅のはじまりの地。
これからも四国公演、大切にしていきたいと思っています。
桑山紀彦

徳島県立城北高等学校」への2件のフィードバック

  1. すばらしい高校生ですね。感動しました!
    シアコムでの公演がますます楽しみになりました。バンクーバーでは9月の公演に向けて、メンバー一丸となって頑張っております!桑山先生、明子さん、お待ちしておりま~す。

  2. 桑山さん素晴らしいお話をお知らせいただきありがとうございます。
    城北高等学校の皆さんの聞く姿勢に、皆さんの人生を充実するための貴重な時間になられたことと、祈ります。
    自分以外の人に支えてもらえる心強さを、私も桑山さんのステージで教えていただきました。自分の中に湧いてくる勇気、安心感に幸せを感じます。
    争いからは良いこと生まれませんね。

まり へ返信する 返信をキャンセル

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *