無事ガザ地区、ラファ市に入りました。
イスラエル入国もすこぶるスムースでしたが、あまりの観光客の激減に驚きました。イスラエルは観光収入も貴重な財源です。これほどガラガラのベングリオン空港も見たことがありません。ISによるパリやトルコのテロの影響はこうして世界を狭小化させています。でも、だから行動を控えたり、海外旅行を取りやめたりするのはどうなんでしょうか。それでは逆にテロリストの思うつぼなのではないかと思うのです。彼らが扱っているのは暴力であると同時に、人の心の中に潜む「不安」でもあります。是非今こそ内面に潜む「不安」をしっかりと自分自身でコントロールして、世界をもっと前向きなものにしていく必要があるのではないか、と思いました。
さて、ガザ地区に入るエレズの検問所も余り人の出入りがなく、閑散としていました。ここを仕切るイスラエル兵士にもぴりぴり感はなく、国境警備を担当する民間会社のスタッフも僕のパスポートを見て、
「あら!明日誕生日じゃないの!おめでとう!」
という感じでした。
エレズの検問所から続く「回廊」も、穏やかなものです。初めてガザに入ったのは2003年2月。もうここへ通って13年が過ぎました。この2キロに渡る「回廊」はいろんなことを考えるのに十分な時間を与えてくれます。1年間、ここに通い続けている自分の「動機」を確認しました。
それはまさに「そこに家族のような大切な人々がいるから。」
出迎えてくれたアーベッド、マジディもまた僕の大切なパレスチナの家族です。
そしてガザ市を過ぎてラファに入りました。相変わらず電気は来ておらず、この寒い冬の夜をどう乗り切ろうかと思案中。もちろんシャワーなんて「水」ですから浴びれるわけもなく…。
改めて空爆はないけれど、生活の厳しいガザでの滞在が始まりました。
明日はこの1年間の総決算「総合発表会」です!。
桑山紀彦
現在、日本時間2月11日午前10時過ぎです。紀彦、お誕生日おめでとう!いつものことですが、心身の健康を心より祈っています。しばらくの松葉杖生活を強いられている私(兄)だからこそ、今年のこの祈りには一層の心がこもっています。