実習篇

一昨日は心理社会的ケアのセミナー第2日目、実践編でした。

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 通常子どもたちと1年かけてやる演目を1日でやるというのですからそもそも無理がありますが、それでも写真言語法に始まり、描画、粘土細工と次々に進んでいきました。みんな飲み込みが早く、1言うと10わかるスタッフもたくさんいて頼もしい限りでした。

 特にうちの現地駐在田川奈美さんが事前に何回か実践をやってくれていたおかげで、非常にスムースに進んでいきました。

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 しかし、音楽ワークショップに入ると事態は一変。いきなり難しい雰囲気が漂い始めました。そう、アラビア語は日本語と違って音階に言葉が乗りにくいのです。語尾を伸ばしたり切ったり振るわせたり…。四分音符や八分音符にはなかなか乗りにくい言語、それがアラビア語です。だから歌詞作りでは常に苦労します。音階に歌詞がついてこないのです。しかし実はそれはアラビア語そのものが「音楽の一つの形式」に似た言語だからでもあります。だから既存の西洋音楽の「音符」には乗りにくい。アラビア語独自の歌詞作りが必要なのです。

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 それでもうちの常勤スタッフとなってくれたサリーナは実は音楽が大好きで、メロディも一発で覚えたし、難しいアラビア語の「歌うような」歌詞もちゃんと音符の中に収めていきます。見事でした。

 こうして音楽ワークショップのなんたるかを13人のボランティアやスタッフがみんなで一緒になって学習していってくれました。

 最後はシネマワークショップの実践。実際に機材を使って練習してみました。みんな初めての映画制作機材なのでドキドキしながらもスマホで撮影していました。家族に見せるんでしょうね。

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 こうしてファシリテーターになる人たちへの講座は2日間で終わっていきました。4月1日からは実際にモデルとなる子どもたちに来てもらい、子どもたちに対して、トレーニングを受けているスタッフたちが実際に関わっていきます。それを僕が横でスーパーバイズするという形式です。

 ちょっとしたショートフィルムもつくっていけたらと思っています。

 

 季候も段々よくなってきて、過ごしやすいパレスチナ、ヨルダン川西岸の「春」です。

 

桑山紀彦

実習篇」への1件のフィードバック

  1. 取りあえず名取のことを切り変えてえエルサレムに集中できる強い意志に脱帽です。
    必ず良い作品が出来ることを期待しています。

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