大阪の中学校

「毎日が戦いですから…」
 いつも一緒に組んでいる京都のプロ音響、橋本さんにそういった。
 「そうですなあ」
 これまで橋本さんと幾多の「困難校」をくぐってきたか。昨年の京都の中学校もつらかった。崩壊状態だった。
 でも橋本さんといると安心する。その物腰の柔らかさ。
 「なんとなりますがな」
 そんな応援が、音響席から聞こえてくる。
 大阪の中学校はどこもきつい。茨木、羽曳野、そして今日の河内長野。
 一部の子どもたちではあるけど、落ち着かない。今日の中学校は明らかに数人は授業も受けられていない状況、サングラスかけて、人を威嚇している。
 案の定、ステージが始まってもざわざわだ。
 
 そこで、久しぶりにPeople’s Power法を使った。
 「次の曲の後の拍手を2割増にしてくれ。それがこの暗闇の生で真面目に聞きたいという、みんなのメッセージや。
 それを聞いたら、そんな一部の荒くれた者たちもきっと静かになるよ」
 じゃ~ん、「風の国の道」が終わった。
 拍手~、確実に4割増。
 「やったね~、みんな、ありがとう。その拍手をまとったんや~!」
 それに気づいたのか、確かにざわざわ感はなくなった。
 しかし、旧ユーゴのあたりで2年の女子生徒らが、あからさまに騒ぎだし、笑い声も出し始めた。
 効果なしか…。
 もう一回コメントしてみたけど、やっぱりその一部の女子生徒は最後まで無理だった。
 厳しいものがあります、中学校現場は。
 でもあきらめない。だって、95%の生徒は確実に、
 「オレたちは真面目に聞きたいんや!」という意思表示をして、全校を一つにした。
 それを繰り返していくことで、いつかその「一部の人」も気づいてくれることを願う。
 学校の先生の本当に大変だと思う。そして「地球のステージ」も。毎日、毎回のステージが戦いのような時も多い。
 僕たち、子どもたちと直接対する大人があきらめないように、がんばっていこう。
桑山紀彦

大阪の中学校」への6件のフィードバック

  1. 厳しいものがあります、中学校現場は。との桑山さんの言葉にハッとしました!
    6月のステージで、あからさまに騒ぐ等は無かったが・・後ろの席の子に話しかける、立ち歩く生徒が数人いて集中できなくなる時がありました。
    さりげなく○○法を使って治めてくれていたのかもしれませんね・・・
    95%の子たちのために、来年も再来年も来てほしいと願っています!!

  2. 「5%」と言われた生徒の皆さんへ・・・・・
     「5%の生徒」と言われた皆さんは、このブログを見ない可能性は大きいかもしれません。
    でも、信じます! 今、この瞬間だけが「5%の生徒なんだ」と。
     あなたたちの学校で「地球のステージ」が開催されました。多くの人たちの願いと努力で開催を実現したのです。きっと、いつかどこかで開催に漕ぎつけた努力の様を見聞きする機会があることでしょう。
     人は本来はやさしい生き物であること。多くの人たちの優しさが世界の平和を実現するパワーを持っていることを知ってほしいですね。
     いつの日か、やさしい気持ちを持っている自分に気づいてください。その手助けに「地球のステージ」がなれると
    思います。改めてステージを見にきてください。いつでも歓迎です。待っていますよ!

  3. こんばんは。
    10月25日に
    長野県飯田市追手町小学校の講演で
    「出会いって何ですか?」
    と質問させて頂いた者です。
    ほんとにありがとうございました。
    桑山さんの地球のステージ、間違いなく人の心に深く強いメッセージを刻む講演です!!
    懸命に生きようとしてる人達が沢山いる中で、僕達の仲間にはそれが分からない人がいる。世界の現実に目を向けられない人がいる。その事実を知ってるだけに何だか切ないです。それでも僕達は仲間です。いつか手を取り合える日を信じます。

  4. 地球のステージは、「5%の生徒」と括られた子どもたちにこそ必要な「出会い」です。 
    ステージを観て心が揺さぶられ涙する事が恥ずかしく思う子もいるでしょう。 普段強がっている子は、特に「素の自分」を見られるのが恥ずかしいのでしょう。 だから何も感じないフリをするのです。 
    「容姿がどうであれ心根は、素直なのだ」と信じる大人や仲間が必要です。 
    私事ですが、
    ぐれていた高校生のとき級友の「T」が養護施設M学園でのボランティアに誘ってくれました。 何度も何度も誘われて渋々付き合ってみました。 
    園の子どもたちの「笑顔」の中に不幸な境遇や深い悲しみや苦しさが有る事を知りました。 この「笑顔」には、親代わりで一生懸命に子どもたちを見守っている園長先生や職員の絶え間ない努力が有る事を知りました。 
     一寸した事でグレて、大人の偏見に反発し、益々脇道に自分からそれて行く自分がチッポケな人間に見えて恥ずかしく成りました。
    容姿を変える事は大人に対する「反発の証」として出来ませんでしたが、心のモヤモヤや怒りは静まり自分を取り戻していく事が出来ました。 
     時が過ぎ50才の自分が地域活動で子どもたちとふれ合い「地球のステージ」に関わっているのは、古里にいる「Tとの出会い」と「M学園の園長と子どもたちとの出会い」が今も自分の心を支えていてくれるからです。
    確かに一度染まった物は、なかなか元には戻らない。 染まりきって救い様の無い様にみえる物も有る。 でも戻れない訳でもない。 染まりきる前に、一時も早く漂白剤に漬けることが出来たら思います。 
    M学園の子どもたちは、私の漂白剤でした。 
    「地球のステージ」に出会った時、M学園と同じ漂白剤だと思いました。 
    「地球のステージ」は、5%の子どもだけではなく、95%の子どもや周りの大人たちの中にも有る染まった心を漂白してくれると思います。 
    5%の子どもたちを孤立させてはいけない。
    きっと彼らは、心ない大人たちに色を着けられ染められて行く自分達に絶望と怒りを感じている。 
    その怒りは95%の子どもたちも共有できる怒りではないでしょうか? 
    そんな怒りを受け止めてくれる大人がいる事を、友がいる事を教えてあげてください。 
    「地球のステージ」や「ボランティア」などに誘い、一緒に考え、悩み、泣き、笑いする事で「やさしさ」を「本当の自分」を取り戻してもらえるのではないでしょうか。
    「ボランティア」は、人にして上げるのでは無く、自分のためにするものだと、きっと気付いてくれると思います。
    ステージは、パート1だけでは有りません。パート2、3~とチャンスは続きます。 待っているだけで、何もしなければ、何も変わらない。 
     一緒にやらないか?と誘ってください。 いつかきっと手を握り返してくれると信じて!! 
     
     
       

  5. Oyaji M様
     「地球のステージ」の桑山です。
     読みながら、心に深くしみいるものがありました。
     5%の人たち、と言ってしまった自分を反省しながら、思い出すのは3年前の今日の事です。
     その日は親父が亡くなった日でした。朝の6時に故郷、飛騨高山の兄から電話があり、親父の危篤を告げられました。刻々と灯火が消えていく親父の命の様子を、兄に実況中継してもらいながら、最後に、
    「兄ちゃん、もう十分や。それ以上蘇生をすると親父も苦しいと思う。医者に”おつかれさま”と言ってくれ」
     そして親父が亡くなりました。
     でもその日は横浜市内の中学校でステージが入っており、迷いましたが親父に、
    「歌ってから帰るで、ごめんな、父ちゃん」
     と心の中で語り、その学校へ向かいました。
     その学校は凄まじく荒れていました。全然聞く気もない生徒たちでいっぱいです。
     「なんでこんな親父が亡くなった日に、この学校へ来てしまったのか」と後悔しましたが、始まったのだから逃げ出せません。
     でも、あまりにざわざわで、ついに切り札を出してしまいました。
     「みんな、ちょっと聞いてくれるか。今朝僕は親父が亡くなった。でもみんなに会いたくてここへ来た。どうか、私語だけはやめてくれんか。聞きたい人の迷惑になると思うから」
     それでもその学校は静かになりませんでした。
     ほとほとの態でその学校を出て、新横浜の駅で新幹線に乗り親父の元へ還りました。
     冷たくなって何時間もたった親父の亡きがらに会えたときには、もう夜になっていました。
     「人の死」にさえも軽くなってしまった中学生。
     今でもその出来事がトラウマで、親父の死を軽んじられたという思いが消えないままです。
     それでも、その後もへこたれる事なく中学校のステージに立ち続けています。そして見えてきた事。それは、
    「だから僕は、これからもステージを続け続けるのだ」
    という思い。
     もう絶対にそんな「人の死さえも軽い中学生」に遭いたくない。その一念で”荒れた中学校”に立ち向かおうと思えるようになってきました。不思議なものです。
     そしてOyaji Mさんのような人がいるから、これからも逃げないで立ち向かおうと思える。Oyaji Mさんに
    「あんたたちのやっている事は漂白剤なんだ」
     と言ってもらえるのであれば、それを信じて尽き果てるまで、その役割を全うしたいと思います。
     10月31日、故郷、飛騨高山の人たちが「地球のステージ5~果てなき地平線」を呼んでくれました。
     5番は現在の最新作ですが、親父の遺志を継いで、北海道に開拓に入った桑山家の血筋をたどる「命をたどる旅路篇」があります。
     親父への思い、北海道への思い、そしてOyaji Mさんの心底励まされるコメント。
     すべてが「がんばろう」と思えるエネルギーの源です。
     ありがとうございました。
    桑山紀彦
     

  6. 2年前に桑山さんのステージを体験させて頂いた時、「地元の荒れた中学校の子ども達(正に↑の5%)に、是非見せたい!」、そう思いました。
    我が子、他人の子に関係なく、生きてはいるけれど活きてはいない、荒んだ目をした子ども達がいつも気がかりでならないのです。自分自身も(被性的虐待児だったので)いつも「死」に捕らわれて一所懸命には生きようとしない子どもだったから。
    今日、ここで、デアイ様、Oyaji.M様、桑山さんのコメントを拝見して思いを新たにしました。
    個人で何が出来るかは分かりませんが、地元のいわゆる荒れた中学校に、いつか桑山さんのステージをお呼びしたいと思います。
    Oyaji.M様、桑山さん、そして、ここに目を通された全ての皆さん、活き活きと生きる子ども達をひとりでも多く増やしていきましょう。
    いつも超多忙な桑山さん、そしてスタッフの皆さん、寒くなってきますが、どうぞくれぐれもご自愛くださいますように。

コメントを残す

あなたのメールアドレスは公開されません。必須項目には印がついています *